変革できる組織の分かれ目は「社員を信頼するかどうか」/村松知幸さん(株式会社協働日本 代表取締役社長)
村松知幸さん プロフィール
株式会社協働日本 代表取締役社長
大学卒業後、ハウス食品グループ本社(株)でグローバル人事セクションを立ち上げ、経営企画、M&Aマネージャーを経て、中堅製薬会社の海外事業開発Director、戦略コンサルティングファームの取締役を経験。
現在は現職のほか、(株)スカラパートナーズ共創事業部長、一般社団法人熱会 代表理事兼Cofounder、(株)Funleash COO兼事業開発責任者、大学院大学至善館の評議員を務める等、複数の企業の経営、 事業開発に携わるパラレルキャリアを実践している。
協働日本を立ち上げた想い
(豊田)
こんにちは、スパイスアップ・ジャパン代表の豊田圭一です。
人事のHRとトランスフォーメーションのXを掛け合わせて「HR-X」と名付けた、当チャンネルは「トランスフォーメーション人材で組織を変革する」ということをスローガンに、人事とトランスフォーメーション、つまり変革というキーワードで様々な取り組みをしているゲストをお迎えしてお話を伺っていきたいと思います。
ちなみにゲストのことを「Mr. X」「Ms. X」と呼ぼうと思っているんですが、今回のゲスト、Mr. Xにはですね、「協働を通じて地域の活性化と働く人の活性化を実現する」をミッションに掲げる、株式会社協働日本の代表取締役社長、村松知幸さんをお迎えしました。こんにちは!
(村松さん)
よろしくお願いいたします、村松です。
(豊田)
お願いいたします。僕ら今マスクしてないですけど、ちゃんとアクリル板がありますから!笑
(村松さん・豊田)
綺麗なアクリル板が!
(豊田)
今日よろしくお願いいたします。
(村松さん)
お願いいたします。
(豊田)
僕は村松さんが以前勤務していた会社で私たちが提供している海外研修ミッション:グローバルを採用していただいてからの付き合いなんですが、その後どんどん自分自身が変革していっちゃって、今はいろんなパラレルワークをしているところですけど、今どんなことをしているのかなって、、ちょっと自己紹介お願いしてもいいですか?
(村松さん)
はい、ありがとうございます。改めまして、村松知幸と申します。
今、私は4つの会社で経営や事業開発をやっています。
内2社は自分で経営をしているという形です。内1社は上場会社の中で事業開発、特に地方創生というところを中心にしています。
取り組みの中で、特徴的なのは1,000名を超える完全紹介制のコミュニティ、熱会(あつかい)というコミュニティを6年前からで運営していて、その中で「多様な人材が立場に依らずに信頼で繋がって、お互い可能性を高めていくんだ、広げていくんだ」というところをずっとやってきて、その中で自分自身もインスパイアを常にいろんな人からされて、結果としてパラレルキャリアになってきたのがすごく大きいですね。
(豊田)
熱会は僕も何度か登壇させていただいたことがあって、いつも「熱い会」と入れて「い」を消すっていう。。あれどうやって書いたらいいんだろう?といつも思いながら。熱会(ねつかい)って読む人もいるかもしれないけど、、
あの会は良い会ですよね、本当に。
(村松さん)
初期数名の頃から、豊田兄さんにはお世話になっています。
(豊田)
ありがとうございました。
もう一つの代表をやってるのが、協働日本(にほん)?協働日本(にっぽん)?
(村松さん)
協働日本(にっぽん)
(豊田)
僕は協働日本のウェブサイト見たときに、ミッションに「活性化する」って文字が2つ入ってるんですよ!2回も重ねてるなって思いながら、個人的にあれにビビッときちゃったんです。
なんでかというと、実は僕の会社名スパイスアップ・ジャパンのスパイスアップって活性化するという意味なんですよね。
2011年に立ち上げた時にあの時3.11があったので、3.11の後で「頑張ろう日本」とか「立ち上がろう日本」という時で、日本をもっと活性化する!刺激を与える!Spice up JAPAN!としたので、「活性化するが2つも入ってる!」って思いながら、すごく親近感を感じているのですが、協働日本の代表ということで、なぜこの会社を興そうとしたのかなー?と聞きたいのですが、その想いはどこにあるのですか?
