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SEKAI NO OWARI『EYE』『LIP』(『アイ』『リップ』)の魅力【セカオワ好き大学生が語る】

 2019年の2月に発売されたセカオワのアルバム、『EYE』、『LIP』の魅力についてお伝えします! 音楽的なことはわかりませんが、これらのアルバムの魅力は破壊級です!


 【目次】

 ①導入

 ②『EYE』の個人的ランキングトップ3

 ③『LIP』の個人的ランキングトップ3


 実は、僕がはじめて購入したアルバムがセカオワの『EYE』だったんです。『EYE』を聴いたとき、これはすごい、と思って『LIP』も購入しました。そんな余談はさておき、この二つのアルバム、とにかく、おススメです。

 『EYE』と『LIP』をどちらも聴くと、セカオワの世界観の広さにびっくりさせられます。ファンタージチックな音楽に深い歌詞を載せたお決まりのパターンでしょ、とは言えなくなります。

 ええ、僕は言えなくなりました。セカオワは、同じものを再生産するより、新しいものをつくろうとする意欲が強いのだと思います。次から次へと新しいものへと進化していく。その動きは、積極的に英語の楽曲を作成する姿勢にもつながっているのでしょう。

 『EYE』、『LIP』、この二つのアルバムは、セカオワの広さを味わえる表裏一体のアルバムです。『EYE』はダークな世界観を存分に見せつけ、『LIP』はポップで明るい世界観をこれでもかとぶつけてきます。

 以下、『EYE』と『LIP』の個人的なおススメ曲をランキング形式でご紹介いたします。

 まずは、『EYE』。僕が個人的に好きな楽曲を三つ取り上げ、ランキング形式でご紹介します。(とはいえ、順位なしで、どれも違った魅力のある曲ばかりです)

 『EYE』の個人的第3位は、『スターゲイザー』。

 いままでのセカオワの曲では、理想主義的な姿勢が色濃いところがあったと思います。「終わりが来ませんように」とか、「花も虫も、さまざまな犠牲もすべて大切にしたい」とか、そういう一面がありました。

 その文脈で言えば、『スターゲイザー』は、自らの理想主義を残酷にも否定した楽曲なのではないかと思います。それはネガティブな意味ではなく、理想通りにならないけど頑張ろう、みたいなメッセージを感じました。

 歌詞には、どうにもならないこと、日常の中で避けられないこと、当然でしかないこと、などが羅列され、『時々頭がおかしくなるふつうの日常 スタゲイザー』でサビに行きます。

 理想を求めたいけど、現実は理想通りじゃないよね、このまま続くけど、頑張ろうか。そのような意味を込めた、『スターゲイザー』という名の息を吐くように、僕には聞こえました。

 実際、息を吐くように『スターゲイザー』とサビが歌われています。スター=理想を見てはいるけど、自分自身はあくまでスターゲイザーであって、スターそのものではない。これが現実だよね、この地で頑張るしかないよな。そんな楽曲に感じました。

 ぜひ、お聴きください。

 続いて、『EYE』の個人的第2位は、『Blue flower』。

 この曲のいいところは、多様性を尊重しようとする姿勢です。『双頭の亀』や『白いカラス』などの突然変異が歌詞に登場しますが、それら突然変異を『奇跡のいたずら』と表現されています。英語で『miracle』です。

 歌詞には怖いところもあり、突然変異の生き物が迫害されたことへの復讐をしているように僕には感じられますが、この『miracle』という表現に愛を感じます。

 あくまでも、『miracle』なのであって、おかしいわけでも、欠陥があるわけでもない。多様性を受容していこうと、そんな曲なのでは、と思いました。

 あと、これはここだけの話ですが、嫌いな人に復讐するのを想像しながら『Blue flower』を聴くと、いいストレス解消になります。嫌いな相手が、泣き叫び、命乞いをしてくれる無様なイメージが浮かんできます。

 多様性を受容しようといった傍で恐縮ですが、ホントに、いいストレス解消になるんですよね~。それに、そういう復讐系の楽曲って、聴き終わったあとに罪悪感が湧いてくることもありますが、『Blue flower』は罪悪感なしで聴けます。

 この楽曲の主人公はただ、突然変異でこうなっているだけであって、本質的に『miracle』なのであるから、自分には非はないと感じさせてくれるからです。

 ぜひ、お聴きください。

 続いて、『EYE』の個人的第1位は、『Food』です。

 この曲は痺れます! なにかを食べているらしい様子が描かれていて、サビでは、さまざまな味を伝える英語の単語を並べて、すべて美味しい(All delicious)、と結びます。

 ここにも多様性を感じます。いろいろな味があって、どれも個性的でそれぞれに美味しいね、というような。

 この曲のいいところは、ただカッコいいのもそうですが、メタファーが炸裂しているところだと思います。「食べる」ことをテーマにした楽曲のようですが、最初から最後まで具体的なことは言っていなくて、ずっとメタファー的なんです。そこがまた痺れる!

