平山 直紀

世界一のRSA暗号の性能だった暗号プロセッサICF3を開発した実績があります。『幅広く』多くの人に暗号プロセッサICF3を知ってもらい、その将来について語ってみようかと。

平山 直紀

世界一のRSA暗号の性能だった暗号プロセッサICF3を開発した実績があります。『幅広く』多くの人に暗号プロセッサICF3を知ってもらい、その将来について語ってみようかと。

最近の記事

暗号プロセッサで使われる用語の整理

暗号プロセッサSnakeCubeの解説を僕の日記で書いてきました。用語を、いくつか自分で作っているので整理しました。 Shadow RSA公開鍵暗号の1種。通常のRSA暗号と、RSAの鍵ペアの公開鍵を秘密にして演算するRSA暗号の2つを1つしたもの。 記述を短くする場合、2つの鍵ペアは「表」と「裏」で区別。例えば、表の秘密鍵、裏の公開鍵。 アイドル認証RSA暗号の署名演算において鍵ペアの秘密鍵だけでなく公開鍵の値も秘密にして計算する方法を使った認証。公開鍵を秘密にするため

    • 暗号プロセッサSnakeCubeの発明は何が難しいのか

      目的 効率と性能を追求した画期的な暗号プロセッサSnakeCubeが2018年に僕が発明するまで発明できた人がいなかった理由についての考察。ネタバレ含む。 背景 RSA暗号は1977年に ロナルド・リベスト、アディ・シャミア、レオナルド・エーデルマンらによって発明されたらしいのです。その後、楕円曲線暗号が発明されRSA暗号より計算量が少ないために、多くの研究者がRSA暗号から離れていったことも一因であったように思いますが、これとは別に発明を難しくしている問題がありました

      • モンゴメリ乗算のプログラミングテクニック

        前提モンゴメリ乗算はRSA暗号などの公開鍵暗号で良く使われています。今後、準同型暗号などの暗号応用分野でも広く使われることになると思われます。ただ乗算結果に$${R^{-1}}$$がついているために使い方に戸惑う人もある。そういう人のためのテクニックを紹介します。モンゴメリ乗算については説明を省略します。 モンゴメリ乗算INPUT: 整数 p = ($${p_{n-1}}$$ , ・・・ ,  $${p_1}$$ , $${p_0}$$ )$${_b}$$        

        • RSAは終わらない - RSA 7680bitのICカードの実現可能性

          はじめにRSAは終わらないというタイトルですが筆者(Naoki Hirayama)がRSAが安全であることを保証するのではなくて既に量子コンピュータによって解読が懸念されているECDSAに移行するつもりがあるならRSAは終わらないということです。 暗号移行を促すQiita投稿 : 「RSAの終わりの始まり - 暗号移行再び」 投稿者のラング・エッジ 宮地さんは、ネット上では有名な方のようです 上記、Qiita投稿ではRSA 7680bitのICカードは非実用的という評価に

          クレジットカードのICチップの高速化

          クレジットカードにICチップが義務化され、量子コンピュータが進歩したためクレジットカードのICチップに搭載されるRSA暗号の高速化に関心を持つ人が増えたように思います。 クレジットカードではRSA/ECC暗号の鍵長を長くする以外の方法で対策することも考えられますが、僕が発明した暗号プロセッサSnakeCubeは高速、高効率に演算可能なので、RSA/ECC暗号の鍵長を長くする方法が、世の中の多くの人にとって幸せ、ということにならないだろうか。 SnakeCubeは、これまで

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          データを暗号化して計算できるシステムがイノベーションを起こすかも!?

          知られたくないデータを暗号化して暗号化されたまま計算できるシステムがあれば社会に変革が起きるかもしれない。「秘密計算」といわれる分野の話です。ハードウェアが専門の僕はやや専門から外れるのですが、一般の人向けのわかりやすい説明ということで。後半、SnakeCubeが優れたハードウェアであり社会に大きな影響を与えるかもという説明になっています。 (注意、電子投票は技術以外の問題もあるため僕は賛成ではありません) 電子投票がイノベーションになるかは、ここでは考えずに、秘密計算の

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          暗号プロセッサICF3について、その未来

          暗号プロセッサICF3はRSA暗号の性能が世界一でした。1999年12月、大型コンピュータの暗号装置に搭載され、世界中の銀行などに納品されました。欧州に良く売れたそうです。私は開発者なので詳しくありませんが日本では外務省に納品されています。(詳しくは、下記のサイトにあります) 開発秘話については、別の機会にと思っているので、ここで簡単に説明すると、私、平山 直紀が早大理工学部電気工学科を卒業し、早大理工学研究科計算機工学専攻を修士で卒業(研究室の同期の中では成績1番で研究室

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