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佐賀県副知事となった島耕作氏が罷免されないことを祈っている話

島耕作さんが、佐賀県の副知事に就任されたそうだ。

島耕作氏といえば、初芝電器の会長を務めたかただが、多くの人は彼の課長時代の活躍を記憶しているのではないかと思う。

漫画に求められているものは、時代と共に変化する。このことについて、先日ジャーナリストの佐々木俊尚さんが言及されていた内容が面白い。

副知事就任の話題に興味を持って、学生時代に読んだ記憶のある「課長島耕作」を
Kindleで一巻から五巻まで読み返してみたそうだ。

読み進めるうちに、頭の中が「?」で溢れたという。

サラリーマンとして、この漫画は一体何が言いたいのか?イケメンの大企業の広報部課長が、次々に女性と知り合ってベッドインする物語。

社内の派閥争いの中での、権謀術数に巻き込まれた主人公が、ピンチの度に、寝た女性に助けられる・・・単なる羨ましい男の話。

あれ!こんな漫画だったかな?と思ったそうだ。

「課長島耕作」がモーニングで連載されたのは、1983年から。僕も大学に入ったばかりの年だった。当時は隔週発売だったのを購読して熱心に読んでいた記憶がある。

そういえば、確かにそうだった、当時は就職したら、こんな風にモテるのかな・・とワクワクしていた記憶がある。

その反面これは、現実に寄せた「俺の空」の安田一平のようで、こりゃ漫画だわ!と感じていた気がする。

佐々木氏曰く、サラリーマンとしての現実には全く触れられていない、このストーリーは、サラリーマン漫画としては、現代ではウケないだろうと言っている。

今、求められている漫画のストーリーとしては、サラリーマンとして、取り組みや知見などを盛り込まなければウケない。

計画立案や、マーケティングなど、ストラテジーをどう進めていくのか、そこに立ちはだかる困難を乗り越えるストーリー。

もう少しビジネス書よりで、読むことによって専門的な知識や、業界の裏話のようなものが必要になるのではないかとのことだった。

フィクションよりノンフィクション

熊本に、「湯らっくす」というサウナ〜にとって聖地とされる施設がある。

歴史ある健康ランドだったが、数年前にサウナに特化したリニューアルをして、全国のサウナーの心を掴む施設となった。

あるセミナーで、改装の際の経緯を、この施設のオーナーから直接聞く機会があった。

施設のコンセプトを、島耕作が喜ぶような施設として、社内、社外のコンセンサスをとって、設計や内装、提供するサービスなどの決定を進めたそうだ。

つまり、イケオジのサラリーマンが喜ぶような施設ということのなのだろう。

しかし今、お客さまの中で、自分は島耕作のようだと思って施設を利用している人はいないだろう。圧倒的に漫画「サ道」にインスパイアされている人たちのはずだ。

「サ道」はタナカカツキ氏による、サウナに関するエッセイを2015年に、やはり週刊モーニングで漫画化され、連載された。

サウナの楽しみ方や、奥深さを描くフィクション漫画で、空前のサウナブームの火付け役となった作品である。

多くのサウナ愛好家が、「サ道」を追体験する形でサウナにハマり、一部のおじさんの楽しみだったサウナを、男女、年齢、を問わない国民娯楽に成長させるきっかけとなった。

業界の裏ばなしが面白かられる

N H Kで1月から放送されている「正直不動産season2」は、2022年に放送された番組の続編だ。

ビッグコミックの連載で、340万部を売り上げている漫画の実写化であり、せんみつとされる「千に三つしかない事実」と言われる不動産業
さら界の実態や裏側をコミカルに描いた、不動産会社に勤めるサラリーマンの話だ。

なるほど、佐々木さんのいう通り、現代に受けるサラリーマン漫画は、リアルな業界や、世界が描かれているものがトレンドなのだろう。

コンプライアンスがうるさい現在である。女性にモテモテだった島耕作氏の過去が問題となり、政治家としての資質を疑われ、罷免されるということにならなければ良いが!と思うのは、あながち取り越し苦労でもないような気がする。

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