(村松さん)
はい、ありがとうございます。
私自身の人生のミッションっていうのが、まさにさっきの熱会もそうですけど、「日本に熱を生み出す」、それを言い換えると、働く人の活性化と地域の活性化の双方を実現していく。さっきの4社もそうだし、熱会のコミュニティの取り組みもそうだし、須くミッションに繋がっている。
その意味でなんで協働日本を立ち上げたかというと、熱会の中でいろんな人と接して自分自身も刺激をもらっている。気づいたのは、かなり多くの方がもともと地域で暮らしていて、いま東京にきて、東京で頑張っているのですが、機会があれば地域とか故郷とかに貢献したい。日本って東京に一極集中、人口もですね、仕事とかもしているので。自分自身が一回の人生の中で地域に貢献したいと思っている方が結構多いんですよね。
だけど、これまで副業も一般的じゃないし、自分でその地域の会社を見つけていくっていうのはとても大変というか、自分で契約してとか。
せっかくそういう想いがあって、意欲も能力もあって、地域に貢献したい人たちがいっぱい集まっている。同時に、地域の方からも特に次世代経営者の方たちって、例えばマーケティング・事業開発、事業を創るとか、なかなかそういう人材が自社の中にいないんだよねっていう相談を、それも地域の熱会を通じて、よく相談を受けていて、じゃあそこを良質な形で繋いで、関係の接点を丁寧に丁寧に作っていく中で、新たな事業を創ったり、その会社の課題を解決したり、そういった協働を創っていきたいというのが、協働日本を作った一番最初の原点の想いなんです。
(豊田)
具体的な事業内容としては、もしかしたら繰り返しになってしまうかもしれないけど、地域の会社でいま変革していきたい、新しいことを起こしていきたい、だけど人が足りない。一方で都心部には東京でも大阪でもどこでも、都市部には企業で働きながらその能力がある人がいる、そして何か地方でやりたい。そこをこう繋げる感じ?
(村松さん)
そうですね、そういう人材のマッチングとそういう座組みのトータルプロデュースをやっていて、スキルでマッチングしてしまいがちなんですけど、やっぱり大事なのは個人のWILL・想い。
必ず協働日本の地域企業とのコラボレーション・協働に入っていただく方は同時にもう一つの事業で”IPPO”というキャリアコーチングを事業にしていまして、そこで自分自身が本当に何をしたいのか?何を為したいのか?自分のありたいキャリアを描いて、その手段として、例えばそういうパラレルキャリアだったりとか、そこの想いを明確にした上で、地域の経営者、地域の次期経営者の方と協業をしてもらう、そういう形のやり方でやっています。
(豊田)
そういう意味ではいま良い時代になりましたよね。
(村松さん)
仰る通りですね。
(豊田)
だからコロナによって、いろんなネガティブなのもあるし、実際僕の事業だって大変な状況になったりはするけれども、一方でそのいろんなパラレルキャリアとか、副業がとか、リモートワークできるようになったり距離が関係なくなるとかっていうことが、それに良い影響を与えてるじゃないですか。
(村松さん)
そうですね、個人がやっぱり自分でモビリティを持ったり、自分のWillをベースに活動とか活躍しやすくなった、そういうふうに私は捉えてます。
なぜ、個として変革できているのですか?
(豊田)
いま「日本に熱を!」と村松さん仰ってましたけど、いろんな企業の中期経営計画とかを聞くと、「変革」って言葉が最近すごく多いなって思って、トランスフォーメーションとかね。DX、DXでデジタルトランスフォーメーションと言ったりして、だからこのチャンネルもHR-Xと言って、トランスフォーメーションのXって僕が付けたんですけど、どうしたらっていうか、組織だとか個人とかトランスフォーメーション、まぁ変革できるのかなという前に村松さん自身は個人としてそれができてるのは、自分自身の内なるものなのか、それともさっきから仰っているように外からの影響とかがあるのか、どうして変革できているのかと思いますか?
