文化を奪うどころか、併合時代の教科書で朝鮮の神話を教えていたという事実
耽羅伝説 ※耽羅は済州島にあったといわれる古代王国
瀛州と呼ばれ、未だ人の住まない太古の済州に、良(梁)乙那、高乙那、夫乙那の三姓の神人が、漢拏山の北山麓の地の三姓穴にあらわれ、これが済州人の先祖である。ある日、漢拏山を展望していた彼らは、東方から流れてくる木箱を発見した。開けてみると、箱のなかには日本国から来たという使者と美しい三人の姫、家畜や五穀の種が入っていた。三神人は、彼女達を妻として迎え、産業と五穀の栽培を始めて集落をつくった。— 高麗史、巻五十七
●済州島は朝鮮本土とは異質な文化、歴史をもっていることでも知られる(ゆえに差別を受けてきたともいえる)。
この神話に出てくる 梁(ヤン)、高(コ)、夫(プ)は、済州三姓と呼ばれ、この姓をもつ人は間違いなくルーツが済州島にある。たとえば、前田日明の民族名は高日明(コ・イルミョン)だ。
注目すべきは、箱の中から出てきた三人の姫が日本人で、それぞれ梁、高、夫の三兄弟の妻となったということである。これを素直に解釈すると、済州島には古代倭人の血が流れているということになる。また、家畜や五穀の種が一緒に運ばれてきたという下りは、畜産や穀物の栽培が、日本から伝わったことを意味する。
総督府がこの神話をわざわざ教科書で取り上げたのも、内鮮一体、日鮮同祖といった当時のスローガンと無縁ではないだろう。
「どうぞ、これからご一しょに助け合って此の島をさかえるようにしてください」という使者の言葉がいいではありませんか、実に平和的友好的で。
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