才能開花に重要な「メンターとサポーター」の存在
成功者、そう言われる人は必ずメンターと呼ばれる人を持っています。
メンターとは「指導者」とか「助言者」を意味する言葉ですが、教師やコーチの枠を超えた精神面でも傾倒できる師匠のような存在とも言えます。
精神面では、もう一つ、自分のことを信じて、心から応援をしてくれるサポーターの存在も大きな要因となります。
「信じることのできる人」と「信じ続けてくれる人」
二つの存在が、才能を伸ばす支えになります。
ビリギャルから見るメンター、サポーターの存在
「才能の正体」という本があります。
著者は映画にもなった「ビリギャル」を書かれた坪田信貴さん。
坪田さんは、心理学を使った手法で生徒に寄り添い、偏差値の低い生徒の力を引き出し、脅威的に偏差値を上げる指導を行う「坪田塾」の塾長です。
「ビリギャル」は、学年ビリの女子高生の偏差値を1年間で40も引き上げ、慶応大学に現役合格するノンフィクションストーリーです。
「才能の正体」では偏差値40以下のビリギャルが慶應に現役合格する才能の正体と伸ばし方が理論的に書かれています。
坪田さんの才能に対する大前提は、才能は誰にでもあるということ。
だから元々地頭がいいという特別な才能は全否定されています。
持っている才能を伸ばすための正しい努力をするか、しないか、その違いがあるだけなのです。
才能の正体
「認知」「情動」「欲求」
坪田流では才能を因数分解するとこのように表現できるとしています。
例えば、全く解らなかったことが、この方法でやってみたら理解できた、これが「認知」
理解できたことの嬉しさ、喜びを「情動」
そした、この方法で慶應に行きたいという「欲求」
ここに、特別な才能だとか、地頭の良さというものは存在しない。
大切なのは、繰り替えし続ける動機づけがあるかないか、の問題だと言い切っています。
この、動機づけをいかに行うか、坪田塾ではここを徹底的にサポートしていく。
単に教える、問題を解くのではなく、「認知」「情動」「欲求」のループを目的到達まで根気よく続けさせるのだそうです。
ですから、慶應に入学する学力が才能なら、誰にでもその芽は持っていると説いています。
信じることのできる人がいる
「やればできる」という言葉を坪田塾では使いません。「できなければやらない」という諦めを誘引する言葉だからだそうです。
なぜできなかったのだろう?原因を探ることは大事ですが、継続のためには”Why?”を前提にした思考よりも、”how”を前提にした「やれば伸びる」という過程を楽しむメンタルを鍛えるべきなのです。
正しい努力を継続させる、それがメンターの役割
父親に反抗し、グレて遊び呆けて、「聖徳太子」を「せいとくタコ」とよび、学年最下位の成績。
お前が慶應に受かるなら、校庭を逆立ちして1周してやるよと学校の教師にも見放されていた非行少女。
坪田さんは、そんな初対面の彼女に、「君、面白いね!東大に行かない?クールなイケメンがたくさんいるよ」と声をかけます。
目標は慶應に変わったようですが、基礎の基礎から考動させ、やれば伸びる喜びを実感させ続けました。
信じてくれる人がいる
ビリギャルが1年間坪田さんを信じて頑張れたのはもう一人の存在があります。
それは彼女のお母さん。
坪田氏の存在を見つけて、彼女をひき合わせました。
お前が慶應に行く?馬鹿なことを言うな!学校の先生同様に鼻で笑って、塾に通うお金は出さない夫
結婚指輪を売って教育費を捻出しました。
頭が悪い娘だと、学校からも、夫からも、世間からもそう思われている自分の娘、この娘は必ず努力を続ける、そう信じたのです。
いつも自分の味方になる存在がいる、人は自分だけのためにガンバルよりも、信じてくれる人の存在を感じる方が踏ん張りが効くのです。
母親の存在無くして、この偉業はなしえなかったでしょう。
母親には子供に対する愛があるものです、しかしその表現の仕方は人によって違います。
父親同様、馬鹿なことを言って、挫折をするに決まっている。そうなれば更に自暴自棄になるに決まっている。どうせなら茶道でも習わそう!
これだって、母親の愛です。
大きな違いは、自分の尺度で娘を見ている点、愛はあるが信じてはいないのではないでしょうか。
才能を育てる組織の作りかた
「才能の正体」という本には、生徒の成績を伸ばし方、を人にあてて書かれていますが。もう一点組織の作り方についても触れられています。
坪田氏は。塾を立ち上げるときに15名の社員を採用しました。
教えるための最低限の能力と犯罪につながるものでない限り、できるだけ普通では絶対に採用しない特異な人、変わった才能を感じる人ばかりを集め、尖った集団にすると決めていたそうです。
・元特殊部隊のスナイパーを辞めて塾講師アルバイトで食いつなぐ36歳の男性
・世界中の危険地帯を旅しながら、生死に関わる冒険をつづける37歳の男性
・猫背で、ボソボソと喋り、何を言っているのかわからない女性
・生涯で一冊の本を読み続け、それ以外は読書経験のない男性
彼らをまとめて、組織の中でその才能を最大限に伸ばす、壮大な実験が創業の目的でもあったのだそうです
この中で納得だったのが、組織としても才能を発揮するために、クレドを徹底的に理解するというものでした。
クレドとは「企業活動が拠り所とする価値観・行動規範を簡潔に表した言葉」のことです。
簡単に言えば、企業の共通の目的というものでしょうか、ここまではありきらりですね。
坪田氏がこだわるのは「徹底的に同じ」ということです。
会社の目的を聞くと、多くの会社の社員はそれぞれの会社の社訓や社是に従って、大体同じことを答えます。
しかし、これでは組織は一体にならない、
「大体同じ」ではなく必ず「同じ」でなければならないのです。
下記は坪田塾のクレドです
社員全員が1ミリのズレなく全く同じ意味で、文章
を、そして言葉の一つ一つの定義まで共有させるのだそうです。
・「塾生」とは誰のことか
・「可能性を見出す」とはどういう意味なのか
・「最高の教育環境」とはどういう状態
・「世界を築き上げていく人材」とはなどんな人のことを指すのか
組織を伸ばしてゆくことは、先に挙げた個人の才能を伸ばす方法とおなじだと気づきます。
個性的な社員それぞれの才能、目的を到達するためには、過程を大事にする、同じ思いを持って、それぞれの才能を使っていく。
マニュアルで統制する組織づくりでは彼らは型にはまりません、そういう人たちを集めたのですから
尖った個性を生かしながら、目的を到達できる集団にしていくための最良な方法が、思いの絶対共有なのです。
その後の、坪田塾は着実に教室の数を増やし、現在首都圏、東海エリア、関西エリアで20教室にまで拡大、また坪田氏は吉本興業の社外取締役に就任するなど、独自の経営能力を買われれています。
組織マネジメントを考える上でも、この考え方は役に立つことが実証されたと言えるでしょう。
組織にとっては、共通の方向性を示すクレド、指南書と解釈すればメンターの役割を持つのではないかと思います。
夢を成し遂げたいなら二人の人を見つける「メンター」と「サポーター」
前者は自分が進む道を照らしてくれます。その人を信じて、道を歩きつづける。
後者は、迷いが生じた自分を信じて肩を押してくれます。
この二人を見つける方法はただ一つ、それは自分自身が本気になるしかないのではないでしょうか
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