才能の宝石箱!大陸俳優「張新成」のすさまじい演技力
スポーツで一流のアスリートのプレーを見ていると感じることはないだろうか。
「ものすごい才能に恵まれて、ものすごい努力をしてきたんだろうな」と。
最近、ある俳優のドラマを見て、同じようなことを思った。
「天才と努力の組み合わせって無敵だな」と。
彼は「張新成」という26歳の中国人俳優だ。
「チョウシンセイ」という人もいるし「チャンシンチョン」という人もいるし「steven zhang」「zhang xincheng」という人もいるし、いったいどの名前で呼んだらいいのかわからないが、ここでは「張新成」とつづる。
踊り、歌い、曲を作り、ピアノやギターを弾き、英語も標準中国語も方言も流暢に話すという多才な彼は、とにかく演技の表現力が抜きんでている。
繊細な目の動き、片眉の角度、にぎりしめたこぶしの血管1本から刹那の感情がにじみ出る。演技をしていると思えないほど役に自然に溶け込み、「神は細部に宿る」を体現しているかのよう。
血のつながりのない家族をテーマとし、去年大ヒットした『家族の名において』では、孤独な彼が泣くと、私も泣いた。
今年の夏に配信された『the day of becoming you(タイトル直訳:君になった日)』では、3つの人格を見事に演じ分け、笑いと癒しをくれた。
『Symphony's Romance』(中華版『のだめカンタービレ』)ではピアノ演奏や指揮に挑み、『skate into love』ではアイスホッケー選手の花形選手になり、『The justice』(光芒)では貧乏な環境からのしあがった敏腕ビジネスマンになったりと、話題のドラマに立て続けに出演している。
見比べると、役ごとに目の開き方や立ち振る舞い、重心の置き方を変えているし、顔の角度やクセも変えている。
役に憑依し、視聴者を物語に没入させる吸引力を持つ。
演技だけでなく、楽器も言語も踊りも巧みに表現する彼は、真似する対象を観察して再現する力が異常に高いように思う。加えて、役の理解度と感情移入の幅の広さが卓抜している。
きっと、観察と真似を繰り返しているうちに、自分自身で無限パターンの演技を生み出せるようになってきているんだろうな……と想像する。それにしても、これだけ忙しくてアウトプットばかりしているだろうに、いつインプットしているんだろうか。
今後、人気ドラマ『陳情令』と同じ原作者のブロマンスドラマや東野圭吾原作の『回廊亭の殺人』の主役ドラマ放送などを控えているが、どんな仕上がりになっているのか、今から楽しみで仕方がない。検閲で引っかかったりせずにどうか無事に放送されて欲しい。