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藤井風『Tiny Desk Concerts JAPAN』コメント欄の「世界は1つ」感がすごい

3月にNHKで放映された藤井風の『Tiny Desk Concerts JAPAN』のライブ映像が、本家NPR MusicのYoutubeチャンネルにアップされた。

 内容の素晴らしさは、たくさんの評論家が語ってくださっていると思うので、動画のコメント欄の話をしたい。
 
コメント欄をスクロールしてみると、多言語でコメントが書き込まれている。
 
内容は、称賛、多幸感、感動、傑作を目の当たりにした驚き、私と藤井風、発見した興奮、過去の記憶など。
 
別々の文化圏に住んでいる人たちが「同じような感慨」を共有している。
 
本編には英語字幕がついているのだが、英語と日本語がわからない人も言葉以外の“何か”で心を動かされていることが伝わってくる。
 
目に入った英語の名コメントがこちら。

「藤井風を聴いたら、エルヴィスやビートルズをリアルタイムで聞いていた人が当時何を感じたのかわかったような気がする」

「4月の晴れた日の空に風で桜が舞っているような雰囲気だ」

「世界中に愛の種をまいてくれてありがとう。みんなの胸に優しい花が咲き始めるね」

初めて藤井風を知った人のコメントには「自分は今までなぜ彼を知らなかったんだ」「今日からファンになった」と絶賛するコメントが目立つ。

中には、こんなコメントも。

「このグループのことを知らなかったけど、もっとチェックしたい。バンドのサウンドとリーダーの人柄が好き」

初めて見た人は、バンドだと思っている人もいたようだ。

藤井風は、音楽を媒介に感慨をつなぐ。

歌詞が伝わらなければ声で、音で、表情で、指で、踊りで、仲間と合わせる視線で、ハーモニーで、内からにじみでる“何か”で伝える。

その伝え方は独りよがりではなく、たくさんの「私」にダイレクトに響く。
「私」に伝わるまでに、文化や言語、宗教の壁があろうと、風のようにさらりと越えていく。

過去に「誰かがちょっといい気分で人生を送れたりするために音楽やっとるようなもんなんで」と語った藤井風は今、言葉も文化も越えて、「ちょっといい気分」も「ものすごくいい気分」もそよ風のように運ぶ。


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