世界のくぼみのようなこっそりとした場所
“世界のくぼみのようなこっそりとした場所”
海辺のカフカだったか
村上春樹先生の小説で出てきたその言葉に惹かれた
広くて、大きくて、人に溢れている
誰もが知ってる賑やかな場所ではなくて
狭くて、小さくて、少し分かりにくい場所にある
タイミングが合わなければ
なかなか辿り着けないような場所
わたしはそういうところに行ってみたいと思うし
そこで出会う人や物にも興味がある
今朝歯を磨いていて思い出したことがある
高校受験のときのこと
名の知れた都立高校
私立の女子校
塾の先生にお薦めされて見学に行ったけど
ピンと来なくて決めかねていた
結局、新しく設立したばかりの少し変わったカリキュラムのある高校に進学した
そして大学も新しくて
ひっそりとした住宅街の中にある
小さな佇まいの大学に決めたのだった
その後の進路も
紆余曲折あったけれど
選ぶ基準がどうも
規模が小さく、あるものに特化したところ
にあるようだった
土地も都内にあっても煌びやかすぎず
落ち着いたエネルギーが流れている場所を
探し求めていたような記憶がある
声をあげて自慢できるような経歴ではないけれど
とても地味でありながら心にあたたかさが残る
そういう場所とのご縁が多かった人生
歯を磨きながら
これからも
“世界のくぼみのようなこっそりとした場所”
と出逢っていきたいし
これからは、わたし自身がそういう場所をつくりたいという思いが
しっかり強くあることに気づいた
・・・・
昨年の今日は両家の両親に新居をお披露目する日だった
まだ誰も住んでいない完成したばかりの空っぽの家に足を踏み入れてから1年
いろんなものが集まってきてくれて変化はあったけれど
ずっと変わらない核がわたしにはあるなと
嬉しくなった今日、2024年の秋
いいなと思ったら応援しよう!
訪問有難うございます(^ω^)ハグ