台北のラブホテルに泊まった話ーロマンスがいっぱいー(旅の覚え書き)
なかなかセンセーショナルな題ではありますが、いかがわしい話ではありません(笑)
さて、1月の台湾旅行記、台北編の締めくくりとして少ししょうもない話を書きたいと思う。
まさにタイトル通り、台北滞在中はラブホテルというか、連れ込み宿的なホテルに滞在していた。
旅をする上で一番興味のないことは、宿泊先である。
無神経で大雑把な性格で、どこでも寝れるという自信があるし、旅先では歩き回ったり地元のカフェなどホテル以外の場所で仕事をする事が多いのでホテルの優先順位が低い。
知らない場所に1人でいる事が落ち着かないので、ホテルでゆっくりする事が苦手だ。
アクセスの良い場所にあって、シャワーが出て寝れたら良いと思っている。もちろんいい年なのでドミトリーやあまりにも怪しいホテルは避けるようにしているが。
選び方も本当に適当で、ホテルの予約サイトを開いても、ろくに検討もしない。そして、無責任にも実際の予約と決済はオットにお任せをしている。恥ずかしい限りである。
空港に着いて、とりあえず荷物をホテルに置きに行く事にした。
タクシーで向かったのだが、運転手さんが「ここだよ。」って車を止めた瞬間になんとなく怪しい感じがした。
まずホテルの外観が古い雑居ビルなのだ(見出し写真)。
1階には、受付カウンターらしきものがあり、各階のモニターを見ているおじさんが常駐している。おじさんは、大きなお腹を上下させて椅子によく寝ていた。
各部屋用と思われるポストもあり、どのポストもチラシや郵便物でパルパンだった。
とにかく雑多だっと記憶している。
この時点からかなり怪しいのだが、とりあえずエレベーターに乗って9階と10階にあるホテルに向かった。
エレベーターから降りた瞬間に、強烈な芳香剤とタバコの匂い。多分フロア全体が禁煙ではないのだろう。
フロントのおばちゃまにチェックインの意思を伝えると、「え!?あんた1人で泊まるの?」的な言葉が台湾語で返ってきた。
わたしの部屋は10階でワンフロア上がらなければならないが、何故かエレベーターは使えないので階段で移動する。
10階の廊下に着いた瞬間に、やり手ババア的なおばさまが踊り場のソファに座っているのが見えた。
すぐ横の部屋はドアが全開になっていて、掃除のおばさま達が待機しながらテレビを見ていた。
そして、掃除のおばさま達は台湾名物の電鍋で煮炊きもしているよう。八角の香りがフロア中に漂っている。やりたい放題である。
しかし、少なくとも治安は彼女達によって守られていそうだ。
と、感心していると、彫り物の入ったセクシーなお姉さん(お姉さんはミニワンピースとサンダルを見事に履きこなしていた)と、デレっとした顔のおじさまが腕を組んで歩いてきた^^;
(※あくまでも個人的な印象です)
部屋に入ると、また芳香剤とタバコの強烈な匂い。
そして、予約サイトの写真では立派に見えたソファもよく見たらワタが出ているし、窓がないからか、湿気が多い台北市内だからかベットのシーツもかなり湿っている、気がした。
荷物を置いて、オットに電話をかける。
わたし:「ちょっと!ここラブホテルなんだけど!?どーしたらいいわけ??」
オット:「だって、そこ口コミがひどかったやん。ちゃんと読まなかったの?」
わたし:「そんなものわたしが読むわけないでしょ!?知ってたんだったら教えてよ!」
オット:「いや、いろんな兼ね合いがあるのかなって。」
わたし:「どんな兼ね合いやねん!?」
という、一通りオットに不満を伝えると言う儀式のような電話を終えてわたしは腹を括った。
オットは全く悪くない。
悪いのはズボラなわたくし。
ホテルを移動する事も考えたが今更めんどくさい。どうせ、昼間も夜も歩き回っていてホテルに居るのは寝る時だけだしさ。
と、思ったが結構甘かった。
シャワーを浴びようとしたら、何故かシャワーは出ないし、タオルには穴が空いているし、設備的にもいろいろとツッコミたい所はあるのだが、1番の問題は、客が出ていくたびにお掃除のおばちゃん達が大音量で掃除機をかけるのだ。
壁が薄いので、1時間に一回ぐらいは起こされる。
まったく寝られない。
なので、開き直って近くの24時間営業のレストランでビールを飲みながら夜な夜な書き物をした。
台北のロイヤルホスト的なレストランでビールもまあまあ良い値段だった。
でも、アルバイトの女子大生とも仲良くなって朝ごはんの美味しい店もおしえてもらえたし、同じくバイトのおばちゃまに台北の美味しい食堂も教えてもらえた。
深夜に台湾の人たちがカードゲームに興じている姿も見れた。
毎夜毎夜、原稿やレシピを書いて、ビールを飲んで何となく温かい気持ちで連れ込み宿に戻れた。
ありがたいことである。
毎回思うのだが、この鈍臭い性格も旅を楽しむ上では良いのかもしれない。
こうやってnoteに書き記せる事も出来るし、何より生徒さんや友達への良い土産話が出来た。
毎夜、ホテルの前には檳榔(びんろう)の店が出ていた。
パーンと呼ばれる噛みタバコみたいなもので、毎夜女の人が巻いた葉っぱを、台北の夜業の人達が買っていく。
わたしも試してみようかと思ったけど、やめておいた。
ちなみに原稿を書いていたロイヤルホスト的なレストランの名前はロマンスレストラン。
わたしが泊まったホテルの名前もロマンスホテル。嘘じゃないよ。
わたしの台北の夜は、ロマンスがいっぱいだった。