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立ち止まらない

会社をクビになる経験というのは、控えめに言っても人生最悪の部類だろう。スティーブ・ジョブズは20歳でAPPLEを立ち上げたが、30歳の時に自分の会社から追放されてしまった。経営上の諍いが原因だ。全身全霊を注いで作り上げたものが奪われるなんて、間違いなく辛かったろう。でも彼は、その最悪の経験は、結果的に人生で起こり得た最善の出来事であったという。有名なスタンフォード卒業式でのスピーチ、ふたつ目の話だ。

APPLEをクビになった直後は、シリコンバレーから逃げ出すことも考えていたというスティーブ。でも冷静になるにつれ、自分がAPPLEでやってきた仕事を心から愛していると気付き、再出発を決意した。成功者としての重圧から解き放たれて軽やかな挑戦者となったとき、一気に彼の創造力が開花したのだ。

その後の5年間で、スティーブはNeXTとPixerを立ち上げ、さらに後に妻となる最愛の女性と出逢った。なんとAPPLEがNeXTを買収したので、彼は古巣に戻ることができた。NeXTの技術は、苦境のAPPLEを復活させた。

人生最悪の出来事がなかったら、人生最良の出来事は起きなかった。ありふれた言い方だけれど、全く人生、何が幸いするかわからない。何か大きな困難が我が身に降りかかってきた時にも、このことを思い出したら、歯を喰いしばって乗り越えられるだろう。

「全くひどい味の薬だったけども、患者にはそれが必要だったのだろう。」解雇された経験をそう語れるのは、彼が立ち止まらずに進み続けたからだ。

幸運だったのは、スティーブが20歳で一生をかける仕事を見つけたこと。でも、偉大な実績は偶然生み出されるものではない。ひどい目にあっても信念を失わず、信じる道を追求し続けたからこそ、大きな実を結んだのだ。

若者たちへのメッセージは真剣だ。君たちが、もしも情熱を注ぐべきことがまだ見つかっていないなら、決して立ち止まらず、探し続けなければいけない、と。

自分が一番好きな、力を注ぐべきことは何か。「見つけた時、直ぐにそれとわかる。」とスティーブは言う。

不惑をとうの昔に過ぎてなお、何かを探し続けてる気持ちで生きてる私。まだ見つけていないのか、それとも気付いていないだけなのか。もう見つけられないとかあるのか?

まさか年齢制限はないだろうし、今さら焦ってもどうにもならない。まずは目の前にあることに全力で取り組みながら、ゆっくりじっくり考えていこう。世間的には、かなり遅いけど、もしかしたら私、相当な大器晩成型なのかもしれないしね?


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