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京城府(ソウル)の上水道は日本一の折紙付 京城日報 1934.11.18 (昭和9)

内地の大都市さえ不良
荻野衛生課長さん 自慢も故あり

牛塚東京市長を会長とする全国水道協会は既報の如く去る十一月七八、九の三日間横浜市開港記念会館で開催、京城府から衛生課長荻野医学博士が出席、十六日朝帰城した、会議は全国三百二ヶ所の重要都市の代表者が集まり、水道管理法を中心に種々審議された結果、京城府の上水道が水質に管理に全国第一の理想的水道として折紙を付けられた、更に同大会で満洲国から提出され、満場一致で決議された塩素滅菌法例は朝鮮に於いては既に昨年十二月総督府で報告例を変更して実施しているので、名実ともに水道朝鮮の面目を全国的に植付けた、現在京城府水道課の一日の給水量は百七十万立方尺であるが完全に近い管理法によって水道水の中に発見される微菌は検水一立方糎中に平均一年に三個で、これは人体には全然無害とされ、大阪初めその他の都市では約十数倍の菌が発見されているので、文字通り京城府民は優良な飲料水に恵まれていることが大会席上に於て立証された、荻野博士は次の如く語った
会長には牛塚市長が再選され、来年は広島で開くことになった会議の中心となったものはやはり水道衛生である、これに就いて最も考えなければならぬのは微菌で、その判定はゼラチン培養基では検水一立方糎中微菌の数百一個以上、又寒天培養基では七十個、これ以上発見された場合は不良飲料水で今後の協議会でも右の数字以上に菌のある都市が名前は云えないが多数あった様である、この百一個と云う数字は独逸のある泉の菌数が一年間平均百一個で、これを標準としたもので、何等科学的根拠がないので、会議でもこの方法を漸次科学的管理法に改めることになった、京城では一年平均僅かに三個で日本一の上水道です、又塩素滅菌を行う場合は水中の遊□塩素を測定し報告することを満州国から提出され化学検水法として協会では協定採用することになったが総督府では一足先に昨年十二月実施している


データ作成:2005.6 神戸大学附属図書館

(追記)日本人て不思議で、内地より外地によりよいものを作るのね。
森繁久彌がNHK満洲支局への転勤を喜んだのは、セントラルヒーティング、水洗トイレつきの社宅が魅力だったから。当時、東京市でさえほぼ100%ポットン便所だった。

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但馬オサム
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