 「食べる」というと、さまざまな連想が浮かびます。「人を食べる」というと、肉体関係を結ぶことを示す場合もあれば、相手に勝つことを示す場合もあります。また、生活を続けることも、食いつなぐというように「食べる」行為でもあります。また、「食べる」=「味わう」でもあって、「味わう」対象は無限に広がっていきます。

 読書を味わっているのかもしれないし、絵画を味わっているのかもしれない。あるいは、続々と流れてくる情報を味わっているのかもしれないし、人との出会いを味わっているのかもしれない。

 世界のさまざまの側面を味わっているのかもしれない。ジューシーな体験もあれば、モチモチした体験もあるし、サクサクした体験もあれば、フワフワした体験もあるぞ。でも、結局、どれも美味いなぁ、と。

 多様性を受け入れることは、結局、自分が切り刻んだ世界の楽しめる範囲を広げていくことなのかもしれないと思わせてくれます。ジューシーな味だけを求めている人の前に、フワフワした味がやってきても退屈なだけですが、フワフワした味も美味しく感じられる多様性があれば、フワフワした味も楽しめます。

 結局のところ、多様性のある人は自分自身が楽しめるということでしょうか。

 聴く人によって、『Food』からイメージするものに幅がありそうです。ぜひ、お聴きください。

 続いて、『LIP』の個人的なランキングをご紹介します。

 『LIP』の個人的第3位は、『蜜の月』です。

 ヘッドホンで聴くと、冒頭の、ぼおん、ぼおん、ぼおん、というところが左右の耳の交互から来て、おお! となります。いい感じの酩酊感で始まって、そして、詩的な歌詞が始まります。

 サビも含めて、季節感の表現や、静寂の風景の表現がとても繊細で、美しいです。頭に浮かんでくるイメージがきれい。別れてしまった恋人を思っているみたいです。

 控え目なところがいいです。苦しくて、苦しくて、どうしようもないの、という感じではなく、胸の内は苦しいのかもしれないけど、でも、自分の気持ちにそっと触れるだけにしておく、といった主人公の謙虚で優しい態度が感じられます。

 表現も興味深いですね。『月のように』、『雪のように』などと、自分自身をたとえています。月も雪もどちらも美しいけれど、どちらも風景で、悪ければ背景でしかないですよね。その美しさに気づかなければ、通り過ぎてしまいます。

 でも、それくらいでいい。ふと、立ち止まったときに、ああ、きれいだ、と思ってくれればいい。それくらいの存在になれていたら嬉しい。そんな優しくて、ちょっぴり切ない情景が歌詞から拡がっていきます。

 しんみんしたいときにいいと思います。ぜひ、お聴きください。

 続いて、『LIP』の個人的第2位は、『Goodbye』です。

 この楽曲は、セカオワの音楽を聴いてくれる人たちにむけた曲なのではないかと個人的に感じています。

 さようなら、と手を振るわけですが、べつに別れたいわけではなく、もっともっと楽曲を聴いてほしいけど、でも、ずっと聴き続けてくれるわけではないし、人間はすぐに忘れてしまうものだよね、という作り手の正直な声が滲んでいるように感じました。

 だからこそ、もう一度聴いてもらえるように、努力し、満足してもらえるような作品をこれからもつくっていきたい。と、そんな覚悟も感じられました。

 クリエイターとか、人と接する仕事をしている人などは、『Goodbye』の歌詞に自分を重ねやすいと思います。

 僕は小説を書いたりしているのですが、『Goodbye』を聴くと、創作意欲が込み上げてきます。よし、いい作品を書くぞ、と思えたりします。

 ぜひ、お聴きください。

 続いて、『LIP』の個人的第1位は、『サザンカ』です。

 言わずと知れた人気曲です。オリンピックでよく流れていたので、アルバムを購入する前から知っていましたが、やはり、よい曲でした。

 夢を追う人たちの背中を押すような曲になっています。

 バカにされても気にするな、という強いメッセージに優しく包み込まれるような感覚になります。この曲を聴くと、僕は、頑張ろうという気持ちが込み上げてきます。

 とくに、うっとうしい感じがないのがいいですね。僕は、個人的に応援歌をうっとうしく感じるタイプなのですが、『サザンカ』はどういうわけか、うっとうしく感じないんです。すごく立場の近いところから励まされているように感じるせいかもしれません。

 曲調もゆったりとしていて、心地よいです。じんわりとやる気が出てくるような、そんな曲です。ぜひ、お聴きください。

 ということで、セカオワの『EYE』と『LIP』について、好きなように語らせていただきました。ふたつのアルバムをあわせていちばん好きな曲は、『Food』です。この曲は聴くとアドレナリンが分泌されまくって、興奮状態になってしまうので、聴く回数を抑えるようにしています。それくらい、テンションが上がります。

 こんなにテンションが上がるのは、欅坂46の『不協和音』以来です。それくらいのパワーを持った曲だと僕は感じます。

 ご紹介できなかった中にも個性豊かな楽曲が盛りだくさんの『EYE』と『LIP』。めちゃめちゃ、おススメです!

 長文、読んでいただき、ありがとうございました。では!

 

 

 

 

 

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