都市伝説を紐解きたければ娯楽を見ろ。〜マトリックス編その2〜

はい、前回前フリだけで終わった記事の続編です。

早速続きを書いていくぅー。


■この世はマトリックスである

陰謀論において「この世はマトリックスである」というのはよく言われる言葉である。これには二通りある。

一つは「この世界は一般的に認知されているような世界ではない」という意味で、
・支配層と呼ばれるわずか数%の人間が世界の富のほとんどを独占しているため我々は搾取されているだけだが、その事に気づいている人は少ない
・「学問」と呼ばれるもの全般がおそらく嘘で塗り固められている
・「常識」こそ本来は「非常識」である
・支配層は我々を巧みな嘘で騙し続けている
・善人面した悪人が大勢いる
というようなことを指す。
ここ2〜3年くらいで陰謀論とかその辺の知識を得た人たちがネット上でよく使う。
まぁこれは確かに正しいっちゃ正しいのだが、私にとってまさにマトリックスを思わせると同時に興味をそそるのはもう一つの方である。

それが「シミュレーション仮説」である。

これはスウェーデンの哲学者であり「スーパーインテリジェンス 超絶AIと人類の命運」の著者、ニック・ボストロムが提唱する説である。
ずばり「我々の世界は誰か(高度知的生命体)の生み出したシミュレーションの中の世界である」という説だ。やりすぎ都市伝説できいたことのある方も多いだろう。
このシミュレーション仮説のようなものはアリストテレスあたりも恐らく考えていたことで、デカルトやカントは「水槽の中の脳」という説を生み出した。「この世界は水槽に浮かぶ脳が見ている夢である」というあれである。

さて、このシミュレーション仮説が興味深いのは、あのイーロン・マスクも「その可能性を否定できない」としているところである。
私も確かにこの世界は人間にとって都合が良すぎるとはずっと思っていたのだが、なるほど確かにシミュレーションの中だとすれば納得がいく。
ミスター団結はこのシミュレーションの世界を作り出したのはクババだと言ってたけどそれが本当かどうかはわからない。

そういえば前回のやりすぎ都市伝説は都市伝説とかをずっと調べてる人は随分前から知ってたであろう事ばかりで面白くなかった。ベ◯スがヒューメイリアンであろうことなんてずっと前からわかっていたし、イーロン・マスクもたぶんそうだろう。あの宇宙への執着っぷりときたら(特に火星)、「宇宙に行きたい」のではなく「もう一つの故郷に帰りたい」んだろうなというのは予想がつく。それは置いといて。

このシミュレーション仮説を唱えるニック・ボストロムとイーロン・マスクは世界をどう動かすかを支配層が決めるのに行う会議のひとつである「ビルダーバーグ会議」に揃って出席している。
ニック・ボストロムはトランスヒューマニズム協会の設立にも関わっており、2005年にオックスフォード大学に設立されたFuture of Humanity Institute(人類の未来研究所)の所長に任命されている。


■イエスのメタファー、ネオ

ネオがイエスのメタファーであるというのは前回の記事でも書いた。
彼の「救世主」という役割と、「ネオ」という名前だけでももはや説明不要だが、改めて書くことにする。

イエスが数々の奇跡を起こしたように、ネオもまた奇跡を起こす。
モーフィアスがドン引きするほどの有り得ない速度で強くなり、今までモーフィアス達が苦戦を強いられてきたエージェント達を一人で撃破してしまったり、仲間を絶体絶命の危機から救ったり。

ネオの救世主としての最大の働きは、自分を犠牲にしてザイオンにいる人間とマシン・シティの機械の両方を救ったことだろう。これはイエスが自己犠牲によって人類の原罪に対する贖罪を行ったこと(十字架での磔刑)と同じ。つまり本来なら(救世主が現れなければ)有り得なかったことをこの二人はやっているのである。

ネオが最終的にどちらも救えたのはスミスがネオという救世主プログラムに触れて誤作動を起こしたというか制御不能になったことが一因であるが、このスミスの暴走も含めてアーキテクトの予想打にしなかったことであり、そこからすでに救世主・ネオの起こす”奇跡”は始まっていたのだ。
結果としてマトリックスのアップデートと同時にザイオンも存続するという、これまでのアーキテクトの経験にはない結末となった。

ネオという存在が救世主として覚醒し、マトリックスに変化をもたらすかどうかはアーキテクトにとってもある種の賭けだったのであろうが、その賭けに勝って奇跡を起こしたのはアーキテクトと対になる存在であるオラクルが大きな役目を果たしていると言える。
「父」であるアーキテクトと、「母」であるオラクルによって、「救世主」であるネオは生まれたのである。


■私たちが生きる世界とマトリックスの共通点

目覚めた人間が集まって暮らす都市、ザイオン。
比較的最近陰謀論に興味を持つなどして支配層の企みなどに意識を向けている人たちの多くは、このザイオンに暮らす人間と自分たちを重ね合わせて「目覚めた人」などと呼称しているのかもしれないが、私からすればどちらも本質的には目覚めていない

ザイオンで暮らす人間の目的は「他の人間を目覚めさせて、機械という支配から人間を解放すること」
そしてこの世界における自称・目覚めた人の目的は「陰謀に気づかない人間に自分たちが思う”真実”を教え、支配層から自分たちの自由を取り戻すこと」

だがどちらも気づいていない。

マシン達にとってザイオンの人間は一種のバグであって、そのバグがザイオンという一箇所に集中していれば管理しやすい。モーフィアス達の行動がアーキテクトの読み通りだったように、結局マシンの管理下に置かれている

この世界における自称・目覚めた人達もまた、「陰謀論者」として支配層のプログラムによって解析されており、一箇所に集まった彼らは非常に操りやすい。彼らが飛びつきそうな情報というエサを何パターンか撒けば、そのエサは瞬く間にそのコミュニティ内で拡散され、彼らはそれに釣られて右往左往してまんまと分断工作員としての役目を無意識に果たす
結果として陰謀論者と反陰謀論者というような対立構造が生まれ、それによって眠った人間の眠りはますます深くなり、自称・目覚めた人間は周囲との溝を深めるばかりで現状を打破できない。
結局支配層によって管理され、利用されているのだ。
それがマトリックスのマシン達、この世界の支配層のやり方なのだ。


ただ一つ、この世界をひっくり返す方法があるとすれば、マトリックスでいうところの「不確定要素」を利用することだろう。
ネオが奇跡を起こしたように、アーキテクトさえ予想できないようなことを起こすことが私たちにはできる。
それは恐らく私がよく言う「無数の選択によって発生する分岐」の行く先を奇跡に変えることだ。
傍観せずに自分の持つカードを賢く使うことによって、アーキテクトの予想のその先に行くことができるかもしれない。
ネオが来るのを待つ必要はない。私たち一人ひとりがネオになり、集合意識によってこの世界をひっくり返すことができれば、不確定要素による奇跡も起こるのかもしれない。だがそれには冷静さが不可欠だ。
行動を起こすべき時と静観すべき時を間違えてはいけない。
タイミングを間違えれば、自分で最悪のシナリオを選ぶことになる。


クババのシミュレーションを超えてやれ。



続きはまた次回に書きます。マジ長くてごめん!!

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スピナッチ好き子
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