都市伝説を紐解きたければ娯楽を見ろ。〜マトリックス編その1〜
ついにマトリックスの記事を書きます。
いやもう何回も書いてはボツを繰り返したので全然筆が進まなかったんだけど、書くわ。とりあえず書いてみるわ。
また、この記事にはネタバレを含みますので注意。
めっちゃ長くなるので分けて書きます。
■まず、あらすじを簡単に説明します
<マトリックス>
プログラマーであるトーマス・アンダーソン(キアヌ・リーブス)は裏の世界で凄腕のハッカー(厳密にはクラッカー)・ネオとして活動していた。
ある日彼のPCに「マトリックスが見ている」「白うさぎを追え」と謎のメッセージが。白うさぎのタトゥーの女を追ったトーマスはやがてモーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)やトリニティ(キャリー=アン・モス)と出会い、自分の生きている世界が仮想現実【マトリックス】の世界だということを知る。
モーフィアスはトーマスにこのままマトリックスという楽だがすべて偽りの世界で生きるか、それとも苦しくても目を覚まして現実の世界で生きるかを選べと言い、トーマスは赤いピルを飲んで現実世界で生きる道を選ぶ。
現実の世界で目覚めたトーマスは、他の仲間や予言者・オラクルと出会い、自分が世界の救世主であることを知る。
やがてトーマスはマトリックスの世界を支配するいくつかのプログラムの中でも邪魔者を排除することに特化したプログラムであるエージェント・スミスと交戦。モーフィアスを助けた彼はスミスの放った弾丸に倒れる。
しかし瀕死の彼にトリニティがかけた言葉により、ついにトーマスは救世主・ネオとして覚醒。スミスを倒し、マトリックスの世界において圧倒的な強さを手に入れるのだった。
<マトリックス リローデッド>
コンピュータに世界が支配される中、目覚めた人間たちが暮らす唯一の都市・ザイオン。コンピュータ達はマトリックスから目覚めて現実世界で生きる人間たちを殲滅するため、72時間後に機械の軍隊を送り込もうとしていた。モーフィアス達はこの運命を変えるため、ネオを探していたのだ。
ネオは滅びゆくザイオンを救うため、再びオラクルと接触し、ザイオンを救うにはあらゆるプログラムの根源であるソースに辿り着かなければならないこと、それには「キーメーカー」の助けが必要であることを知る。
ネオに執着するエージェント・スミスはプログラムのタブーである自己複製を行ってエージェントを離脱、何百人という数でネオを攻撃するが、救世主として完全に覚醒したネオはこれを突破、さらにキーメーカーの作り出した鍵によってついにソースへたどり着く扉を開くが、その代わりにトリニティに危機が迫る。
ネオはマトリックスを設計・創造したプログラムであるアーキテクトと出会い、モーフィアス達がネオを見つけ出すまでの行動でさえもアーキテクトのシナリオ通りであり、ネオはアーキテクトに導かれて彼の元を訪れたことを知る。アーキテクトは「自分はロジカルな動作しか出来ず、人間の持つ『曖昧さ』を理解することができない。そのために今まで何度もマトリックスの運営に失敗してきた。オラクルは人間の曖昧さを理解するために作ったプログラムだ」と告白する。
アーキテクトはネオに「2つの扉がある。右の扉はソース、そしてザイオンの救済へとつながっている。左の扉はマトリックス―トリニティのいる所へ、そして君たち人類の終焉の運命へと戻る扉だ。」と選択を迫る。
トリニティの救出を優先し、その後現実世界に戻ったネオだったが、ネオたちの乗る船・ネブカドネザル号は、マシン・シティの人類抹殺用の機械・センチネルズに襲われる。ネオはセンチネルズを撃退するが意識不明となり、ネオがトリニティを選んだことでザイオンの危機も救われていない。
<マトリックス レボリューションズ>
