盛り
劇場版→→→https://www.youtube.com/watch?v=DXSEQyJ2pi4
お前は人に鼻くそ食われたことあんのか?
朝。いつもの縁側に甚兵衛を着たたいちゃんとスーツのバハマ。
たいちゃんは読書をしているのだが、バハマはお構いなしに会社での出来事を話していた。
バハマ 「もうさぁ、ほんとむかつくんだよ!だからさ、上司の机の裏
に鼻くそつけてやったわけ。そんで、チラチラ上司の方見
てたらさ、見つけやがったの!俺の鼻くそ!しかも指につけ
て観察してるわけ!そのあとどうしたと思う?!食べたん
だよ!!」
たいちゃんの我慢の限界が来た。
たいちゃん「うるせぇなぁお前朝から!さっきからずっと喋ってんな!」
バハマ 「おもしれぇだろーがよ!お前は人に鼻くそ食われたことあんの
か?」
たいちゃん「ねぇようるせぇなぁ!」
バハマ 「まだあるぜ!右眉毛だけ金色に染めたことあるんだぜ!」
たいちゃんは分かっていた。この男は話を盛る男だ。盛りすぎてもはや嘘をついている!と。無視したいところだが、いらだちが止まらない。そう、バハマという男は話を盛って、いや。もはやでっちあげて、たいちゃんより俺のほうが凄いということに満足感を覚えているようだ。このいらだちを解消するためには【盛り】で勝つしかない。瞬時にそう思うたいちゃんであった。
たいちゃん「お前さ、話盛ってるだろ」
バハマ 「盛ってねぇよ!」
たいちゃん「嘘つけよ!」
バハマ 「盛ってねぇって!」
たいちゃん「あぁそう、俺だってすげぇ話いっぱいあんだぜ?」
バハマ 「なんだよ」
たいちゃん「この間海行ったの、そしたらね、とんでもなくデカい鯛が釣れ
たの」
バハマ 「どんくらい?」
両腕をギリギリまで広げるたいちゃん。
たいちゃん「こんくらい!」
バハマ 「嘘つけよ!!!!!!」
盛りバトル開幕である。
~盛り~
たいちゃん「1m70くらいあったかなぁ」
バハマ 「盛りすぎだろ!」
たいちゃん「盛ってねぇよ!!!」
バハマ 「、、、まぁでも鯨釣ったことのある俺に比べれば」
たいちゃん「鯨ぁ?!!!」
バハマ 「50mくらいあったかなぁ」
たいちゃん「シロナガスじゃん!」
バハマ 「そうそれ!いやー重かったぜぇ」
たいちゃん「どんな釣り針使ってんだよ!」
バハマ 「あれだよあれ!タンカーのイカリ!」
たいちゃん「タンカーのイカリ??!!!」
バハマ 「そうだよ。普通の釣り針で釣れるわけねぇだろ?」
たいちゃん「、、、まぁでも、海の塩分濃度を上げまくってその海域にいた
生物全て釣り上げた俺に比べれば」
バハマ 「死海?!!!」
たいちゃん「そうそれ!後に死海って呼ばれるようになったんだよなぁ。
あれ俺がやったんだよ。まじごめん」
バハマ 「もはや釣り上げてねぇからな?」
たいちゃん「いや〜陸にあげるの大変だったぜぇ~。
あ!シロナガスもいたぜ?」
バハマ 「、、、まぁ釣り針が海底に引っかかってそのまま引き上げたら
海底が釣れちゃって世界一の山脈作っちゃった俺に比べれば」たいちゃん「エベレスト?!」
バハマ 「それそれ!あれ現地ではチョモランマって言うんだけど
あの名前つけたの俺なんだよ」
たいちゃん「、、、まぁ、地球の自転が止まりそうになった時にいち早く気
付いて、ちょうど釣りしてたから普段人前で見せない本気の力
で竿投げて地球の遠心力を高めた俺に比べれば」
バハマ 「救世主?!」
たいちゃん「いやぁ〜危なかったねぇ~。みんな死ぬとこだったよまじで」
バハマ 「、、、まぁ、竿投げようとしたら間違えて海割っちゃった俺に
比べたら」
たいちゃん「モーセ?!」
バハマ 「俺さ、背中に切り傷あんの、なんか地球一周して俺自身も真っ
二つになりそうだったみたいでさ〜ギリセーフ!」
たいちゃん「待てよ!モーセより救世主の方がスゲェだろ!」
バハマ 「お!そうだな!って言える俺の心は海より広いな」
たいちゃん「お前ずりぃぞ!!」
バハマ 「すまん!俺がずるかった!って言える俺の心はもはや
宇宙だな」
たいちゃん「お前が自分自身で心が宇宙くらい広いって思えるよう自負心を
つけてやるために、ここまでシナリオを描いてその通りに話を
運んだ俺の優しさと頭の良さはもはやビックバンだな」
バハマ 「嘘つけよ!」
たいちゃん「嘘じゃぁぁぁぁぁぁぁ~~~~い!💢💢💢」
大爆発のたいちゃんは飛ぶように立ち上がり。バハマを見下ろした。
たいちゃん「いつまでやんだよ!」
バハマ 「もしや全部嘘か?」
たいちゃん「当たり前だろ!!!!!」
バハマ 「なんだよつまんねぇな」
沈黙。満足げなバハマ。たいちゃんは、頭がぼんやりしていた。
たいちゃん「、、、おいおいおいおい。お前も嘘だろうがよ!」
バハマ 「なんだよ」
たいちゃん「嘘だろうがぁ!!!!💢」
バハマ 「嘘じゃねぇよ!今あるのは、俺の方が断然お前より凄いって事
だけだ!危なかった〜、お前嘘じゃなかったら超えられてたわ
ぁ〜まじで」
たいちゃんの目の色が深くなった。
たいちゃん「、、、まぁ、俺がお前を超えちゃってるからかわいそうだと思
って嘘って言ってあげただけなんだけどな」
バハマ 「お前!!!」
たいちゃん「あ、聞こえてた?独り言のつもりだったんだけど、、、
なんかごめんね」
バハマ 「まぁ、俺が~」
やかましい縁側である。
END
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