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【日本ドラマ】『わかっていても』の国内外レビューを観察して感じたこと
NetflixやAbema TVで『わかっていても shapes of love』が配信中。
韓国版の『わかっていても』をリメイクしたドラマだが、国内外のレビューを比較すると、興味深い事象が見られる。
海外のレビューよりも日本国内のレビューのほうが辛口の傾向が見られるのだ。
まず、日本のレビューサイト『filmark』日本語のレビューを見てみる。
12月27日現在、日本版の『わかっていても shapes of love』は5点満点中3.4。韓国版は3.9。
レビューを見ると、いかに韓国版のほうが優れているのかを書き込んでいるケースが目立つ。演出や俳優の演技など、それぞれの観点から辛口レビューを書き込んでいる人もいる。
続いて、海外のレビューをのぞいてみる。
アジア圏のドラマのレビューサイト『My dramalist』では、日本版の『わかっていても shapes of love』は12月25日現在10点中7.7。韓国版の『わかっていても』は7.4。
韓国語版はアジア圏でヒットしたので、現時点では総視聴者数に大きな差がある。しかし、現時点では日本版の評価はそこまで悪くないのだ。
410件の英語レビューを見ると、好意的な評価も書きこまれている。
主演の横浜流星の容姿や演技をほめたたえるレビューが目立つほか、ドラマの雰囲気や芸術の現場の描写がまあまあ好評なのである。
韓国版を懐古するコメントもあるが、「日本版のほうが好き」という声もある。
一方、アメリカのレビューサイト『IMDb』では、日本版の『わかっていても』のレビューは2件と少ない。そのうちの1件の「韓国版ほうがいい」というレビューを読みこむと、内容というよりも女主のマッシュルームカットが気に入らないという点を熱弁しているものだった。
というわけで、日本版の『わかっていても』をのぞいてみた。
横浜流星が、こんな男と付き合ったらダメだと「わかっていても」吸い寄せられるような危険な魅力を惜しみなく発揮している。
ただ、男主が学生ではなく指導者に設定変更にされていることに違和感があるし、女主は、有毒な恋愛関係に捕らわれた小動物のようでちょっと心もとない。しかし、振り返ると韓国版もツッコミどころはそれなりにあったのだ。そこまで質の格差があるとは思えない。
国内外の評価の逆転現象から、1つ仮説をたててみた。
ドラマの世界に没入するときに、視聴者と別の言語で異なるカルチャー「だからこそ」、のめりこめるケースもあるのではないか、と。
例えば、字幕で海外ドラマを見て、時代考証や若者の空気感、言葉の使いまわし、演技の巧拙がノイズにならないからこそ、没入できるケースもあるだろう。視聴者と同じ言語で、同じカルチャーのコンテンツを見る場合、欠点のほうが目についてしまうこともある。
『わかっていても shapes of love』のケースは、視聴者の基準が韓国版に固定化されている場合に、日韓のドラマの差異がノイズとなり、比較せずにはいられなくなったと思われる。。
ドラマはまもなく最終回だが、完結後のレビューもウォッチしてみたい