【中国ドラマ】大陸の異才・張新成にキュンキュンが止まらない!ラブコメオタクが全力で推す「2021年ベストラブコメ」
昨年も、国内外の新・旧・海外・国内のラブコメをたくさん視聴した。
ラブコメオタクの私が選ぶ2021年ベストラブコメドラマは、中国の『変成你的那一天(The day of becoming you/直訳:君になった日)』である。
■2021年のベストラブコメ『変成你的那一天(The day of becoming you)』とは?
『The day of becoming you』は、男女の人格が入れ替わるというラブコメ界のド定番の設定。
だが、数ある男女入れ替わりモノの中でも金字塔だと断言できる。
2話の途中まで「うんうん、またこのパターンね…」と思いながら見ていたら、俳優の演技、脚本、演出、BGMにグイグイ引き込まれ、序盤は笑い、中盤はニヤニヤしまくり、後半は泣いた。
■あらすじと登場人物は?
さて、登場人物とストーリーはこんな感じ。
男性主人公(キャスト:張新成)は、超人気アーティスト。
豊かな才能が認められ、芸能界で成功しているが、幼少期は金にだらしない父親とキャリア重視の母親が自分の世話を巡って争う日常を過ごし、「素の自分は誰も愛してくれない」という思いをひそかにいだく。ファンとの交流では「塩対応」のキャラが定着。
常に自分の「ルーティン」を大切にし、自宅では何年もかけて手のひらになじませたクルミを手の中でゴロゴロと転がしながら精神統一をするようなこだわりの強い男性だ。
一方の女性の主人公(キャスト:梁洁)は、webコンテンツのエンタメ記者。
仕事熱心で文化・芸能を深掘りするような良質なコンテンツ作りに熱意を燃やす。とはいえ、インタビュー相手の芸能人から浴びる眼差しは「人のゴシップで飯を食いやがって」という感じでとても厳しい。
そんな2人が取材後のエレベーター事故で心が入れ替わってしまう。
その後、それぞれの職場で苦労をしながら、互いに抱いていた色眼鏡を少しずつ外していく場面が印象的。
特に秀逸だったのは、男女が入れ替わっているときに、女性のからだに生理が訪れた回(第13話)だ。
男性主人公(入れ替わって体は女性)は女性の体に慣れてきたものの、生理についての知識はほとんどない。良かれと思って真っ白な勝負服を着て出勤した日、なんだか体調がすぐれない。生理がきたことに無自覚で、白い服を真っ赤な経血で汚し、男性の同僚にバレるという失態をおかす。
とてもコミカルなシーンなのだが、他者にあまり期待せずに生きてきた彼にとって、自分以外の人が人知れず抱える痛みと向き合う1つのきっかけにもなっている。
■サブテーマ「“推す”ってなんだ」が深い
前半はニヤニヤとクスクスが続き、2人が恋愛関係となってからは幸せなシーンが多いが、物語の後半はつらい展開も訪れる。
特に、2人の関係性が世間にバレてからの“ネットリンチ”の構図はとてもリアルで怖い。ファンの「推し」への愛が暴走して、女性主人公の個人情報はネット空間に拡散される。これは、リアルな社会でもよく見られる構図だ。
もはや、このドラマはただのラブコメディじゃない。「推し」ってなんだ?「“推し”の幸せを願うってなんだ?」というところまで、考えさせられる奥深いドラマなのだ。
中国のラブコメははっきり言ってワンパターンなのだが、ありふれた設定でここまでのクオリティを実現できる俳優陣と脚本家には脱帽!……と思ったら、脚本家は名作『家族の名において』も手掛けていた。あのドラマは、2020年で最もハマったドラマの1つだった。
■「芸の天才」張新成だからこそできたこと
男女入れ替わりモノは、80年代「おれがあいつであいつがおれで」という日本の児童文学の原作映画がヒットして以来、あちこちでリメイクされたりオマージュされたりして、アジア圏でも数多くのドラマが生まれている。
使い古された出がらしのようなテーマであるからこそ、こうしたドラマはとにかく脚本の質や俳優の演技力が試される。
だが、
このドラマの主役・張新成(チャンシンチョン)は、大陸の名だたる芸術大学に軒並み合格した芸術の天才なのだ。
日本のオータニさん、韓国のソンフンミン、中国のチャンシンチョンといったところである。
演技も語学も素晴らしいのだが、新春の京劇を見て、ぶったまげた。
私は配信アプリで中国語を直訳した変な英語字幕で視聴したが、ちゃんとした和訳で見たい。どうか日本でも配信されますように。
【配信】
IQIYI(ドラマ配信アプリ)