献血は60代でも手軽にできる社会貢献
60代でも手軽にできる社会貢献活動として献血がある。
医療の高度化、高齢者の増加、血液製剤の多様化など血液需要は増加傾向にある反面、少子化や若年層における献血意識の低下により、献血量は横ばいから緩やかに減少傾向にあります。
献血を行うことのできる 方はいくつかの条件がありますが、健康であるのなら積極的に参加をする価値のある行動です。
今回は、献血の実態と、社会的貢献と個人的なメリットについてお伝えします。一人でも多くの方の協力が得られれば幸いです。
献血による血液需要と課題
1、医療の進歩による血液需要の増加
先に述べた通り、血液需要は高まっています、その理由をいくつか挙げてみましょう
1)手術技術の進歩
医療技術の進歩により、以前は困難とされていた大規模な手術が行われるようになりました。移植手術や心臓手術、大規模な腫瘍の切除手術など、多量の出血が予想される手術では、輸血が必要となります。
2)高齢者の手術増加
高齢化が進んでおり、高齢者が受ける手術の数も増加しています。 高齢者は若い人よりも出血や貧血のリスクが高く、その結果、輸血の必要性も高まる可能性があります。
3)救急医療の発展
交通事故や大規模災害などの緊急時の対応能力が向上し、多くの命を救うための迅速な医療行為が急増しました。これにより、緊急輸血の需要も増加しています。
4)輸血の安全性の向上
輸血の安全性が高まることで、かつてはリスクを避けるために避けられていた輸血が、より頻繁に行われるようになりました。
これらの課題により、医療の進歩とともに輸血の必要性は増加する傾向にあります。そして、これは、今後我々がその対象者となる確率も以前に増して高くなっていることを表します。
2、献血者の減少と今後の課題
少子高齢化による人口の減少は今後ますます血液の供給量が不足を加速します。先に述べたように、後期高齢者の数は増える一方で、70際をこえた高齢者からの供給は望めません。
年金問題と同じく、少ない現役世代に負担をかけるいびつな構造となっています。
図1
この図からもわかるように、20代、30代が中心であった献血が、徐々に高齢化しており、今では50代、60代が中心に変わってきています。
この先ますます献血の量が減少するであろうことが明確になってきています。
3、血液の保存期間は限られている
献血された血液は、その成分によって保存期間が異なります。以下は一般的な血液製品の保存可能期間です
1)全血及び赤血球製剤
約3~4週間。この期間を過ぎると、赤血球の品質が低下し、輸血に適さなくなる可能性があります。
2)血漿製剤(けっせい)
凍結保存することで、1年間程度保存することができます。
3)血小板製剤
約4~5日間。血小板は非常に短い期間しか保存できませんので、定期的な供給が必要です。
4)白血球製剤
保存はされず、採取後すぐに使用されるのが一般的です。
このような保存期間の違いからも分かるように、献血は一度だけではなく、定期的に行われることが求められます。
特に血小板などの非常に短期間しか保存できない製品については、継続的な献血が重要となります。
4,血液製剤の多様性について
上記でも触れましたが、血液は、赤血球、血小板、血漿などに分けられ、血液製剤として、それぞれ異なる治療に用いられます。このため、多くの人々からの献血が必要とされる。
血液製剤は、献血された血液を特定の成分に分離・精製したもので、患者の治療に必要な成分だけを正しく提供することができます。その多様性や変化については、以下のように考えることができます。
1)全血
これは、献血された血液をそのまま輸血する方法で、現在はあまり一般的ではありません。
2)赤血球製剤
赤血球は酸素を組織に運ぶ役割があり、貧血の治療や大量出血の際に使用されます。この製剤は、血液を遠心分離して血漿を取り除き、赤血球の濃度を高めて製造されます。
3)血漿製剤
血漿は、栄養素やホルモン、廃棄物の輸送や免疫応答、血液の凝固などの重要な役割を果たします。血漿製剤は、特定の血液疾患や大量出血、凝固障害の治療に使用されることがあります。
