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W.A.モーツアルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス 二長調 K. 618
演奏:MOZART KAMMERPHILHARMONIE
合唱:The Festival Choir
指揮:The Festival Choir
Ave verum corpus natum de Maria Virgine.
めでたし、乙女マリアより生まれし誠のお体よ。
Vere passum immolatum in cruce pro homine:
人々のため犠牲となりて十字架上でまことの苦しみを受け、
cujus latus perforatum fluxit aqua et sanguine.
貫かれたその脇腹から血と水を流し給いし方よ。
Esto nobis praegustatum mortis in examine.
我らの臨終の試練をあらかじめ知らせ給え。
O Iesu dulcis, 優しきイエスよ。
O Iesu pie, 慈悲深きイエスよ。
O Iesu Fili Mariae. Amen. マリアの子イエスよ。アーメン。
( 以上、Wikipedia Japanより引用させて頂きました )
この有名な小曲は、モーツァルト最期の年となった1791年、ウィーン郊外の温泉保養地バーデンで作曲されたと言われています。 わずかに、46小節の小品です。
歌詞自体は、古くからカトリック教会で謳われていた古いラテン語の聖歌のもの。
作曲した、というよりは、古い聖歌を、モーツアルトの脳裏をよぎったメロディでふと口ずさんだものを、楽譜に書き留めたものでありましょう。
その真摯で、気高く、暖かいメロディを口ずさんだとき、彼は、多分、生涯で初めて、神への敬虔な祈り を 呟いていたのです。
祈りは、救われるものが 発するものではありません。
自らは救われることはないと覚悟をした者のみが、発することができるものです。
彼の祈りは、神への惜別であったと同時に、神の救いを希求したものであった筈。
哀れなるかな、モーツアルト。
いいえ、彼の頭の中には、興行師シカネーダから依頼された、民衆の為に作曲される名作「魔笛」の音楽が溢れていました。
そうです、モーツアルトは、生きようとしていたのです。
⇒ W.A.モーツアルト:歌劇「魔笛」K. 620 へ
参ります。