見出し画像

古民家再生はじめました ~空気の質を良くしたい 内壁編①~

少し間が空いてしまった。
引き続き「室内の空気の質を良くしたい」というテーマ、内壁編である。

まず工事の進捗状況について。結論から言うと、ボチボチだ。

私たちがお願いしている工務店は、地元密着型の小さな所帯。専属の職人さんが数人いらして、そのうちのおひとりは、大工の腕が良い上に建築士資格も持っている方。自社チームをリードする役割で、あちこちの現場で頼りにされているらしい。つまり、引っ張りだこで、なかなか手が空かない。

完全に作業を止めてしまう訳にもいかないので、しばらくは、独立系(?)大工さんに臨時で来て頂いたりして、わが家の改修計画第二フェーズ「母屋を住めるようにするプロジェクト」は極めてゆるゆると進んでいた。

そうこうしているうちに、ようやく別案件が片付いたらしい。専属大工さん3人体制となった現場は、急にテキパキ動き始め、現場監理もしてくださっている建築士さんから続々と写真が届き始めた。

生活空間となる2階には、壁に断熱材を入れて防湿シートをはったうえで壁をつくる。既存木製建具を残した街道側も、内側から断熱しつつ、内窓型のサッシをつける。天窓側壁も含め、天井裏もしっかり断熱してもらう。

小屋裏の梁が見えなくなって、ちょっと残念

ウチは大正期に入ってからの建物なので、十分な天井高がある。地方の古民家というと、どどーんと広い空間が広がるのを連想されるけれど、わが家はそういうタイプではない。細長い町家構造の小さな建物の空間サイズ感は、実際のところ、都内マンションに割と近い(汗)。

とはいえ、現在の住まいは鉄筋コンクリート造。中層階でも南向きの大きなサッシから光が入って常に明るい。冬でも天気のいい日は暖房不要で快適。

対して、木造土壁の100年古民家リノベーション。西日本とは言え、山間の地の冬は厳しい。出来得る限り断熱施工を行ったとして、果たして居住性能はどこまで改善するものだろう。

住み心地比較を実体験する日が刻々と近づく。
ひ弱なわたしたちは、もうひたすらドキドキしているのである。

前置きが長くなったが、今回は内壁材料の話。


壁自体の材料について(前々回)

外壁(前回)


内装仕上げ(今回のメインテーマ)
★前回まで読了済の方は、ここをクリック


マンションの場合、壁も天井も、内壁材はたいていビニールクロスである。織物風とか塗り壁風とか、バリエーション豊富。「〇〇風」と言っても侮れなくて、リアルでいい感じのクロスも多い。

マンション住まいの現在、改めて室内を見回してみると、壁も天井も全てビニールクロスだ。それで特に不都合を感じていることはない。けれども、今回の改築に際しては、「ビニール素材」を選択することになんとなく抵抗感があった。できれば自然素材を使いたい。

言うまでもなく、空気の質を上げたければ、化学物質は使わない方がいい。せっかく古民家に住むのだから、そこにはこだわりたかった。

けれども、ビニール素材には当然メリットもある。まず、比較的安価で選びやすい。汚れにくいように加工されてもいるし、うっかり何かしちゃっても、住居用洗剤でゴシゴシ拭ける。

塗り壁の場合、そんな乱暴な解決はできない。生活するうえでは常に注意が必要なのだが、ワタシはオットによる粗忽者の認定済みである。そもそも、全て天然素材で仕上げようとすれば、費用面でも割と覚悟がいる。

既存躯体を保存した母屋の1階部分は、できるだけ古い作りを残そうと最初から決めていた。だから、復元した土壁を漆喰塗りの「真壁(しんかべ)」仕上げにするのに迷いはなかった。モンダイはそれ以外をどうするかだ。

居住空間である2階は、とにかく快適に暮らせること優先。だから、断熱材などで機能強化してから仕上げに取り掛かる。すっぽり柱ごと壁をクラスターボードで覆ってしまう「大壁(おおかべ)」という仕上げだ。クロスを貼れば、空間のサイズ感だけでなく見た目もマンション風になる。

大壁仕上げでも、もちろん漆喰や珪藻土などで塗り壁にすることができる。さらに調べてみると、紙や布など、ビニールではない素材の壁紙もある。

考えすぎのワタシが毎度はまり込む、「迷い道くねくね」のはじまりだ。

ここから、具体的な悩みポイントをひとつひとつ挙げていく。
といっても、悩みながら書き出すのにはとにかく時間がかかる。

既に前回の投稿から随分と間が空いているので、今日はひとまずここまで。
内壁編②に続くなりー!


いいなと思ったら応援しよう!