4)血小板製剤
血小板は、血液の凝固や止血の役割を果たします。血小板製剤は、血小板減少症や一部のがん治療において使用されます。
5)凝固因子製剤
凝固因子の不足や異常が原因で起こる出血傾向の治療に使用される製剤で、例えば、血友病の治療に用いられます。
6)免疫グロブリン製剤
免疫グロブリンは、体を病原体から守る役割があります。この製剤は、免疫不全や一部の感染症、自己免疫疾患の治療に用いられます。
以上のように、技術の進歩、多様な用途の広がりによって血液の需要は高丸ばかりですが、血液の長期保存の技術は未だ現実的ではなく、供給者の減少を辿っており、大きな課題を抱えています。
献血を行うことによる社会貢献とメリット
上記で挙げたように、献血の重要性が高まるなかで、積極的に献血をおこなうことは大きな社会的貢献になります。
いくつかの条件はありますが、基本的に健康であれば70歳の誕生日を迎えるまで献血は可能です。
ただし、現在65歳以上の方は、60歳から64歳までの間に一回でも献血の経験がなければ献血はできませんのでご注意ください。
60代でもできる社会貢献献血のメリット
1) あなたの血液が誰かの命を繋ぐ
医療技術の発達により、献血された血液は全血または、さまざまな血液製剤としてより安全に、高い成功率で誰かの命を救います。
2) 真理的な満足感と表彰制度
些細ななことであっても誰かの役に立てるというのは気持ちの良いものです。人は決してひとりでは生きていけません。献血を通じて社会と繋がりを持つことは、自己肯定感にもつながります。
献血会場には同じ思いを持った人が集まり、また多くのボランテイアのかたが誰かのために活動をしています。
また、決してそれが目的ではないですが、献血には表彰制度があり、10回、30回、50回、70回、100回と継続を重ねることで感謝状と記念品が贈られる制度があります。
献血が続けられるということは、社会貢献をするとともに、あなた自身が健康であることの証でもあるわけです。
ですから、献血は人から感謝され、自分で自分に感謝のできる素晴らしい活動だということになるのです。
3) 定期的な健康テェックとなる
献血の際には血液検査が行われます。この検査を通じて、様々な疾患の早期発見や自身の健康状態を知ることができます。
具体的には、すべての献血者に肝機能(ALT・AST・γーGTP)やコ レステロール値などの生化学検査が行われます。
また、400ml献血、成分献血をした方には、血球計数検査を行っています。 それによって、赤血球数やヘモグロビンの量から貧血の有無やその原因など を判断する手がかりを得ることができます。
ただし、あくまでも安全な血液の提供のための検査ですので、血糖値、脂肪酸、尿酸値など一般的な健康診断の項目に関しては、献血時の標準的な検査としては行われているものではありません。
献血の種類と制限について
献血は、献血者の安全確保のため年齢、性別、体重、輸血回数において制限が設けられている
詳細は別表をご覧いただきたいのですが、概要をお伝えすると年齢は男性は18歳から69歳まで。
ただし、献血量と成分献血の種類によって男女別年齢別若干の違いがあります。
体重は献血量、成分献血の種類によって男女別年齢別の違いがあります。男女とも50Kを超えていれば、全てにおいて対象となります。
全血の制限表
成分献血の制限表
年間に献血できる血液量は男性1200cc、女性800ccまでで、200ccと400ccとの組み合わせで回数や間隔が変わります。献血の間隔表
献血の間隔制限業
まとめ
日本の献血事情は、今後ますます需要が多くなるiiいっぽうで供給量は減少していく傾向にあります。
後期高齢者の人員は増加するいっぽうで、若い世代の人口は減少傾向にあり、若い世代の負担は高まるばかりです。このような状況で、60代が積極劇に貢献することには大きな意味があると言えるでしょう。
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