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スピカワークス契約作家の作品のトレース・模倣事案についてご報告

いつも弊社契約の漫画家の先生方を応援していただき誠にありがとうございます。

さて、この度、株式会社スピカワークスが契約を結んでいる、森下suu先生、やまもり三香先生が「デザート」(株式会社講談社発行)で連載中の『ゆびさきと恋々』『うるわしの宵の月』について、著者とは無関係の第三者が無断で絵のトレース・模倣などを多数行い、自らの作品として商用による配信、販売をしたと疑われる事案がありました。

弊社としてはこのような行為は断じて許すことはできないものとして、デザート編集部や弁護士とも相談のうえ配信元編集部と当該行為を行った人物に厳重な抗議をいたしました。
その結果、当該の人物はその行為を認め、配信元編集部は公式HP内にて経緯の説明と謝罪を行いましたのでご報告いたします。


ゆびさきと恋々』と『うるわしの宵の月』は著者の森下suu先生、やまもり三香先生が、沢山の読者のみなさまに喜んでいただけるように日夜魂を込めて生み出している作品です。その大切な作品を安易にトレースして自らの作品と称して配信、販売することは、漫画家の先生方に寄り添うことを方針とする弊社としては断じて許すことはできません。

プロとして漫画の絵を描くということは、非常に大変で労力のかかることです。作品の世界観やお話、キャラクターを表現するために、月刊誌の場合1話で平均200コマ以上のコマに対して、最もふさわしい場面や構図、表情や動きを考えることから始まり、ラフを描き、デッサンをとり、下絵を入れ、ペンを入れ、スクリーントーンを貼ったりベタで塗ったりしてようやく仕上がるものです。また、絵柄や作風は何作も何作も描く中で磨き上げてきたものです。そのようにして出来上がっているものを、成果物だけトレースするなどして無断で使われることがいかに漫画家の先生方にとって辛いことか、ご理解いただければ幸いです。

今回このような件があったのは大変残念ではありますが、森下suu先生、やまもり三香先生は、改めて日々の執筆活動に励まれるご覚悟です。引き続き応援よろしくお願い致します。

2021年9月8日
株式会社スピカワークス


なお、森下suu先生、やまもり三香先生からのメッセージをお預かりました。以下、あわせてご一読ください。

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今回のトレースと模倣について

 いつも私たちの作品を応援して頂き誠にありがとうございます。

 さて、この度、講談社様、私どもが所属しておりますスピカワークス、そして数多くの同業の先生方、また読者の皆様から、私たちの作品の絵がトレース、模倣されているとの報告を受けました。
まさか、と思いつつ疑義がかけられている漫画を拝読させて頂きましたところ、私たちの絵が無断でトレースされておりました。

 絵を描く仕事に従事されておられない方には分かりづらいかもしれませんが、私ども漫画家は自分の描いた絵を鮮明に記憶しています。ご報告頂いた作品を一目見て、あれ?と異変に気が付いたと同時に、ものすごく悲しい気持ちに苛まれました。

 絵が描くのが好きだと気が付いて、自分なりに絵を描き始めた私たちは、なにも初めから上手に絵を描けた訳ではありません。思ったように描けずに悩み、苦しみ、投げ出したくなる気持ちと向き合い、それでも筆を取ってきました。名立たる大先生には描けて、なぜ自分はこんな下手な絵しか描けないのかと自責し、葛藤する毎日の中、それでも少しでも上達して、読者さんに面白いと思って貰える物語と、綺麗だなと思って貰える絵を届けたい一心で努力を重ねてきました。私たちが行きついた絵は、その努力の積み重ねによるものです。

 先にも申し上げた様に、私たち漫画家は自分の描いた絵が脳裏に焼き付いています。なぜならば、その絵と何時間、何十時間、何日間もの長い時間対峙しているからです。
 私たちが多くの時間を費やしたそれらの絵を無断で下敷きにし、自分の作品と偽って発表することは断じて許されることではありません。
 漫画家にとって、独自の絵柄、大切に描いたキャラクター達は特別でかけがえのない財産です。今回このような事が起こり、本当に無念で悔しくて仕方がありません。

 長くなりましたが、私たちからは以上となります。この件についてはこれにて終わりにしたいと思います。
 
 気持ちを一新し、皆様に少しでも喜んでいただけるような作品を届けられるよう日々精進していく所存です。今後とも宜しくお願い申し上げます。

2021年9月8日
森下suu
やまもり三香

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