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目からビーム!181 60年の太陽政策
真偽のほどはわからないが、先の自民党総裁選で高市でなく石破に入れろという圧力がアメリカからあったという。日米韓で対中国包囲網を構築すべきときに、「総理大臣になっても靖国神社参は続ける」と公言する高市氏の総理就任は、韓国の起源をそこねるというのがその理由らしい。
冗談ではない。国に殉じた人たちの慰霊について他国にとやかくいわれる筋合いはない、という当然の話はさておいても、なぜ、いつも日韓の間で不協和音が生じると、日本だけが妥協を強いられなければいけないのか。日本大使館前の慰安婦像違法設置、一方的なGソミア破棄、そして直近ではレーダー照射事件、そのたびに日本は可能な限り事を荒立てず「大人の対応」でお茶を濁してきた。すべては日米韓連携という美名のもとに払わされた対価である。2015年の慰安婦合意にしても、背後には米国のゴリ押しがあったのは明白だ。
そもそもを言えば、竹島問題を棚上げにしてまでも日韓基本条約を締結したのも、朝鮮半島の赤化を阻止しなければならぬという米国の強迫観念のなせる業で、そのため日本は韓国の工業化に向けて7億ドルともいわれる経済協力と技術協力を惜しまなかった。そればかりか以後も経済危機のたびに面倒を押し付けられた。日本にばかり「大人の対応」を強いるのでなく、一度くらいは韓国に「いい加減大人になれ」と叱責しても罰は当たるまい。
ミサイルが飛ぶ時代、韓国の防波堤としの価値も薄れてきた。現にトランプは在韓米軍の撤退までちらつかせている。来年は日韓基本条約締結60周年という節目であるし、これを機に日本も隣国との付き合い方を考え直すべきだろう。まして、次期大統領最有力と言われる李在明は「日本は敵国」「日韓国交断絶」とまで口にするバリバリの反日左派だ。
日本が韓国と真の意味で連携ができていたのは朴正煕軍事政権時代だったと思う。彼も内政的には反日を利用はしたが、まだ政府自民党とは阿吽の呼吸が通じた。むしろ日韓関係がいびつになり出したのは金泳三に代表されるリベラル政権になってからである。
続く金大中、このリベラル派の代表格のようなお白粉大統領は、自身の対北融和路線をイソップの寓話をなぞって「太陽政策」と呼んだが、ノーベル平和を金で買った以外、彼の“お日様”が韓国と東アジアにもたらした利益は何もなかった。韓国は騙され続けてきわけだ。
それに関しては、われわれも笑うことはできまい。なんたって日本は、韓国に対して60年間も「太陽政策」をしてきたようなものだからだ。
初出・八重山日報
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