A. シェーンベルグ:弦楽六重奏曲「浄められた夜」作品4
Arnold Schoenberg - Verklärte Nacht Op.4
演奏:ピエール・ブーレーズ
アンサンブル・アンテルコンタンポラン
シェーンベルグが書いた「浄められた夜 作品4」は、弊記事「スピン的哀しみのクラシック音楽史(9):グスターヴ・ホルスト 組曲「惑星」」の次に、
お聴き頂きたいものです。
ホルストが示した「何もない世界」に「生きる」ことを務めとされた人々を襲う、耐えがたい狂気と、底知れない虚無。
人々に残され、唯一、示された「為すべきこと」は、
為した暁きに灯るかもしれない「救いの光」を追うこと。
追っても報われるかどうかは判らない。いや、追わなくても、
そこにしか、救われる道がない「哀しみ」と「寂寥」。昏い世界。
この曲は、リヒャルト・デーメルという詩人が書いた、とある月の夜の男と女の、以下のような呟きの詩をモチーフとした曲と伝わります。
エデンの園から追い出されたアダムとイブの、後悔に満ちた会話のように
響きますが、悲劇的にも、既に、神はエデンから遠く離れているのです。
現代の不条理を、胸元に突き付けられる曲です。
≪ アーノルド・シェーンベルグの簡単な履歴 ≫
⇒ アルヴォ・ペルト:スターバトマーテル(悲しみの聖母) へ
まいります。