座禅
計略と煩悩と秘密
劇場版→→→https://www.youtube.com/watch?v=v-r2iGUwO8E
縁側でたいちゃんとバハマが座禅をしていた。その後ろをハルが100均のプラスチックバット持って右往左往している。
鼻がムズムズするたいちゃん。
たいちゃん「ぶあぁぁぁぁっくしょん!!!」
ハル 「チェストぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!!」
座禅中に動いたり物音を立てると、棒で叩かれるのは見たことがある。
あれはなんらかの棒を縦に振り、気付け程度に叩いているように見える。
しかしハルはバットを【全力】で【横】に振りぬいた。
たいちゃん「ぐぁぁああああああああああああああ!!!」
バハマ 「ぶうぁぁああああああああああああ!!」
横に振りぬかれたバットは隣のバハマにも直撃していた。
素知らぬ顔のハル。
悶絶するたいちゃんとバハマ。
今日も騒がしい縁側である。
~座禅~
バハマ 「縦だろ普通!なんで横に振るんだ!」
ハル 「癖よ、横殴り派なの」
たいちゃん「癖って!いつもバット持ち歩いてんのか?」
ハル 「そんなことないわよ!でも毎晩バット握ってたなぁ~」
不良時代を懐かし気に思い返すハル。
バハマ 「え?!ま、毎晩、、バット握って?!」
この男、煩悩の塊である。
たいちゃん「やべぇな」
この男もである。
ハル 「それしか楽しみがなかったの。今でもたまに暴走しちゃいそ」
バハマ 「僕のバットでよければ!!」
ハル 「、、、昔ヤンキーだったって話なんだけど」
たいちゃん「お前のバットじゃ小さ過ぎんだ、俺のバッ」
言いかけたところで、ハルがたいちゃんをバットで小突いた。
バハマ 「まてまて、今なんつった?!」
たいちゃん「お前のバットじゃ小さ過ぎんだ、俺のバッ」
バハマ 「絶対俺の方がでかい!」
たいちゃん「それはないね!見せてやろうか?!」
バハマ 「いやだ!きもい!」
ハル 「座禅で勝った方がデカい」
たいちゃんバハマ「ノッタ!!!」
ハルは面倒くさいことをしてしまったかな?と少し後悔していた。
座って座禅の準備と精神統一を図るたいちゃんとバハマ。
たいちゃん「おいハル。これ真剣勝負だから。邪魔したら、あれバラすぞ」
ハル 「なんの話よ」
バハマ 「教えてください。」
たいちゃん「はじめぇ!!!!!」
たいちゃん、バハマ、両者とも微動だにしない。
ハルは物憂げな顔をして右往左往し始めた。
長い沈黙が訪れた。
【ハルの心の声】
まってまってあれって何?!もしあれだったら、、いや、知ってるはずがない!
【バハマ心の声】
気になるぞ、あれってなんなんだ、教えてほしい、くそぉ!集中できねぇ!
【たいちゃん心の声】
気になってんだろ〜?もっと動揺しろ!俺は何も知らねぇけどな!!!!
、、、ん?何か感じる、、、後頭部になんか感じる!
【ハルの心の声】
いやぁぁあ!ちょっと蜂じゃないの!デッカ!後頭部にこのサイズの蜂はまずいよ!
伝えなきゃ!いやまって!もしあの秘密を知ってたらどーするのよ!バラされたら私は終わりよ!
【バハマ心の声】
やばいぞ!くしゃみが出そうだ!止められそうにないが、まだ少し我慢できそうだ。
頼む!奇跡よ起きてくれ!
【たいちゃん心の声】
痛ぁあぁぁぁぁぁあああああああああああい!!!!!!!!!!!!!え?何?!すごい痛い!!後頭部すごい痛い!!ハル何かしやがったなぁぁ?!!
【ハル心の声】
あ!飛んだ!何でこっち来るのよ!ちょっと!やだ!怖い!もうほんとバカぁぁぁ!
ハルが蜂から逃げるように縁側から離れていった。
【バハマ心の声】
無理だ限界だ、もう諦めよう、負けたら叩かれるなぁ、痛いのはやだなぁ
【たいちゃん心の声】
何これやばい、、、何も聞こえない、、、あれ、何も見えない、あれ、、
意識を失い倒れるたいちゃん。
バハマは考えていた。このくしゃみは我慢不可能だ。負けは確実。
しかし痛いのは嫌だ。
さっきハルはバットを横に振ってきた。しかし俺とたいちゃんが縦に振るもんだとさっき教えたばかりだ。ハルは意外と頭がいい。きっと次は縦に振ってくるだろう。ここは一か八かの真剣白羽どりで回避しよう。
そうしよう!!!
バハマ 「ぶぁぁああああくしゅん!!!!!」
両手を頭上に上げるバハマ。
バハマ 「でぇぇぇぇえぇぇいやぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!」
右手と左手によるクラップ音だけが響いた。
バハマ 「、、、あれ?」
そんなこともある縁側である。
END
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