AMAs2021の、次なる未開の地へ。

昨日、BTSがアジア人として初の「アメリカン・ミュージック・アワード(American Music Awards)2021」の大賞である「今年のアーティスト」(Artist Of The Year)を受賞しました。

私は、音楽や外国の事情に疎いのですが、賞が始まって47年に渡る歴史の中で、アジア人初の大賞受賞という事実で、どれだけの快挙かは伝わります。

BTS「AMAs」で大賞含む3冠受賞「音楽の力と全世界の多くの人々のおかげでここまで来れた」

昨日は、リアルタイムでTwitterの中継を見ていました。

当たり前のように、アメリカやイギリスを中心とした、英語圏のスターたちが登壇する中、BTSへの歓声は桁違い。

まだ、カメラの前に姿を現していないのにも関わらず、黄色い声が近づいてくることで、彼らの動きが手に取るようにわかる。

BTSファンを公言しているインタビュアーが、本物を目前にして、子供のようにはしゃいでいたり、写真を撮る手が震えていたり。

同じように招待された立場であるセレブたちや、その子息たちが、我先にと、こぞってBTSに写真や握手を求めていたり、大賞を自分のことのように歓喜したり。

そこには、ColdplayとBTSがMy Universeで目指した、差別や人種の壁など存在しない、誰もが音楽で輝く一つの星となれる世界が広がっていました。

Butterのパフォーマンスは、あえてファンカムを見て欲しい。私は、すごいモノを見てしまったと、身震いしたくらい。

黄色人種を想像させるイエローの衣装に身を包み、一瞬でステージを掌握し、場を圧倒し、聴衆を高みへと連れて行く。

毎回、絶対的なキングオブステージぶりを発揮しながらも、事あるごとに「俺たちの後ろにはARMYがいる」と、ファンへの感謝を口にし、行動で示してくれる。

この世のヘイトや痛みを、全て引き受けるかのように、「嫌うなら嫌え」と声高に叫び、代弁してくれる。

2019年に、TIMEでパンPDが語ったこと。

パン代表はまた、誠実さと一貫性、時代の精神を具現する能力を、防弾少年団を独歩的な道に導いた要素として挙げた。
彼は「防弾少年団は、現代が感じる痛みに対して訴えることを躊躇しない。多様性や正義そして青年たちと疎外された人々の権利を尊重することが、彼らに有利に作用したと考えている」と明かした。
続いて「防弾少年団は、デビュー以来、突然速度を上げたり、方向転換をしたりしたことがない。それが大衆を納得させることができた」と分析した。

いつもリーダーのRMは、自分の出自を隠すことも、卑下することもせずに。音楽への愛でつながった7人だと、照れ臭そうにしながらも、どこか誇らしげで。

北米市場に挑戦する側ではなく、牽引する側になった今でも、自分たちのことを韓国の小さな街で育ち、夢を追ってソウルに上京した、7人の少年たちと紹介する。

BTSの曲や歌詞やパフォーマンスが、言語を越えてこんなにも心を打つのは、彼らは恋人や第三者や、存在しない架空の誰かではなく、「私」にメッセージを送っているからだ。

借り物の言葉ではなく、内から生まれる想いを、声に代えて「私」に届ける彼らの未踏の現在地は、もはや必然。

コロナが蔓延している間に、BTSに共鳴した「私」が、こんなにもいたなんて。

しかも有観客で見せるButterが、これが初だなんて。音楽の神様は、粋な計らいをしてくれますね。

私は、歴史が変わる潮目に生きる証人でもあり、賛同者でもある。彼らには、マイノリティの伴走者として、もっと幸せの輪を広げて欲しい。

BTSのおかげで、暗闇から救われて、明日への生きる力が湧く人がいるのなら。

まだ見ぬ「私」が待つ、未開の地を開拓して欲しい。

私も、彼らの翼でどこまで行けるか、一緒に見届けたい。彼らが空を飛び回る様子を、一緒に見届けたい。

今は、その一心です。

つづく。

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