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耳で聴かない音楽会 2019.8/20 で感じて考えたこと
先日、落合陽一氏が演出を手掛け、日本フィルハーモニー交響楽団の方々の演奏による耳で聴かない音楽会を鑑賞してきた。
(このステージ上の音響反射板らしきものにも光が投影されていた)
【曲目】
ⅰ オーケストラを形を感じるエアオーケストラ
ジョン・ケージ 「4分33秒」第2楽章
ⅱ 音を耳以外で感じる
「剣の舞」、「カノン」
ⅲ タイプライターやサンドペーパーなどで奏でる音楽
アンダーソン:タイプライター
アンダーソン:サンドペーパー・バレエ
ⅳ 曲のストーリー曲(そのもの)を感じる
サン=サーンス 《動物の謝肉祭》
この流れで演奏は行われた。
この曲目を確認するだけでダイバーシティだなという印象を受ける。
【実際に鑑賞して感じたこと】
エアオーケストラ
演奏の内容はまず、オーケストラを形を感じるエアオーケストラ 。この曲は音を発さず、目で見て感じることが主である。そこに微かに聞こえる弦楽器の弦の擦れた音や管楽器の息を吹き込む音を感じ取ることで、見かけ上は音を発さないだけの演奏に、「複雑性」と「実在している」という感覚を得られる。
次に
「剣の舞」と 「カノン」で考えたこと
「剣の舞」に関しては
映像では「一個一個の細かいリズム」と「低音から高音までの域」「音の強弱、勢い」の3つを分けた。これによってこの「剣の舞」が奏でる音楽を3次元的に感じることが出来た。個人的に音の表現としてはこの曲が一番楽しかった。
「カノン」では
音の重奏を感じ取れる印象であり映像のイメージとしては音の重なりや美しさを感じる。
音のポイントを、宇宙空間で時折太陽の光が射すところを目を細めながら眩しいなと感じるようなものであった。
タイプライター、サンドペーパーを使用した音楽
ここでは、タイプライターのカチカチ音、サンドペーパーの擦れる音を使った音楽であった。
私がイメージしていた音楽とは全く異なる複雑性の高い音楽であった。この複雑性は予想していなかったのでこれも個人的には面白いと思った。
そして最後に《動物の謝肉祭》
この曲の映像は曲のストーリーを受けることができるものであった。
この曲は動物の足音や動き、鳴き声などを音楽にしたものである。
そのストーリーとリズムを曲で感じることができた。
つまり 動物が発した音→音楽→動物の動き という変換ができる。
リアルを音楽に 音楽を擬似的なリアルに という作りを感じた。
こうしてこの約2時間の音楽会を振り返ってみると多くの複雑性と音楽の新しい可能性を汲み取ることができた体験であった。
【少し改善の余地がある点】
日本フィルハーモニー交響楽団の方々の演奏は質が高く完成度が高かったが、映像のズレがあったことは音楽に合わせて映像をあてている以上しょうがないと言わなければならないのかもしれないがズレをもっと減らす、不自然さを減らすことは工夫が必要だと感じた。
そして耳が聞こえる人は sound hug などの機器は使用しないため 耳で聴く、目で観る、空間を感じる、以外にも音楽を感じ取れる複雑性があったほうがよりより複雑に感じ取れると思った。
そういった点などを踏まえてまだまだ挑戦の途中であるという印象を受けた。
ただここから時間をかけて熟成され、工夫がなされ、より複雑性と多くの感覚を呼び起こし、
なにか感覚を得る機能が欠けている人でも、
そこらへんにいる人を適当に1000人集めてきて、その1000人が皆 心の底から楽しめる音楽会へと
進化していくことを期待してこれからも機会があれば参加していきたい。