浮気と新しい本を読むことは似ている。
と、タイトルに書いたがこれでは語弊がある。
もう少し詳しく書くと、読みかけの本を読むのをやめて新しい本に移る行為は浮気と似ている、だ。
社会人になって約8ヶ月、圧倒的に本を読む量が増えた。
仕事柄単調な思考回路しか日々行わない為、大学時代の思考力が少しでも衰えないよう、ある意味社会人になったことへの叛逆的な意味で読書を始めた。
そして日々何かしらの本を読んでいると、やっぱり自分とは合わない本も出てくる。
パッと見表紙が綺麗だったとか、帯のアオリのメッセージがキャッチーだったからとか、前に好きだった作家の新刊だったからとか
本を買う理由は色々あるし、読み始めは確かに新鮮でかつワクワクした気持ちで、勢いよく読み進める。
が、読み始めて数十ページも経つとなんだか主人公に感情移入が出来ないだとか、文章が難しいだとか、色んな理由で少しづつ本を開かなくなってしまう。
そんな中本屋に行くとあら不思議、魅力的な本が沢山ある。
どれもキラキラしていて面白そうで、つい手に取ってみる。背表紙のあらすじを読む、面白そう。2、3ページ読んでみる。やっぱり面白そう。
気がつくと会計に足が向かい、次の日会社に向かう電車の中では新しい本を開いている。
そこでふと、「あれ?これって浮気に似てるんじゃないか?」と思ったわけである。
出会いたては何でもかんでも目新しくて魅力的に映るが、ちょっと一緒に過ごすと「なんか違うなあ」という気持ちが湧いてくる。
何となく会ったり話したりするのが億劫になっているうちに新しい出会いに触れる。やっぱり新しい人は新鮮で魅力的に見える。でもまたそのうち飽きてくる。
今回は本で例えたが多分物だったら何でも当てはまるのかもしれない、が、何となく似てるなあと思ったとある一日の夜だった。
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