フランスのフードテック・アグリテック
フランスではフードテック・アグリテックが非常に進んでいます。日本でもVCや様々な団体が実施していますが、ほとんどが国内ばかりで、海外では知名度の高いものがほとんどありません。いや、ある!という人もいますが、恐らくほとんどが海外の人のリップサービスで、実際海外の大手企業がガンガン出資したり、企業が連携して、工場を作ったり、大量生産しビジネス化しているものはほとんどないと思います。もし、違うのであれば、ぜひ海外から数百億円、数千億円集めたフードテック・アグリテック日本ベンチャー企業を知りたいです!その場合DMください。
フランスと日本の違い
一体日本とフランスは何が違うのか?それは、政府のサポートやエコシステムにあると想定されます。
1.政府サポート
a) 資金調達:政府は、フードテック・アグリテックスタートアップに対して、研究開発やイノベーションのための助成金や融資を提供しています。例えば、Bpifrance(公的投資銀行)がベンチャーキャピタルや助成金を通じてスタートアップを支援しています。
b) 税制優遇:イノベーションや研究開発に取り組む企業に対して、税制上の優遇措置が提供されています。これにより、企業はイノベーションに投資するインセンティブを受けることができます。
c) 産業クラスター:政府は、フードテック・アグリテックに特化した産業クラスターやイノベーションハブを設立・支援しており、企業や研究機関が連携し、イノベーションを促進できる環境を整備しています。
2.スタートアップエコシステム
a) スタートアップ企業:フランスには多数のフードテック・アグリテックスタートアップが存在し、様々な技術やサービスを開発しています。例えば、インセクトプロテインの生産を行うYnsectや、縦型農業を展開するAgricoolなどが挙げられます。
b) ベンチャーキャピタル:フードテック・アグリテック分野に特化したベンチャーキャピタルが増加しており、スタートアップ企業に資金提供やビジネス支援を行っています。例えば、AgrinnovationやDemeter Venturesなどが活動しています。
c) インキュベーター・アクセラレーター:フードテック・アグリテックスタートアップを支援するインキュベーターやアクセラレータープログラムが展開されており、ビジネス開発や技術革新を促進しています。これらのプログラムは、スタートアップに対してメンターシップ、ネットワーキングの機会、オフィススペース、そして資金調達のサポートを提供しています。フランスで活動するインキュベーターやアクセラレーターには、Station FやToasterLAB、AgTech Acceleratorなどがあります。
d) コラボレーション:フードテック・アグリテック業界では、大手企業や研究機関とスタートアップが連携して技術開発やイノベーションを進めることが一般的です。これにより、スタートアップはリソースや知見を活用し、成長を加速させることができます。また、大手企業はスタートアップとの協業を通じて新たな技術やビジネスモデルを獲得できます。
3.日本との違い
日本にもあるぞ!と思っている方もいるかもしれないのですが、少し弱い気がします。特にぐローバルな人材交流。
a)産学連携の取り組みの規模:フランスでは、産学連携が広範囲にわたり、フードテック・アグリテック分野に特化した多くの共同研究プロジェクトやイノベーション支援プログラムが存在します。一方、日本では産学連携は進んでいますが、フードテック・アグリテックに特化したプロジェクトやプログラムの数はフランスほど多くありません。
b)イノベーション推進の意識:フランスでは、大学や研究機関が積極的にイノベーション推進の役割を担っており、企業との連携が積極的に行われています。日本では、近年産学連携が進んできてはいますが、まだフランスほど緊密な連携が実現していない場合があります。日本の大学や研究機関は、伝統的に研究成果の実用化やイノベーション推進に対する意識が低かったとされていますが、現在は変化が進んでいます。
c)グローバルな人材交流:フランスの大学や研究機関は、留学生や研究者に対する支援が充実しており、国際的な交流が活発です。これにより、フランスのフードテック・アグリテック分野は多様な視点やアイデアが集まり、イノベーションが促進されています。日本でも国際交流が進んでいますが、フランスほど活発ではない場合があります。
これからの日本にとって必要なこと
日本にとって今後重要なことは、フードテック・アグリテック分野でのイノベーション促進とグローバルな人材交流の強化です。政府、企業、研究機関が連携し、新技術開発やスタートアップ支援を積極的に行うことが求められます。また、国際的な視野を持つ人材の育成や留学生・研究者の受け入れを拡大し、多様なアイデアや技術を取り入れることが重要です。具体的には、留学プログラムや研究者交流制度の拡充、外国人留学生・研究者に対する支援の充実、そして外国人が働きやすい環境の整備が必要です。これらの取り組みにより、日本のフードテック・アグリテック業界はグローバルな競争力を高め、持続可能な成長を達成できるのではないかと思っています。
日本は本当に優れた技術力を持っています。それらをグローバルな状態に押し進めていくことが必要なんだと思います。