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中国人が見た日本:3つの姫神を祀る宗像大社(2)

本殿の左右と後方には、22の小型の神殿があり(中国では側殿、偏殿に相当?) それらは「摂末社」と呼ばれ、121の神様を祀っている。

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すべての神々が単独の部屋を持っていたわけではなく、多くの神々が一緒に暮らさなければならなかったようだ。

市杵島姫神が祀られているのは辺津宮だが、「主神」と呼ぶのは適切ではないように思われる。なぜなら、市杵島姫神の地位は摂末社に祀られている神々と比較して決して高いわけではないからだ。摂末社の中には、イザナギやイザナミといった格式の低くない神々も祀られている。

さらに、ことなる摂末社に、同じ神、もしくは異なる神が祀られているということでは、例でいうと宇生神社や二柱神社もイザナギとイザナミの2神を祀っており、少し奇妙な感じもある。

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最も興味深いのは、22の小型神殿のうち、「仮宮」と呼ばれる、一部の神様を臨時設置した宮があることだ。 仮宮前の看板には「現在、正三位神社、和加神社…など、大神常住の神社で工事が行われているため、こちらに仮遷座しています」という看板がある。 これは極めて「人道的」な対応だ。

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家が古くなれば修理しなければならないし、修理期間中に住めなくなっても路上で寝るわけにはいかないので、仮住まいを探さなければならない。この説明から、仮宮の目的は明らかであろう。

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本堂の左手には樹木に覆われた「高宮参道」があり、「第二の宮」「第三の宮」へと続いている。

もともと、沖ノ島の沖津宮の田心姫神と、大島の中津宮の湍津姫神は、自分たちが守る島が陸から遠く離れていると感じ、本宮の辺津宮を第一宮とし、第二宮、第三宮に「副霊」を設置したのだそうだ。

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これにより、参拝者は島まで行かずとも、ここで三社に参拝すれば、三ヶ所にある宗像三宮に参拝したことになるのだ。これもまた、「3 in 1」という人道的な措置である。

日本では、元旦の早朝に3つの異なる神社にお参りする習慣がある。 元旦に辺津宮に参拝することで、他の神社に参拝せずとも「1ヶ所で完結する」ことができるだろうか。 (完)

【出典】https://www.toutiao.com/article/7098467284628406819/
【翻訳】松本忠之

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