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家庭菜園者しか食べられない野菜たち~冬~


<家庭菜園者しか食べられない野菜たち~冬~>

・人参葉

生まれて初めて畑で見た人参は葉っぱだった。
大根とは違って地上部のほとんどが葉っぱの人参は
人参葉を知らない人にはそれが人参だとは気がつかないだろう。

人参葉はうまい。にんじんの苦い味と甘みが葉にも詰まっている。
繊維が強めなのが特徴なので細かく刻んで炒めるか、時間をかけて煮るのがオススメだ。
また、間引いた小さめの人参とともにかき揚げや素揚げにするのも彩が美しく、可愛らしいフォルムで食卓を彩る。
一度、この味を楽しめばアゲハチョウの幼虫がむしゃむしゃ食べる気持ちがよく分かるだろう。

人参はセリ科の野菜なだけあって、噛めば噛むほど独特な香りが口の中に広がる。
馬は人参の赤い根の部分よりも葉の方が好きらしい。
それはそうだろう、彼らは草食動物なのだから。

人参の根の部分を調理するときは葉と繋がる部分、つまり太い方を1~2cmほど残すのがオススメだ。
それを水耕栽培でもいいし、土の中に差し込んでも良い。
そうすればそこからまた側根が伸びてきて、新しい葉が出てくる。
こうして、人参葉は冬の間食べ放題になる。
もともと、この残す部分は固く火が通りにくので調理するよりも人参葉を栽培する方がオススメだ。

・大根葉

人参葉同様、大根葉もうまい。
現代の大根は白くて太い根は基本的に甘いものが多いが、葉は少し辛みが残っている。
大根葉は配送中に色が悪くなってしまったり腐ってしまうことが多いために
スーパーなどには並ぶことはほとんどない。もちろん残留農薬の問題もある。

家庭菜園ならその新鮮な葉っぱをあらゆる料理に活かせる。
こちらも少し繊維が強めなので細かく刻んで炒めて、味噌などと和えるだけで
ご飯のお供にピッタシの一品ができあがる。

もし漬物が好きならこの大根葉を使ってキムチづくりも味わい深い。
また、葉をつけたまま日干しして作る沢庵漬けは大根葉に住み着く乳酸菌の働きも借りるために
一味ふた味もレベルの高い沢庵漬けとなる。
これこそ無農薬の家庭菜園ならではの醍醐味だろう。

この大根葉も人参葉同様、太い方を残しておけばひたすら食べることができるので
ぜひ活用してもらいたい。

また大根葉を干せば、お茶にも入浴剤になる。
特に入浴剤は身体の芯まで温まるので、この時期には最適だ。

・カブの葉

人参、大根ときたらやはり忘れてはならないのがカブの葉だ。
しかし、カブの葉は「食べられる」というよりも「食べるべき」だ。
なぜなら、カブは見た目と違って大根の兄弟ではなく白菜や野沢菜の兄弟なのだ。
つまり、カブの葉は一般的に漬け菜と呼ばれる漬物に最適な葉っぱというわけだ。

もともと、野沢菜などにも利用されていたこともあるために
カブの葉で漬けた漬物も他の漬け菜に負けず劣らず、また深い味わいになる。
それにカブの部分も漬物にも適しているし、煮込んでもうまい。

白菜や野沢菜のような漬け菜のように水分を多く含んでいるので鍋などにも適している。
確かに繊維は漬け菜に比べて固めなので、人参葉や大根葉と同じように調理するのが良い。

また、カブは世界中で食べられてきた歴史を持つ食材なので、
リゾット、パスタやスープなど実はあらゆる料理に合う。
ぜひ、これを機会に多国籍料理にチャレンジしてみてはどうだろうか。

・第二キャベツと菜の花食べ放題菜っ葉

キャベツは収穫時にできるだけ葉を残す

というのはキャベツ農家の教えではなく、家庭菜園家の知恵である。
こうすると実はキャベルは脇目から新しい茎葉が出てきて、小さなキャベツを作ることがある。
だから、家庭菜園家は抜くことは絶対しないし、できるだけ葉を残す。
実はこれを繰り返すとまた小さなキャベツができる。
こうして、芽キャベツのようにキャベツも食べ放題になることがある。

この小さなキャベツはそのまま鍋に入れてしまうのも面白い。
小さいおかげで一度に食べきれるのもありがたい。
ザワークラフトなどにもしやすいし、色付きならピクルスにも見栄えが良い。

が、しかしこれは堆肥や肥料をたくさん使うことが前提なので
自然農法の畑ではせいぜい2つ3つの小さなキャベツで終わってしまう。

しかし、キャベツを殺さずに残しておけば、脇目がいずれ菜の花となる。
そうすれば春先は菜の花がたくさん食べられるようになるので、ぜひ残しておきたい。

白菜もまた、キャベツのように残しておくと菜の花が食べ放題になる。
ブロッコリーも同様だ。
しかし、カリフラワーだけは最初の花蕾を収穫するともう新しい芽が出てこないので
食べたら根元で刈り取ってしまおう。
ただし、カリフラワーの葉や茎も美味しくいただけるので、ぜひ活用してもらいたい。

・葉牡丹

田舎の冬の風物詩であるあの葉牡丹も実はアブラナ科であり、キャベツの仲間だ。
なんと原種はあの健康食材の代名詞であるケール。
ケールが結球したのがキャベツ、茎を肥大化したのがコールラビ、花蕾を食べるのがブロッコリーやカリフラワーとなる。
海外では実は葉牡丹を健康食材として食べるところもあるとか。

実は葉牡丹はキャベツなどの野菜よりも歴史は古く約800年くらい前に輸入され、観賞用として流通した。
つまり花卉栽培である。世界中の野菜の歴史には花卉栽培からはじまるパターンが多い。
この花が少ない季節に田舎では玄関先の花壇やプランターに植えることで彩りを添えてきた。
そんな葉牡丹の食べ方はキャベツとなんら変わらないのだが、やはり固い。
さらに一般的に苗として売られている葉牡丹は食材向けではないので、使用農薬量も多いので気をつけてほしい。

なので、ぜひ緊急時には食べれられることを思い出してほしい。


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