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Dancemania SPEEDの歴史1~前書きと大まかな全体史~


「Dancemania」

というコンピレーションアルバムがあります。
1996年に1作目が出て以降、各国のダンスポップを中心に、時にはディスコ楽曲で、時にはユーロビートで、時にはR&Bで、時にはテクノやトランスで、そして時にはハードコア楽曲で……数多くのアルバムで様々なジャンルの曲を世に発信してきました。

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音楽の流行の移り変わりやCD売上の減少などで、今でこそ「昔懐かしの」と称されるシリーズになってしまいましたが、ダンスマニア楽曲を収録した音楽ゲームDanceDanceRevolutionのヒットもあり、90年代後半の日本の音楽史においては、クラブミュージックをより一般的なものにしてくれた大きな功績を残す、伝説のコンピレーションアルバムです。


そんなダンスマニアの中に「Dancemania SPEED」というシリーズがありました。クラブミュージックとしてだけでなく、今では音楽ゲーム等でも特に重宝される、HAPPY HARDCORE(ハピコア)と呼ばれるテンポの速い楽曲で構成された人気アルバムシリーズです。

当時の人気ハピコア曲を中心に取り揃えたDancemania SPEEDは、それ以外にもDJ集団KCP等が制作したDancemaniaシリーズ楽曲の新規リミックスも収録していました。後にここに、海外レーベルの高速ダンスポップカバー曲や高速ユーロビート楽曲等も入るようになります。


Dancemania SPEEDの歴史はそのままHAPPY HARDCOREの歴史とも重なり、シリーズとしてナンバリングを重ねるごとに
GABBA、TRANCECORE、UK HARDCORE、NU-STYLE GABBAと、
後に細分化されていく各ジャンルの源流となる楽曲が収録されていきます。

実際にSPEEDシリーズに収録されたハピコア楽曲・リミックス楽曲の影響から作曲活動を始めた現ハピコアコンポーザーは多数いますし、日本で独自の発展を遂げたいわゆる「J-CORE」成長の土壌には、気軽にハピコアに触れることが出来た本シリーズの影響が多分に存在しています。


筆者はDancemania SPEEDからHAPPY HARDCOREを知ったものの、海外のハピコアコンピ等には手を出さず、より展開の多い&派手な音使いの音ゲー方面の楽曲に傾倒してしまいました。そのため、HARDCOREの歴史やジャンル変遷、各年代の代表曲等に関しては、ハードコア楽曲を作ったり日々研究を続けている人(例えば実際に本も出版しているDJ TECHNORCHなど)ほど十分な説明は出来ません。

しかしDancemania SPEEDをリアルタイムで追いかけ続けていたことで、SPEEDシリーズに収録された楽曲の知識はある程度持ち合わせていますので、今回この場を使って、特に多くのファンを持っていた国内ハードコアコンピ「Dancemania SPEEDの歴史」を紹介していきたいと思います。


前述のようにSPEEDシリーズと音ゲーとでハピコア知識を蓄えてしまった人間なので、紹介する楽曲について勘違い、間違い、説明不足な面があるかと思いますが、その際は是非筆者までご指摘・ご一報いただければ幸いです。


※※※
ちなみに今回このnoteを書くに至ったのは、DDR A20CARTOON HEROES新規アレンジ収録を機に、SPEEDシリーズを聴き直し改めて良さを認識したこと、またSPEEDシリーズ発売当時のレビューを探したもののアマゾンくらいしか無く、いっそ自分で書いてしまおうと思ったことがきっかけです。

DDR A20は黄金筐体の先行稼働を皮切りに、只今全国で絶賛稼働中です。

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Dancemaniaが2019年時点で23周年、DDRも同年で21周年なので、20数年前のダンスミュージック事情、音ゲー事情を思い出して青春時代に浸りたい方々への、記憶装置の役割にもなれれば個人的には嬉しいです。



と、言うわけで前書きに合わせて……

Dancemania SPEEDの歴史(大枠)

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Dancemania SPEEDは発売された3つのベスト盤に合わせて、大きく
「初期」「中期」「後期」の3つに時期が分かれます。

初期に発売されたCDはSPEED 1~5、SPEED BEST 2001

中期SPEED 6~10、RAVERSシリーズ3枚、classical SPEED、SPEED G

後期SPEED G2~G5、SPEEDサブシリーズ9枚、HAPPY SPEED

以上の30枚を全て総称して「SPEEDシリーズ」と呼びます。
それぞれ一番最後に書かれているCDが、各期のBEST盤になります。


RAVERSシリーズとはHAPPY HARDCORE楽曲のみで構成されているアルバムで、HAPPY RAVERSTRANCE RAVERSの2枚に加え「ハピコアBEST」であるBEST OF HARDCOREを入れた3枚に対する総称です。

SPEEDサブシリーズとは各CDで決められているコンセプトを基に、有名曲をカバーアレンジした楽曲で構成されているアルバムで
classical 1&2、SFX、Christmas、TV、刑事、アニメ&Newtype、DRIVE、武勇伝の10枚に対する総称です。


初期はどうしても今聴くと時代を感じてしまう楽曲が多いものの、長年愛され続けてきたアンセム、人気絶頂期のDDRに収録された曲もあり、人気・知名度の点で絶大な支持を得ている曲が多数存在します。初期ベストである「SPEED BEST 2001」の曲目の豪華さたるや、これを今尚ハピコアコンピの最高峰に挙げる方も少なくないほどです。

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リミックス・ハピコア・海外レーベルのバランスが大分整えられ、SPEEDシリーズのヘビーリスナーが特に好む曲が多いのが中期です。この時期のSPEED 6~10の各アルバムは1枚毎に際立った個性があり、聴き比べながらそれぞれの違いを感じるのも楽しいのではないでしょうか。それらの総決算となる中期ベスト「SPEED G」は、SPEEDファンにとって正に聖典が如き完成度を誇るアルバムです。

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後期は主に「SAIFAM」「Runaway」「LED」という3つの海外レーベルと、初期から変わらず活動し続けるハードコアDJの楽曲とが中心で、そこにサブシリーズで日本語カバー曲もぽつぽつと入るようになります。DDRアーケード版の制作休止やDancemaniaシリーズ自体の人気低迷から、SPEEDシリーズにも予算削減の波が襲うようになりますが、それでも途中打ち切りにあうこともなく3枚目のベスト盤である「HAPPY SPEED」で、シリーズに綺麗な一区切りを付けることが出来ました。

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実はHAPPY SPEED発売後に「姫トラSPEED」「演歌SPEED」というSPEEDシリーズの流れを汲むCDが2枚発売されているのですが、それぞれ姫トラ関連作、シリーズ終了後の単発作としての側面が強いアルバムのため、今回のSPEEDシリーズ紹介からは除外させていただきます。

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SPEEDシリーズ全体の大まかな流れとしては以上となります。

次からはSPEED 1を始まりに、各アルバムのレビューや解説等をしていきたいと思います。また以下に各アルバム記事のリンクを貼っておきますので、目当てのアルバムがある方はこちらもご活用ください。



初期:     BEST 2001

中期:     RAVERS classical SPEED G

後期:G2 G3 G4 G5 HAPPY SPEED
SFX&Christmas TV・classical 2・刑事 アニメ&Newtype 
DRIVE&武勇伝

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