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羽生九段、反撃の狼煙

「将棋の第70期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)の挑戦者決定リーグ(王将リーグ)が22日に始まり、羽生善治九段(49)が藤井聡太二冠(18)と対戦して、80手で勝った。羽生九段は藤井二冠に公式戦初勝利で、挑戦権獲得に向けて好スタートを切った。」

https://www.asahi.com/articles/ASN9Q6HC2N9QUCVL00T.html

久しぶりに羽生さんを見たら、ずいぶん髪の毛が白くなったと感じた。3月のライオンにでてくる宗谷名人は白い髪で、羽生さんがモデルだと聞いた記憶があるが、まるで羽生さんのほうが宗谷名人に寄っていっているようだ。

さて、昔から自分は羽生さんのファンだと認識してきたわけではないが、やっぱりというか、長年見てきた羽生さんが若いタイトルホルダーに勝つのを見るのは毎回嬉しい。そうやって応援しているので、自分はきっと羽生ファンなのだ。いつの間にかそうなった。

いまだに生涯勝率7割を超えているとはいえ、近年かなり勝ったり負けたりの成績が続き、7割を切りそうな状況に来ている。でも羽生ファンとしては、これは壮大なキャリブレーション期間だと見たい。羽生さんは相手の得意戦法、得意な展開を全て引き出し、その上で勝ってきた。羽生さんに対して最初は大幅に勝ち越していた棋士が、ある時点で急激に勝てなくなり、あっという間に逆転される現象は将棋ファンなら誰でも知っている。

羽生さんよりはかなり若い渡辺三冠でさえ、対戦成績から言えば相当にキャリブレーション(異なる指し方や世界観・技術等を理解・吸収すること)されている。羽生さんはもうすぐ50才、藤井二冠との年齢差は非常に大きく、また藤井二冠はネイティブAI世代であるので、このキャリブレーションは成功するとしても時間がかかる。しかも藤井二冠は伸び盛り、現在進行形で強くなっている。

羽生さんは先日行われた第33期竜王戦挑戦者決定三番勝負で丸山九段に勝利し、豊島竜王への挑戦権を獲得した。

https://www.asahi.com/articles/ASN9M7CY9N9HUCLV013.html

竜王戦が始まる前に誕生日を迎えるので、記事にあるように50才で挑戦することになる。この勝負自体は、もちろん勝ってもらえれば嬉しいが、新世代に対するキャリブレーションの材料になればいい。それでいつの日かキャリブレーションが完了し、近年新設されたタイトルである叡王も獲得して、8冠制覇を目指す。それが羽生さんになるのか藤井二冠になるのか。これからの将棋界の見どころの1つは、そういうことだと思っている。

とはいえ…キャリブレーションの材料になればいいとか言っても、やっぱりもう羽生九段という呼び方は聞き飽きた。そろそろ羽生竜王とか羽生王将とか、もっといえば羽生何冠と呼びたい気持ちだ。竜王戦がとても楽しみ。

ではでは。

ちょび丸(1歳)の応援をよろしくお願い致します~😉