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第19話 ロサンゼルスクラブの日々 スポンサードラッシュ
アメリカから帰ってしばらくすると、
俺達にはスポンサードラッシュが始まった。
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ロサンゼルスクラブローカルズの論史と芳文、駒沢の潮と寿美男には「ライフザビーチ」が、亘には「ジャムス」が、そして俺には米ハンティントンビーチ発の「ローカルボーイズ」がスポンサーに決った。俺には 真剣にスケートボードと向き合ってから夢にまで見たスポンサードだった。本場アメリカのメーカーからのスポンサードとあって、プロとして認められた気がして心底 嬉しかった。
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ロサンゼルスクラブ三軒茶屋店は
国道246号の下り側の駅から徒歩0分のビルの地下1階にあった。
入り口を入ってすぐの右側に受付、左側にズラリとビリヤードテーブルが並び、正面奥がスケートボード用のランプアリーナ、ビリヤードテーブルの左奥にアルコールを提供するBARがあった。
アキさんを筆頭に、生谷さん、川村諭史、江川芳文、長島亘と俺のL.A.Cローカルズの面々も、日夜このランプアリーナでセッションを繰り返していた。
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前列左から 筆者、長島亘
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急成長を遂げる亘は、ハンドプラント、ラップオーバー(スミス)グラインド、リーン・トゥティルはマドンナ、ショーン・ペン、サランラップといったり バリエーションをメイクするまでになっていった。
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若い 亘はロサンゼルスクラブのスタッフ達からもイジられ、愛されるキャラクターになっていて、更衣室に寝泊まりしたり、ランプの修繕などもしていた。
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しかし、やっていることと言えば相変らずバカ丸出しで、ロサンゼルスクラブで滑った後、 亘と論史と俺は祐天寺のチャーリーのアパートで飲み会をした。
少し酔ってくると、ジャンケンで負けた者がシッペを受けるという罰ゲームを始めたのだが、小一時間もすると 全員の両手首がまっ赤に腫れあがってしまったので、もうこれ以上はムリという事で、次にそれぞれが抜いたチ○毛をリッツクラッカーにのせて、ウーロンハイで一気するということになった。論史は「えー?コレ食うのーっ?」 と難色を示していたが、俺は「シャワーも浴びてない から、いい出汁でてるぜ」と言い放っておもむろにそのチ○毛リッツをウーロンハイで飲み下した。バカな皆は「イェーツ!」と歓声をあげると、階下に住むオバチャンから「ウルセエぞ!」と怒鳴られた。
亘はノリノリで「これで明日は盲腸だあー」などと呼び ながら、やはりチ○毛リッツを飲み下した。これはエスカレートして、ムキになってチ○毛を抜くので、リッツの上はまるで 排水口に溜った毛のようになった。さすがに全員ビビッたのだが、ジャンケンに負けたのは俺だったので、潔くく そのリッツも飲み下した。もうチ○毛も抜けなくなると、次にジャンケンに負けたチャーリーは部屋にあった線香花火をリッツと共に一気した。皆、「イエーッ!」と叫んで チャーリーにハイタッチを求めた。明日、クソが気持ちイイぜー」と論史が言うと、チャーリーは「口から硝煙反応が出てるぜ」と言って一同爆笑した。階下のオバサンがまた「ウルセエぞ!」と怒鳴ってきた。
つづく
現在、ボウル造りをしている 亘のカンパニー
https://www.instagram.com/wataru72?igsh=MXJmdm00djhpemZieg%3D%3D
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