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昭和15年2月13日付け「東亜日報」より~創氏改名から性病まで

「創氏九十一名 京城府二日間の届出」改名許可願 京城法院に殺到」とあり、創氏(ファミリーネームを作ること)は義務だが、改名は許可制だったことがわかる。
主な創氏の例として 小説家・李光洙=香山 総督府社会教育課長・李元用=李家 他に平沼、夏山、梧山、愛川などが挙げられている。
東亜日報は、孫基禎日の丸削除事件で知られるように、どちらかといえば、反総督府&独立志向の強い新聞である。

李光洙は前年(14年)の暮れから改名を宣言していた。朝鮮近代文学の父。

同日の東亜日報、他の記事を見てみよう。

「天然痘発生」なんてのもある。

「市街地計画決定当時の地価基準強制収用」「京仁間(京城=仁川間?)の土地景気に警告」は、総督府の土地収用による地価の値上がりと土地投機に注意、と読めるのだが、どうだろう?
注目すべきは前述の創氏改名の記事の横の「栄誉の志願兵応募七萬九千六百人」という見出し。当時の特別志願兵にどれだけの若者が殺到したかということである。一番多い年で競争率70倍を超えていたという。
「今春東京各専門大学卒業生一覧」。大阪帝国大学、東洋大学、日體體育学校(現・日本体育大学か)、拓殖大学、巣鴨高商(現・千葉商科大学)、東洋帝国美術学校(現・武蔵野美術大学)など。女子も負けていない。日本女子大学校、日本歯科医学専門学校(現・東洋学園大学)から卒業生を出している。
「仮出獄者四百五十名 恩典」も気になる。おそらく、皇紀二千六百年祝賀に伴う恩赦なのだろう。その横に「姉妹殺害犯自首」の小さな記事。「養女打殺夫婦に今日重刑言渡」もいたましい事件だ。「慰問金 中学生 国防献金」は時局を象徴している。
ずっと下って、広告欄がまた面白い。「強性強精薬 早漏 淋疾梅毒薬」というあやしげな薬の広告。当時は、性病の恐怖は今とはくらべものにならないものだったのだろう。マクニンは虫下し。日本刀が切断しているのは回虫です。「果樹苗木 大麻種子」「精力強進剤椎茸トニク」「中学テレパ教授」というのはよくわからなが、「自宅ニ居テ学校ニ学ブト同ジ教授」とあるから、通信教育だろう。中学卒業の資格を得られるようだ。他にも、資格や求人の広告が続く。
この時期の朝鮮は内地よりも景気はよかったのかもしれない。


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但馬オサム
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