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光州『五月の歌』~クリソツの歌が聴こえる

 尹錫悦(ユンソンニョル)のクーデタ(?)未遂で、全斗煥の光州事件(1980年)を引き合いに出す人もいるが、本質が違うだろ。日本では光州事件といえば、民主化を求める学生に対する軍事政権が武力で弾圧した事件として知られるが、実際の背景には歴史的な全羅道差別の問題もあって、われわれが想像するほどに一筋縄ではなさそうだ。ちなみに、全羅道出身の最初の大統領は金大中で、彼が北の回し者であることはよく知られたこと。
 それはともかく、この事件を歌った『五月の歌』というプロテストソングがある。

花びらのように金南路に散らばったあなたの赤い血
豆腐のように切れた可愛い君の乳房
五月その日がまた来たら、私たちの胸に赤い血が沸く
なぜ撃ったのか なぜ刺されたのかトラックに載せてどこへ行ったのか

歌詞に出てくる대머리(ハゲ)は全斗煥のことだろうが、なんで쪽바리(チョッパリ)が出てくるんだよ、関係ねーじゃねえか。
 피(血)も비(雨)も同じ「ピ」で、われわれ日本人はちょっと聞き分けにくい。そういえば、「ピ」とかいう売れない韓タレがおりましたな。
 피!피!피!(ピ!ピ!ピ!)
 実はこの曲、よく聞くと(よく聞かなくても)これ↓にクリソツだったりする。

 ミシェル・ポルナレフのQui a tué grand' maman?。『愛のコレクション』という少女趣味丸出しの邦題がついているが、原題を直訳すれば、「お婆ちゃんを殺したのは誰?」。1971年の作品でした。あはは。

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但馬オサム
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