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ずっと挑戦したかった古民家再生が、いよいよ始まります。

一年前に出逢い、半年悩んで昨年の11月に購入した築100年程の小さな町屋。江戸時代の街並みが残る街道沿いで、人生の新たな章を始めるのだ。

伝統的建築物保存地区の特定物件に指定されている我が家の補修工事には様々な制約がある。建築当時の外観に復旧させることが決まりなので、伝建部分の改築方針は、古い写真を参考にしたり、建物の構造を確認したりしながら決めていく。街道から見える外観は全て当時の姿を復元せねばならず、例えば、窓は昔ながらの木製建具だ。防犯性なども考慮し、断熱サッシの内窓を設置して可能な限り断熱材もしっかり入れ、厳しい冷込みなどに備える計画だ。とはいえ古い建物だけに、構造上どうにもならないところも多く、マンション暮らしに慣れたひ弱な私たちは、いささか心細い。…果たしてホントに大丈夫なのか?

そんなこんなで心配は尽きず、ややこしいあれこれを、文化庁を始めとした行政の確認を受けながら進めていかねばならない。どこからどう手をつけたらいいのか見当もつかない提出書類の数々は、ウルトラ素人の私たちだけでは、埒があくわけもない。

物件購入の時に不動産屋さんが言っていた「3年くらいかけられるのなら、なんとかなると思いますよ」というのは、決して大袈裟ではなかったなあ、と今更ながら思うのである。

それでも、今月末の申請書類提出期限になんとか間に合ったのは、近所に事務所を構えている、古民家再生の経験豊富な一級建築士さんとのご縁を頂いたからだ。彼女の設計事務所も古民家再生物件で、ウチよりずっと古い江戸時代の建物。カフェが併設されていて、とても素敵なところ。心強い専門家の全面バックアップをうけ、私たちの古民家再生プロジェクトはスタートを切ることができたのだ。

こんなご近所さんにめぐり逢わなければ、これほど早くは申請手続きにもたどり着けなかったはずだ。私には間違いなく強い人運がある、と確信するのはこんな時である。有難いことだと心から思う。

提出した書類に不備がなければ、2週間ほどで許可がおりる。許可がもらえれば、次は施工契約締結だ。地元事情に精通した建築士さんのおかげで、腕利きの棟梁がいる地元の工務店さんにお願いできることになった。神社仏閣の改築なども手がけていて、古い建築物の修復木工事が得意なのだそうだ。ここでも、素敵なご縁にひたすら感謝なのである。

今、つくづく思うこと。
やるべきことが山ほどあるって、本当に幸せだ。

https://note.com/spigola/n/n2826628dfe30


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