サニーパンを食べて、いつでも会えるはずだった君を想う。
先日、職場の人が「シロヤのサニーパン」をくれた。
シロヤとは、福岡県北九州市を中心に展開するパン屋さんで、サニーパンはそこの主力商品の一つ。うろ覚えの記憶だけど、クッキングパパにも取り上げられていた気がする。
どんなパンかというと、ソフトフランスよりもちょい柔らかめのパンに、これでもかと言わんばかりにコンデンスミルクが入っている。
それだけと言ったらそれだけなんだけど、このコンデンスミルクがパンの生地にたっぷりしみこんでいるおかげで、食べた時にガツンとくる甘さとそのジュワっとした食感がたまらない一品。
北九州で青春(高校時代)を過ごしていたこともあって、この「シロヤ」はいつも行動範囲のどこかにあるパン屋さんだったのだけれど、逆にそういうパン屋さん故に「365日いっつも食べてます!」と鼻息荒くなるほど食べはいなかったのが正直なところ。
時たま家族が買ってきてくれて「シロヤのオムレット(これも美味い)あるわよ」と言われて「お、いいねぇシロヤ」となるのがシロヤ。
小倉で遊んでてお腹すいた時に目に入って、なおかつ甘いものの口な時に「お、シロヤ」となったりして食べる。で「あーやっぱりうまいやん」となるのがシロヤ。
友人でもいるじゃないですか。幼馴染でいつもつるんでたけど「絶対こいつとは一生友達」と誓ったわけでも思ったわけでもなく、でも一緒にいるのが楽しくて、気づいたら疎遠になるけれど「まぁ会おうと思えば会える」と思ってるうちに、連絡が取れなくなってしまった友人。
でも時たま夢とかに出てきて「あいつ元気にしてるのかなそう言えば」と思うけど、会えなくなってしまっていることを理解してすこしセンチメンタルになってしまう友人。(LINEとかでつながる時代よりもはるか前に遊んでた友人ってそうなりがち)
その後福岡を出てからの自分にとって、シロヤはまさにそんな友人に似た存在になったのですね。
時たま福岡に帰ってくると、「魚!魚食いてぇ!」「ラーメン!ラーメン食べてぇ!」「資さんうどんの肉ごぼ天うどん!」と鼻息荒くなる半面「パン」という食べ物にはなかなか目が当たらず、あっという間に二泊三日くらいの滞在は過ぎていく。
でもふと「あ、今シロヤのパン食べてぇ!」となった時には食べられない。だって福岡以外にシロヤないんだもの。
と思ってたら、最近は通信販売とか、物産展とかにも出店してて(こういう最新情報を進んで得ようとしないのも、地元のお店あるあるな気がする)、今回はその流れでサニーパンを食べることが出来たのでした。
逆に言えば、今は会えないあの友人も、こんだけネットが広がってる社会なんだから、本気を出せば会えるんじゃないかなとも思ったりする。
でも、その「会えるんじゃないかな」と思う油断がまた疎遠になる原因だったりするんだよなー。
なつかしい パンの甘さを きわだたす 会えない君を 思い想うこと
気づけば激アマ短歌読んじゃうそれくらいセンチメンタルなお味。でもめっちゃ美味い。それがシロヤのサニーパン。
あと、シロヤさんで一番好きなのはチョコがかかってピーナッツが乗っかていたドーナツなので、今もそれがまだ売っているなら、それこそ冷凍でいいので通信販売のラインナップに加えてほしい…