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カップル間の価値観の違いをあぶり出す「イーロンマスク」というテーマ


アメリカのラブコメ『Girls』の中に、本気の恋が始まりそうな相手が、自分とは異なる大統領候補を支持していたために、ドン引きして別れる場面がある。

このシーンを思い出したのには、理由がある。

「イーロンマスクの話題を巡ってパートナーと口論をした」


と最近、友人が言っていたからだ。
 
今「イーロンマスク」という存在に対する感情は、二分されているように思う。
 
例えば、この数日間のツイッター社の動向に関するニュースサイトの反響を見てみると、イーロンマスクの行動に対するコメントの内容が割れている。受容派と否定派の声をかいつまんで紹介する。

【受容派】

・イーロンマスクのやり方は、外資系では普通

・容易に解雇できるから労働市場に流動性が生まれている。ひるがえって日本では…(以下、日本の悪口が続く)

・イーロンマスクは、必要な社員を残すために不要な社員をふるいにかけているだけだ。その後立て直す予定なのだ

・なんだかんだ言って、彼はやり手

【否定派】

・資本家として、ツイッター社をもてあそんでいるだけ。労働者へのリスペクトがまるでない

・これまでTwitterが純粋に好きだったのに、今後の行く末が不安

・労働環境が悪化して社員が激務を強いられたら気の毒

・EVに専念してればいいのに

みたいな感じ。
 
一方、英語圏のコメントもさまざまだ。一部の要旨を紹介する。

【受容派(英語圏の声)】

・イーロンよくやった。これで偽善的なリベラルに打撃を与えられる

・左派が右往左往しているのも、彼の計算のうち

・むしろ今まで、社員が多すぎた。すべての社員は代替可能だ

【否定派(英語圏の声)】

・こんな待遇ではもう優秀なIT人材は集まらない

・Twitterは終わった。Twitterの言論空間はどんどん不健全になっていくだろう

・イーロンは見当違いな方向に突っ走ってる 

などなど。
  
これらの声を分解していくと、じつに多くの問題を内包しているように思う。

  • 言論の自由とは

  • 労使問題

  • 労働者として所属先にどの程度コミットするべきか

  • 経営者は労働者の生活にどこまでコミット可能なのか

  • 人にとって「成功」とは何か

  • 利他とは何か

  • 理想の経営者像とは

  • 社員の幸せと良い商品は結びついているのか 

イーロンマスクの話題を扱うと、必然的に個々の考え方・価値観が異なりやすい領域に触れることになる。
 
というわけで、断言する。
 
付き合いたてのカップルは、イーロンの話題、取り扱い注意。


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