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「オレのはなしをきけ」『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
原題 Little Women
監督 グレタ・ガーウィグ
我々世代は、世界名作劇場で知っている「若草物語」と、その後を描いた作品。(原作では、第四作くらいまであるらしい)
ドラマティックな仕上がりのなかに、「ジョー」と言う主人公=シアーシャ・ローナン=ルイザ・メイ・オルコット=監督のグレタ・ガーウィグの姿が見える。
時系列があちこち飛んじ
大河ドラマ「いだてん」一話感想
タイガータイガーアリガタイガー。と、脚本宮藤官九郎の過去の作品「タイガー&ドラゴン」の締め言葉を言ってしまう出来。
宮藤官九郎作2019年「いだてん〜東京オリムピック噺〜」個人的に、この「ム」ださい。
クドカンは入れ子構造、複層構造を得意とする作家です。今回も明治と昭和を同時にいったりきたりしている。これ、脚本ではかなりアウトとされる方法論です。ところが、彼は筆力があるので、やってのけるん
JKローリングと湊かなえの「精神的な暴力性」について
Twitterで「JKローリングは小林靖子説」を提唱したところ、フォロワーさんが「いや、湊かなえです」と突っ込んできた。
膝を打ち抜く思いだった。
小林靖子さんはジョジョの奇妙な冒険シリーズ、仮面ライダーシリーズ、進撃の巨人シリーズなどの構成、脚本を担当しており、「死んだほうがましだと登場人物に思わせる」設定を用意する一方、「イケてる男の死に場所」はちゃんと作ってくれます。
そこがローリ
「ハリー・ポッターのトリネコの杖」と「指輪物語の指輪」について、占星術から考える
タイトルにおける二つの作品には「最終兵器」とも言える「杖」と「指輪」が出てきます。杖と指輪を巡って、争いが引き起こされ、主人公は時に生死をさまよう。特に後者において、滅びの山に指輪を捨てる旅に出たフロドは、結果的に指輪の吸引力に飲み込まれてしまいます。
あらがいがたい運命、押しつぶされる運命、死とそして再生を、占星術では冥王星で示します。現在、冥王星は山羊座を運行しており、各所から山羊座の悲
映画感想「スリー・ビルボード」
Three Billboards Outside Ebbing, Missouri
2017年
監督 マーティン・マクドナー
アメリカの片田舎、ミズーリのとある街でアンジェラ・ヘイズと言う若い女性がレイプされ、焼き殺された。喪失感にさいなまれる母親のミルドレッドは、犯人が捕まらないことに業を煮やし、三つの立て看板を立てる。
「RAPED WHILE DYING」(娘はレイプされて殺された)
ひとりがたり「この世は地獄」
長い地獄のトンネルを抜けるとまたしても地獄だった。
現世に生きていると、そのように感じる瞬間が多々あります。底辺校を脱出したはずが、また愚痴とコンプレックスの吹きだまりだったり。運命的な恋に落ちたと思ったら、相手が借金持ちのモラル崩壊している人間だったり。結婚して幸せになったかと思えば、旦那が密かに120万円もの奨学金未返済を隠していたり。初めて出会った時、羽根が見えた相手と結婚したのに、
映画感想「メアリーの総て」
Mary Shelley 2017 ハイファ・アル=マンスール監督
ゴシックホラー「フランケンシュタイン」の作者、メアリー・シェリーがいかにして作品を執筆し、出版するのかどうか……までをメアリーの個人的な観点で描いた物語。
確実にMetoo運動の影響も感じさせるのですが、「フェミニズム」の論点からは甘いんじゃないか、時系列があちこち飛んでないか……と言う印象です。ただ、200年以上経っている
映画感想「聖なる鹿殺し」
「聖なる鹿殺し」The Killing of a Sacred Deer 2017年 ヨルゴス・ランティモス
あらすじ
心臓科医スティーブンは美しい眼科医の妻、聡明で健康な娘、息子を持ち、郊外で恵まれた家庭を営んでいた。ところが彼には秘密があった。その秘密を握るマーティンと、疑似親子のような交流を続けるスティーブン。
ある日、マーティンを家に招いた時から悲劇は起こり始める。まずは息子、そし