目からビーム!81 パイナップルに想う~祝!頼清徳総統誕生
中国の台湾パイナップル輸入禁止処置で窮地に立つ台湾農家を救おうと、日本ではネットを中心に「台湾パイナップルを食べよう」という呼びかけが起こり、その甲斐あって、現在台湾産パインは全国で品切れ状態が続いている。この余波を受けて、沖縄その他の産地のパインも売れ行きが上々だとかで、今年はにわかにパイナップル・ブームが起こりそうな勢いだ。
思えば、僕の子供のころ、パイナップルはあこがれの果物で、それはどこか遠い南の島のイメージとつながっていた。「夢のハワイ旅行」などと、ハワイ旅行に「夢」という枕詞がついた時代である。もっとも、本物のパイナップルを食べたのはずっとあとのことで、もっぱら粉ジュースやアイスの「パイン味」から想像するハワイであり南国だったが。
台湾では今回の「パイナップル食べよう」運動をとてもよろこんでくれたようだ。これからますます日台の絆が深まることに期待したい。
アジアでも有数の親日国といわれる台湾。10年前の東日本大震災では、各国に先だって救援隊を派遣し、義援金の金額では2番目に多い29億2千万円を送ってくれた国だ。もちろん、厚意に順位はつけられないけれど、1位のアメリカが29憶8千万円であることを考えると、あの小さな島国がどれだけ日本に気をかけていてくれるのか改めてわかろうというものだ。しかし、果たして日本がその友情に報いてきたかといえば、決して胸を張れるようなものではあるまい。「パナップル食べよう」がせめてもの気持ちとして届いてくれたのならうれしい限りだ。
そして、本当の意味でかの国に報いるのなら、道はひとつ、日本が強い国になることである。考えてもみよ。もし中共の侵略を尖閣に許したら、それはすなわち台湾への侵略を許したことになる。日本一国、沖縄一県の問題ではなく、台湾、ひいてはアジア全体に広がる問題だ。そのとき、日本は彼らになんと申し開きしたらいいのだ。
日本が再軍備したら戦争を始める、戦争に巻き込まれる、まだそんな寝言をいう者がいるのか。本当に強いやつは滅多なことで人を殴らないし、むろん殴られることもない。強い日本への覚醒こそ、アジアの安定に寄与する唯一の道である。
(初出)八重山日報
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