本とミートソースを売る店
10月31日のごはん
朝 なし
昼 辛子高菜マルシンハンバーグ弁当
晩 ミートソースパスタ タコのカルパッチョ風 茄子とベーコンのチーズ焼き 白ワイン
今日はやや早く帰れる日だったので、晩御飯担当として名乗りを上げる。
冷凍庫に離乳食で余った缶詰のトマトなどがあったのを覚えていたので、久しぶりにミートソースパスタを作ることにした。
僕は大学で上京してから新卒で会社に入った頃、ミートソース作りにハマっていた。様々な雑誌でミートソース作りのポイントになりそうなものがあればそれを読み、自分のミートソースに反映していた。料理通信(ウルトラ素敵雑誌。現在はwebマガジンのみになってしまった)でロールキャベツにおける玉ねぎの炒め方のコツが掲載されていたらそれを応用し、新卒で入った会社で連れて行かれたイタリアンではミートソースパスタを頼んでその作り方をかぶりつきで見ていた。よくそんな社員を許してくれてたなと思うけど、「昼から飲みたいから三戸を出せ」的なことを言ってくれる会長がいるような会社だったからかもしれない。
新卒で社会人になる前、つまり就活をしていたころは、各社のエントリシートに書く趣味に「ミートソース作り」と本当に書いていた。それに興味をもつ人もいれば「そんなやつうちに合わないんだよねぇ」と言ってくる人もいた。ちなみに後者に限って言えばそんなこと言ってる割に内定をくれたのだけど、社内のトイレにアダルティーな雑誌が放り投げてあったので辞退した。今どきそんなとこにそんなものおいとくなよ。とドン引きしたのを覚えている。
とにかく、ミートソース。
大事なのはトマトの酸味を抑えること。それに一番いいのは塩味なのだけど、じゃあ塩をドバドバいれたらそれでええんかってわけではもちろんないので、野菜だしだったり、醤油だったりを入れる。あと玉ねぎはしっかりと炒める。
完成品は我ながら美味しいミートソースで大満足だった。
昔、「本屋とミートソース専門店」が出せたら面白いなぁと思っていた。本は新旧かまわず、料理にまつわる本ばかりで、それとは全く関係なく、ミートソースが売られている。瓶詰めでもいいけど、鍋とか持ってきてくれたらそこに直接入れてあげる。ミートソースパスタとかも出せばいいのにと言われるけど、売るのはあくまで本と、ミートソースだけ。なぜなら両方とも好きだから。
多分店をやるとなるとめちゃくちゃハードな体系だと思うんだけど、今でも時折その妄想をする。晴れた日にミートソースを作りながら客を待ち、やってきたお客さんには「今日のミートソースはほうれん草入りだよ、あと、伊藤まさこのエッセイがオススメだよ」とか言える人生。
そういうことができたら本当に幸せなんだろうと思う。