【え】 エビマヨとDPZは似ている
ベストオブエビ料理は何か。
100人いたら100通り…とまではいかないけれど、そこそこに派閥がわかれそうな質問だと思う。
ある人は「海老天!」と叫び
ある人は「エビフライ!」と叫び
ある人は「エビチリ!」と叫び
ある人(複数)は「エビマヨ!」「海老の寿司!」「エビフィレオ!」「エビピラフ!」「酔っ払いエビ!」と叫ぶ。
その後、それぞれがそれぞれをハァハァと息も荒くにらんだあと、殴り合いの喧嘩でも起きそうな気がする。
もちろんどの料理にもそれぞれの良さがあるので、今ここで僕が「ベストオブエビ料理はこれでぇす!」と言おうものならたちまちエビ好きによる蜂の巣になるか、蟹工船ならぬ海老工船で腰が真っ直ぐにならなくなるくらいにこき使われることになる。
それでもあえて言うなら、ベストオブエビ料理はエビマヨに差し上げたい。
エビマヨ。
あれは凄まじい発明だと思う。ネットの知識を今拾っただけだと香港生まれの料理らしいのだけれど
エビに衣をつけてあげる
→さらにそれならマヨネーズソースを和える
というカロリーの合体技を繰り広げている。
エビに衣をつけてあげる。
考えてみればこれは「海老天」や「エビフライ」という、エビ料理界の名だたる重鎮が通っている道。つまりエビにおけるエリートコースと言っていい。エビは衣をつけてあがるだけである程度の地位と名誉は約束されるのです。
けれどもエビマヨ達は、そこにとどまり続けるのを良しとしなかったのですね。
エビマヨは「揚がる」というエビにおけるエリートコースで満足することなく、そこからさらにマヨネーズソースを身にまとうという選択をしたのです。
揚がるという調理において、1番の大敵とされるのは「水気」でしょう。カリッと揚がった衣がふにゃふにゃとなってしまうことは、揚げ物において大敵です。だからこそ多くの人は、麺つゆにしてもソースにしても、食べる直前につけてから口に運ぶわけですね。
けれどもエビマヨの場合は、最初からソースも和えてある。当然衣に湿気が混じることになる。事情を知らないエビからしたら「あいつらなんであんなことを…」と驚くに違いない。
人間でもいるじゃないですか。
もうそこにとどまりつづける方法をえらぶだけで成功や安定は約束されてるのに、なぜかそこを飛び出して斜め上の方向にチャレンジしちゃう人。
でもそのチャレンジしてる人からしたら「こっちの方がいいから(楽しいから)」という理由だったりするんですよね。おりしも昨日DPZの独立がニュースになりましたが、DPZの関係者はエビマヨなのかもしれない。
でもそういう斜め上のチャレンジをする存在が、世の中をより楽しく、世界を広げてくれるのは言うまでもなかったりします。
エビマヨとDPZに幸あれ。