(村松さん)
もともとの原体験は、父親が事業をやっていたので、ずっと小学校6年生まで奈良県で祖父とやってて、その祖父が亡くなるまで中小企業支援を地場の、お好み焼き屋さんとか鉄工所とか、そう言った方達が、経営者ですよね、よくよく家に来ていろんな話をしてくれてて、そういった中で育って、高校生の時に父親の事業がうまくいかなくて、そこから自分で事業を創ったり、そういうことをしている中で、個人としていろんな想いを持ってたり、いろんな経営観・人生観・人事観を持っている方たちがたくさんいて、そう言った方達から話を聞いたり、交流することによって自分自身が変わっていかないとなかなか与えられるだけでは人生って切り開けないなーと。
(豊田)
ちっちゃい頃から?
(村松さん)
自分の場合は大学生の時ですよね。大学生の時に自分でお金を稼ぐために事業を、個人事業を創ったりとしていたので、そこが原体験にはなってますね。
あと一つはやっぱり社会人になってから、ご縁があった会社の中の人たちとあと社外、豊田さん含めて、いろんな考えの方たちから貰う刺激でどんどん自分の中のワクワクというか刺激をされていって、変わり続けるというか良質なコミュニティに自分自身が主催したり、自分が所属していると、意思決定にかかる時間が短くなるというか、この人からきたやつは、当然考えるんですよ、考えるんだけど、すぐスイッチ押せるみたいな、すぐやる、言い換えるとすぐ打席に立つ、打席に立つことをどんどんどんどん繰り返していくとどんどん早くなっていくので。
(豊田)
最近読んだ本で、コーポレート・トランスメーションっていう経営共創基盤の冨山さんが書いた本で、そのどうやったらそういう人材が育成できるのかって。タフ・アサインメント、もう負け戦でも良いからタフ・アサインメントを課すんだ、と。もうやるしかない環境の中でやってたというのが、村松さんの場合はそういう状況が家庭の中であったということですね。
(村松さん)
そうですね、原体験としては、そこはありました。
変革できる組織とできない組織の違い
(豊田)
でも一方で多くの人が、僕だってそうだと思うんだけど、多くの人がそこがコンフォートゾーンから出たくないじゃないですか。
やっぱり居心地はいいし、だけどいま周りのどんどん環境が変わっていく中で、組織も個人も変革しなきゃいけないとかっていうのがあるんだけど、でもスローっていうか、なかなかできなかったりもする。
変革できる組織とできない組織の違いってどこにポイントがあるんですかね?
(村松さん)
本当の根源は「社員を信頼するかどうか」、私は思っていて、信頼を託せる、要は自社の社員が一番自社の理解者であり、ファンであり、彼らがイキイキ活性化することによって、新たなチャンス・新たな人・新たなお客さんが来るっていう風に、本当に信頼託したら例えば、Howだけど副業だったり、例えば最近だったらワーケーションだったり、いろんな新しい動きをいち早く社員には自主的に任せ切る。
(豊田)
それありますね。
(村松さん)
任せ切ることで、社員は自分事としてそれを選択をする、主体性を持って、言ったら打席に立つということだと思っていて、打席に立つような人をどれだけ応援できるか、その前提にはやっぱり信頼だと思うんですよね。
そこが変革できる組織の分かれ目だと私は思っています。
(豊田)
いまね、リモートワークが始まって、あいつちゃんと仕事してんのか!みたいなので、毎回そのチェック入って、ちゃんとやってるかとか、成果物まだなのかとかって言ったりするけど、そんなのもうナンセンスだと、そういうことなんですかね?
