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#津村記久子
この世にたやすい仕事はない。
多忙な文章を扱う職場を辞め、「一日コラーゲンの抽出を見守る仕事」を求めて職安に相談した筈が、隠しカメラを使った家主の監視の仕事をする事になった私。平穏で重圧なく私生活にも影響を及ぼさずとにかく簡単な仕事…そんなものは存在するのだろうか。
脱力系なお仕事小説かと思いきや、ふざけつつも根が真面目で他人に流されやすくも正義感は持っている、そんな主人公が不思議な事件に巻き込まれそうになる話。サスペンスあ
ディス・イズ・ザ・ディ。
国内サッカーの2部リーグの最終節を舞台にそれぞれのサポーター達の日常をオムニバスに描いた短編集。ピッチの中にも外にも物語は転がっている。ありそうなチーム名とありそうなロゴマークを眺めながら架空の最終節を妄想するだけで楽しいが、22チームそれぞれに事情がある、という話。
今風に言うのならば「推し」がいるだけで生活が豊かになるという事だろうか。勝っても負けても最終的にポジティブになれるのが「推し」の
ワーカーズ・ダイジェスト。
ワーカーズ・ダイジェスト:日々の仕事に追われる奈加子と重信。名字と生年月日が同じ事以外一切接点の無い二人は一度会ったきり、それぞれの人生を過ごしていく、という話。
オノウエさんの不在:職場の恩人のオノウエさんが支所で干されているという噂を聞きつけて、その真相をつかもうと奮闘する三人の男女の話。
すれ違いとか偶然とか伏線回収とかいちいち面倒くさくなる繋がり小説。リアリティとおとぎ話のちょうど境目の