都市伝説を紐解きたければ娯楽を見ろ。〜マトリックス編その3〜

はい、第三弾です。マジ長いな、ごめん。
第一弾と第二弾はこちらから。


■登場人物たちは「七つの大罪」のメタファーか?

これは確信がないので疑問形なのだが、
例えばザイオンに暮らす人間は【地上が破壊されつくされるまであらゆるものを貪った暴食の罪】のメタファーであったり、あるいは【地上が破壊される前に手を打たなかったうえに救世主の登場をただ待つ怠惰の罪】のメタファーであるともいえるかもしれない。

モーフィアスがネオを救世主だと信じてその意志を貫いた態度は、別の方向から見れば【他人の意見を聞かない傲慢の罪】のメタファーと言えるかもしれない。

サイファーは【トリニティとネオの関係に嫉妬する嫉妬の罪】であると同時に【私利私欲のために仲間を売って殺すような貪欲の罪】のメタファーとも捉えられる。

マウスが自慢する赤い女のプログラムやネオとトリニティがお互いに溺れる様は【色欲の罪】、兄を殺されたタンクやその他の乗組員のサイファーに対する激しい怒りは【憤怒の罪】

…というように、あらゆる要素がキリスト教における「七つの大罪」のメタファーだと捉えられるように思う。


■物語は、レザレクションズへ

つい最近、見る時間によって変化するという手の込んだトレーラーが公開された最新作、「マトリックス レザレクションズ」
このトレーラーを見て思ったことを書いてみる。


<レザレクションズというタイトル>
まずタイトルのResurrectionだが、「復活」「復興」という意味の他に
「イエスの復活」「最後の審判における人類の復活」を意味する。
タイトルがResurrectionsと複数形であることから、「イエス=救世主=ネオの復活」と「人類の復活」の2つの意味であると予想する。
我々の世界において支配層が最後の審判へと繋がるヨハネの黙示録を必死に再現しようとしているこのタイミングでこのタイトルで新作を出すとはなんて粋なことをするんだ!!!!最高!!!!



<インド人っぽい女性は成長したサティ?>
トレーラーで一瞬インド人女性と思しきキャラクターが映るのだが、これはもしや成長したサティではないか?と思った。
サティはエグザイル(不要となって削除されるはずが、それから逃れているプログラム)の一人であり、オラクルに預けられ、夜明け(朝焼け)を描く能力を持つプログラムである。
このサティが成長し、新たなオラクルとなった姿があの女性なのでは?と予想している。
ちなみにサティとはヒンドゥー教におけるシヴァ神の最初の妻である。



<そもそもレザレクションズの世界は何なのか>
「ネオが青いピル=マトリックスにとどまることを選んだ場合の世界線ではないか」という説がたぶん多いと思うが、個人的にはそう思わない

私は今回のネオは今までの三部作とはまた別の役割を持った救世主として復活したと考えている。各キャラクターに記憶がなかったりして別の世界線ではないかというのを疑わせる要素は確かにあるが、私は三部作の続きに位置していると思う。

何度も書いた通り、このマトリックスはキリスト教をベースとしたあらゆるメタファーが盛り込まれている。
ユダヤ教とキリスト教に大きく関係するであろう死海文書には以下のような記述があると言われている。

「光の子」と「闇の子」の最終戦争が起こり、人類は大厄災に見舞われるが、その時2人の救世主が現れる。「アロンのメシア」「イスラエルのメシア」である。

この救世主のうちの一人のメタファーとして復活を遂げるのがレザレクションズのネオというのが私の予想である。
前回までの三部作で自己犠牲によってザイオンとマシン・シティの両方を救ったネオ(イエスのメタファー)だったが、恐らくマトリックスに再び不具合が生じたためにマシン達が新たな役割を持った救世主としてネオを復活させるのでは?と思う。レボリューションズで力尽きたネオの身体はマシン達がどこかへ運んでいったが、はっきり「死んだ」とは言い切れない。もしかすると仮死状態のような感じでマシンたちはネオを保存していたのではないだろうか。それこそクライオニクス的な何かで。

だとすると救世主はもう一人いることになる。それは誰か。
トリニティだ。

死海文書の全容が不明なので何ともいえないが、もしレザレクションズが死海文書をネタにしているとすれば救世主は二人。わざわざ救世主が二人いるということは、「二人で一人、二人で完全体」ということだろう。
つまり「アロンのメシア」と「イスラエルのメシア」の二人が揃わないと意味がない。

そしてネオとトリニティは男と女
つまり陰と陽、光と影、善と悪など二元論において対をなす存在のメタファーということになる。
この二人が二人で完全体になる=陰と陽、光と影、善と悪の完全な統合と調和ということになる。
まさしく私がよくいう「二元論の世界から抜け出した調和のとれた世界」の訪れをこの二人が表すのでは?そんでもってこの事態さえも予測してトリニティのこともネオのようにマシン達は保存してたのでは?というのが今の所の予想である。


他にも「あのカウンセラーは何者なのか」など書きたいことは山程あるが、そもそもまだトレーラーの段階なのでこの辺にしておく。


かなり省略したとはいえ相当長い記事になってしまって申し訳ない。
マトリックスシリーズをまだ見ていない人は、レザレクションズ公開までに是非。

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