(村松さん)
そうですね、だからもうもはや皆さん本当に感じられていると思うのですけど、労働時間で社員の皆さんを管理できる時代ではなくなりましたよね。
評価できる時代でもなくなった。
じゃあやっぱり出てくるアウトプット、成果であるとか、やっぱりそこになっていかざるを得ない。
そこがある意味性悪説で、疑いのところから入ってしまうのか、それともやっぱり信頼ベースにしてチャンスを与えて、機会を与えて、ハンズアップする人が必ずいるので、そう言った人たちを引き上げようとするのかで結構分かれてくるのかなって言うのは個人的には思っています。
(豊田)
あのー、今の話すごく共感すると同時に、でも大企業だと、ある上司
はそういうタイプだったりするけど、人によってはそういうタイプじゃない人もいるわけじゃないですか、人に委ねちゃうとすると。
でも組織としてはどうしたらいいんだろうかなっていうのは、なんかその企業が組織の変革って言った時には、あのA部長はそういうタイプだけど、その下の人たちは信頼されてできたかもしれないけど、この部長はそうじゃないし、この事業部長はそうじゃないし、この課長はそうじゃないし、やっぱり何人もいる会社だとそういうことが起こるじゃないですか。
でも組織としては変革をしてをいかないといけないと。誰がどうしたらいいのかなーって思って。そこってすごく課題だなって思うんですよ。
(村松さん)
そうですね、仰る通りだと思います。
なんかイメージは、岩盤がめっちゃ分厚くあって、、、誰も悪意はないんです。
(豊田)
悪意ないですよね、誰もね。
(村松さん)
でもこの岩盤を全方位的になんとかしようとしてもなかなか難しいから、やっぱり局所的にとか、どこにダイナマイト仕掛けて、どうやったらそれが変わっていくのか、それはある意味、私の考えで言ったら、特区的な!
例えば、それは新規事業をやる人なのか、なんかのちょっと特別のミッションの人たちが、まず率先切ってイノベーターになり、そこのフォロワーが出てきて、経営者の役割はそういった人たちをちゃんと、組織の中で守る。自由にやらせる、そこが大事。
(豊田)
そうかもしれないですね。
ちょっと自分事に持っていっちゃうけど、前に村松さんが採用してくださった海外研修も、何年も続いてて、今でも続いてますから、それが毎年10人とかがちょっとずつ変化していく、個人が変化していって、それが何年も経つといくら大きな会社でも、組織に対して影響力をいま与えつつありますからね。
(村松さん)
仰る通りだと思います。
(豊田)
多分いま言っているのってはそういうことなのかなと思って。
熱会もそうだし、みんな個人の集まりだけど、彼らが組織をどう変えていくかっていうかね。
そういうことってあるんだなーと思って。
やっぱり変革はそこが基本なんですかね。
(村松さん)
そうですね、打席に立ってうまくいっても失敗しても経験値は得るから、豊田さんの僕の最初のキャリアの時に研修として関わらせてもらったのもやっぱりその打席に立つ機会をどう、特にハンズアップする社員に提供していくかっていうのが、極めて重要なコンセプトでしたね。
(豊田)
いやなんか僕ね、いつも自分が話しているようなことを聞きながら、いま自分がインスパイアされて、俺ももっとやろうという気持ちになんかさせられましたけど。
今日はもうちょっとね、あのあまり長くなるとあれなので、この辺りでやめておきたいなと思うんですが、本当にいろいろ示唆に富む話っていうか、僕にとっても刺激を受ける話をありがとうございました。
(村松さん)
ありがとうございます。
(豊田)
またこれからもよろしくお願いします。
(村松さん)
お願いします。
(豊田)
さて、HR-Xではこれからも人事とトランスフォーメーションというキーワードで様々なゲストをお呼びしてお届けしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは今回はこの辺で。
村松さん、今日はありがとうございました。
(村松さん)
はい、どうもありがとうございました。
豊田圭一(株式会社スパイスアップ・ジャパン 代表取締役)
上智大学経済学部を卒業後、清水建設に入社。海外事業部での約3年間の勤務を経て、留学コンサルティング事業で起業。15年以上にわたり、留学コンサルタントとして留学・海外インターンシップ事業に携わる。
その他、複数の起業を経て、現在は日本を含めた8ヶ国で、グローバル人材育成を中心に様々な事業を行っている。
2018年、スペインの大学院 IE でリーダーシップのエグゼクティブ修士号を取得。
著書は『とにかくすぐやる人の考え方・仕事のやり方』『引きずらない人は知っている打たれ強くなる思考術』など全17冊。
早稲田大学トランスナショナルHRM研究所の招聘研究員、内閣府認証NPO留学協会の副理事長も務める。
豊田が2020年6月に出した『ニューノーマル時代の適者生存』
株式会社スパイスアップ・ジャパン
公式ウェブサイト https://spiceup.jp/
公式フェイスブック https://www.facebook.com/SpiceUpJP/
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