【中国ドラマ】人気ドラマ続編『長相思2』が切なすぎた
2023年の夏、アジア圏を中心に大人気ドラマとなった古装ファンタジーロマンスの『長相思(1季)』。
女主に思いを寄せる4人のキャラクターがそれぞれに魅力的で、「どのキャラが好きかで、恋愛観を占えるのではないか」と、書いたことがある。
女主に思いを寄せる人たちを振り返ると…
国と家のために打算的な結婚をしても、ずっと女主を思い続ける男主1
女主しか愛せないのに、家族にだまされて政略結婚させられる男主2
冷酷を装いながら、自らの命を削って女主をサポートする男主3
ひと目見て、女主にビビッときた無邪気な男主4(3人に比べて存在感薄め)
第1季はこんな4人がモテモテ女主を巡って繰り広げるドラマがおもしろかった。
1季の配信から1年後。7月初旬に動画配信の『We TV』などで第2季が配信された。
美しい映像世界の中で、複雑に絡まった愛と憎しみが丁寧に描かれる。
愛憎が絡みに絡んで迎えた18~19話。
主役2人(女主と男主1)の演技は、圧巻。「鬼気迫る」という表現以外に適した言葉が見当たらないほど、本気の演技のぶつかり合いをしていた。
一方、残念な点もある。
1つめはやはり「1季と2季の期間が開きすぎ問題」である。
中国の国家ラジオテレビ総局が2部構成のドラマの新しい規定を作ったことで、期間が開いてしまったと言われているが、1年経てば、感慨も薄れる。
1季の最終回で「えっ…こんなところで終わるの!?」と面食らったときが「続きを見たい」気持ちのピークだった。
人気ドラマとはいえ、シーズン1ほど話題にならなかったのは、視聴者の「続きが見たい!」の気持ちが冷却してしまったことにも起因すると思う。中国最大のレビューサイト『douban』では、第1季と比べて2季はずいぶん評価を下げていた。
そして、1季と同様に報われない愛がずっと続くと、視聴者もさすがにつらくなってくる。
男1(キャスト:張晩意/チャン・ワンイー)は、もう何十話にもわたって狂おしいまでの情熱を含んだ目で女主を見つめ続けているのだが、女主は全く気づかずに、無邪気な上目遣いで男主を見つめ続ける。
対して、必死で暴走しそうな感情を抑制する男主1……の絵面が続くと、鈍感すぎる女主にイライラしてくる。
さらに気の毒なことに、男性キャラの中でスクリーンタイムが最も長かった男主1(張晩意)は、理性で愛の暴走を抑圧し続けたにも関わらず、人気投票では、トップ人気の男主3の九頭鬼(キャスト:檀健次/タン・ジェンツー)に票数で8倍くらいの差をつけられていた。あんなにがんばっていたのに。
男主1のキャラによるところが大きいと思われるが、ひどく気の毒であった。
一方、ぶっちぎりで視聴者人気ナンバーワンだった男主3(檀健次)もドラマの中では報われない。劇中でひっそり女主に尽くしてきたのだが、女主はほとんど気づかない。
そもそも、英語のタイトル(lost you foever 邦訳:あなたを永遠に失って)自体がネタバレなので、ここで言及してもいいと思うが、このドラマでは1季・2季通した全50話以上にわたって、登場人物の報われない愛に軸が置かれる。
登場人物たちがあまりに報われないため、だんだんとハッピーなシーンに飢えてくる。
そんな思いを汲むかのように、『長相思』完結の余韻冷めやらぬ中、男主1(張晩意)が主役の『柳舟記』(We TVで配信)、男主3(檀健次)が主役の『四方館』(iQIYIで配信)が配信されている。
どちらのドラマでも、2人の幸せそうな笑顔が見られる。
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