意識不明となったことでマトリックスと現実世界の間で囚われていたネオだったが、モーフィアス達が救出。目覚めたネオは予知能力を手にしていた。
ネオは再度オラクルの元を訪れ、オラクルは「ネオかスミスのどちらかが運命を決め、それによって戦いは終わる」と告げる。ネオはザイオンを救うため、トリニティと共に機械が支配する都市、マシン・シティへ向かう。
しかしその直後オラクルの元にスミスが現れる。スミスはオラクルを乗っ取って彼女の持つ予知能力を手に入れた後、オラクルの伝言を受けるためマトリックスに残っていたネオ達の仲間であるベインの身体を乗っ取り、ネオ達を襲う。ネオはこれにより失明するがなんとかスミスに乗っ取られたベインを倒す。その頃ザイオンは無数のセンチネルズによる攻撃で絶体絶命に陥っていた。
ネオ達もセンチネルズに攻撃されていたがマシン・シティに到達する。しかしその際船が衝突、これによりトリニティが絶命する。
悲しみに暮れるネオの前に現れたのはマシン・シティを支配する”機械仕掛けの神”、デウス・エクス・マキナ。デウス・エクス・マキナは現実世界における地上の支配者であり、人間を「電池」として発電所を運営することで都市機能を動かしている。
人間にとっての敵であるデウス・エクス・マキナだったが、もはやエージェントを離脱したスミスの暴走によりマトリックスが制御不能となっており、発電所の管理が危うくなったことでネオからの「スミスを倒す代わりにザイオンを見逃せ」という停戦の提案を受け入れ、センチネルズをザイオンから撤退させる。
ネオはスミスと最後の決戦へ。オラクルを始めとしたあらゆるプログラムを取り込んだスミスは以前とは比べ物にならないほどの強さを手にしていた。
追い込まれるネオだったがスミスの口からオラクルの言葉が聞こえ、オラクルがまだ意識を保っていることとスミスに取り込まれたのはネオを救うためだったことが明かされる。
ネオはオラクルの言葉に従いスミスを吸収、自ら自爆することでザイオンとマシン・シティの双方を救った。
デウス・エクス・マキナはネオの献身を見届け、人類との共存に同意。ネオの身体はマシン達によって運ばれ、マシン・シティの摩天楼の中へと消えていくのだった。
■まずはじめに
この後の考察というか私が思うマトリックスの世界を解説するにあたって前置きが必要なので最初に書く。
このマトリックスという映画は一貫してキリスト教の世界観を描いており、このキリスト教というのが最大のポイントとなる。
なぜかというと、これまで私の記事を読んできた人はもうおわかりだろうが、私たちの住むこの世界を牛耳る支配層たちはこのキリスト教における聖書の預言を実現するために日々動いているからだ。ちょうど今はヨハネの黙示録の再現を人為的に行っている真っ最中だろう。
以前の記事で「私が今まで立ててきた仮説はコアの部分が違っているかもしれない」というようなことを書いた。それがキリスト教に関係している。
以前の記事に書いたように、世界を支配しているのは「シオニスト」であって、コアの部分はユダヤにあると思っていたが、これがとんでもない思い違いだったかもしれない。(まだ確信がないので曖昧な表現になるのを許してほしい。)
シオニスト達によってこの世界が牛耳られていることは間違いないのだが、それゆえにコアがユダヤ教にあるというのは恐らく間違いである。ユダヤ教というのは恐らくキリスト教という本当のコアを隠す巧妙な隠れ蓑の一つである。なぜなら調べれば調べるほど、あらゆる陰謀の行き着く先がキリスト教だからだ。
預言書の一つとして有名な「日月神示」というのがあるが、この根本は「大本教」であり、さらにこの大本教の根本は私の予想が正しければキリスト教である。日月神示の内容と聖書のヨハネの黙示録の内容が似通っているのは恐らくそのためだ。
つまり、支配層達を動かしているのはキリスト教であり、支配層もまたキリスト教という宗教に囚われた存在であるということだ。
