[EVENT] Local Food Labo. #4 バル街【前編】
函館西部地区バル街(以下バル街)は5枚つづりのチケット片手に函館の街の中のバルを飲み歩くイベントです。
バル街が始まったのは2004年、私が大学生の頃。
東京から帰省した時に電車の中吊りでポスターを告知を見かけたのをよく覚えています。
まだお酒も覚えたばかりだった私にはちょっと背伸びしたオトナなイベントで、でもいつか参加してみたいなーと憧れて見ていました。
あいにく日曜日開催のため帰省して参加するにはなかなかハードルが高く早15年(!!)が過ぎてしまい、今となっては函館が誇る一大イベント。
函館に居られる時間が増えて今年こそ参加したい!と楽しみにしていたところなんとSPICEでバル街に出店しませんか?とお声がけいただきました。
とても光栄なことでまさか自分達が出店側になるとは思ってもみない展開でしたが是非にと参加を決めました。
ただ…私たちには店がありません。
どうしよう。。。頼みのつなは箱バル不動産のみなさんでした。
Local Food Labo#3でカザマスキーを貸してくれた箱バル不動産の蒲生さんに相談すると同じく箱バル不動産メンバーの富樫さんが新たに十字街の施設『カルチャーセンター臥牛館』のオーナーになるとのこと。
バトンを富樫さんにパスしてくれました。
富樫さんからも快く使ってください!とお返事をいただきSPICEとカルチャーセンター臥牛館のコラボで1日限定のお店ができることになりました。
バル街開催2ヶ月前。富樫さんに会場を案内してもらいました。
カルチャーセンターの倉庫部分なら広くて、お客さんの飲食スペースなんかも作れそう!
と富樫さんからアドバイスいただき倉庫部分をメインに下見を。
なんとなーくここにあれを置いてみたいなお打合せがひと段落してカルチャーセンター内を一通り案内していただいた最後に通りがかったのが旧ボイラー室。
なんともいえないその雰囲気に胸がワクワクしたのを今もすごく覚えています。
タテモノのちょうどコーナーに扉がついていて、扉をあけると小さいスペースだけど高い天井、通りに面した大きなウィンドウ。
つい『この窓からビールを提供して、外で立ち飲みなんかもできたら最高ですねーーー。』って口走ってしまったけど足元を見るとボイラーを搬出したばかりで床は穴だらけ。
ちらっと富樫さんを見ると『こっちでもいいし、両方つかってもらってもいいよ。』と言ってくれた。
とはいえあの穴だらけの床がそんな簡単に平らになるなんて私には想像つかなかった。
浮かれて言った一言で、とんでもなく富樫さんに迷惑をかけることになるのではと心配しつつも、この場所で出店する方向で話がまとまった。
カルチャーセンター臥牛館を富樫さんが引き継がれることのお知らせが公表されることを待って、SPICEがバル街に出店することを告知する流れとなっていました。
そのお知らせが届いた時、富樫さんのこの建物に対する想いや覚悟が垣間見えて、たった1日だけだけどその想いを共にできるのは嬉しかった。また、これまで函館のまちを守ってくれた人たちの想いを知ることで、いまのこのまちがあることに感謝して、それがちゃんと続いていくように頑張らなくちゃいけないんだと気持ちが引き締まりました。
それからはメニュー考案、衛生許可の申請、材料の仕入当日のスケジュールを組み立てたり、実行委員への連絡など。普段の仕事の合間を縫って移動しながら電話したりかなりバタバタ…こまごまとしたことだけど意外とこういうのは燃えるタイプ。
メニューは3種のピンチョス。これまでも何度もお世話になっている森町の政田農園さんの野菜をメインに、バケットも小さな幸せパンさんにご協力いただきこの日の為のバケットを焼き上げてくださいました。また『函館市水産物地方卸売市場魚食普及対策協議会』さんからブリを協賛いただけることになりました。函館は名物であるイカの漁獲量が落ち込んでいる半面、ブリの漁獲量が増えているそうです。そこで、バル街を通して地元の人に楽しんでいただきたいとご協力いただけることになりました。
地域のみなさんに支えられたメニューを提供できることが本当に嬉しかった。
あとはお料理とビールの提供だけではなく、ガレージスペースをつかってマーケットも開催することに!!以下にご紹介していますが本当に盛りだくさん。カルチャーセンター臥牛館らしく、目指すはオトナも子どももワカモノもみんなが楽しめるそんな空間。
そして新たな使命を持って生まれかわるこの建物の一歩として、地域で活躍する個性的なお店や、間借り出店・移動店舗やゼロウェイストなど、SPICEが考える道南の魅力をつめこんだマーケットを目指し『Circle Market』としました。“サークル”の名の通り、何かがつながり、始まる場になれたらいいなという願いがこもっています。
前日も相変わらず準備や仕込みに追われたけど、会場のセッティングや家具は富樫さんにより完璧に準備されていました。