無機質に走り続けていた、誰かに敷かれたレールの上
小さい頃から、私は年上の人の方が好きだった。
大きい人に囲まれていつも上ばかり見ていた。
自分という景色のすぐそこにある、こころすら見えていなかった。
4歳上のお姉ちゃんがいたから尚更に、親戚に会っても、どこへ行ってもお姉ちゃんの後ろに隠れていた。とりわけ何かを意見するわけでもなく、聞かれた質問にも答える必要もないくらい、お姉ちゃんが全部代わりに説明してくれていた。私はただ、顔だけ出しているような無口な子でいてもそう不思議には思われなかった。それでも、年上の方々と一緒に