これ以上書くとマトリックスから離れてしまうので、これに関してはまた別の記事で詳しく書くことにする。
■登場人物たちの名前
まず映画で印象的なのは主要人物達などの名前だ。
【主人公・ネオ(Neo)】
まず、Neoにはいくつか意味があり、その一つがONEのアナグラムだ。
作中でネオは "He is the one(彼は救世主だ)."と言われており、この "The one"のONEのアナグラムというわけだ。
The oneは日本語で説明しにくいが、「例の奴」とかそういう感じで、「オラクルが言ってた例の奴(=救世主)」ってこと。
また、"The one"は主に恋愛とかで「運命の人」とかいう意味でも使うし、「選ばれし者」という意味もある。
さらにONEは "The one and only God" とか "One God" のことだと考えるとキリスト教における「唯一神(創造主)」のこととも取れる。
そしてNeoはNewのように「新しい」という意味の他に「復活」の意味がある。
詳しくは後述するが、ネオは救世主、イエス・キリストのメタファーだろう。
ネオがマトリックス内で生きていた時の名前は「トーマス・A・アンダーソン」。
トーマスはキリスト教におけるイエスの十二使徒の一人であり、「疑心のトーマス」と呼ばれるほど疑い深い。これは自分が救世主かどうか疑っている覚醒していない状態のネオを表しているのだろう。
Aはアルファベットの1番目=Oneである。
そしてアンダーソンはAndrew's son(アンドリューの息子)という意味だが、このアンドリューというのはイエスの十二使徒の一人・アンデレに通じる。アンデレはイエスの最初(=1番目)の使徒であり、「魚とパンの奇跡」に関わる人物である。
【モーフィアス(Morpheus)】
ネオを夢の世界・マトリックスから現実の世界へと導き、救世主として覚醒させる役割を持つモーフィアスはギリシャ神話の夢の神・モルペウスのことである。モルペウスは王や英雄の夢に深い関わりがあるとされる神である。
【トリニティ(Trinity)】
キリスト教における「三位一体(神・キリスト・聖霊)」の意味。
三位一体は「一つの神が三つの姿となって現れたものである」という考え方で、「3つ揃うことで一体の完璧な存在となる」ことを表す。
マトリックス〜レボリューションズの三作の世界においては「ネオ・モーフィアス・トリニティ」の三人を表すと考えられるが、今冬公開予定のレザレクションズにおいてトリニティはまた別の役割を果たすことが予想される(後述します)。
【ネブカドネザル号】
モーフィアスが船長を務めるホバークラフト。
由来は恐らくネブカドネザル2世(Nebuchadnezzar II)である。バビロン捕囚でおなじみのあいつです。
ネブカドネザル2世は新バビロニア王国の二代目の王であり、聖書のダニエル書などに登場する人物。その名の意味は「ナブー神よ、私の最初の息子を守りたまえ」。ナブー神はバビロニアにおける知恵の神である。
バビロン捕囚はマトリックスの「エグザイル」とも繋がる。
【ザイオン】
マトリックスの世界から目覚めた人間たちが暮らす現実世界の都市、ザイオン。スペルはZion。
そう、もうお気づきですね。「シオン」です。
【サイファー(Cypher)】
マトリックスにおいて胸糞裏切り者のサイファーの名前の意味はいくつかある。「暗号」、「0(ゼロ)」、そして「取るに足らないもの」。
エージェントにうまく利用され、モーフィアスたちにたいしてしょうもない裏切りを行い、トリニティにも相手にされなかった彼はまさに「取るに足らないもの」だろう。
他にもマトリックスの登場人物や物につけられた名前はすべてに意味があるので自分で調べてみるのも面白いかもしれない。
この時点で死ぬほど長いので、前フリだけになってしまいましたが一旦ここまで。続きはまた書きます。