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裸で平等!おふろが教えてくれる本当の幸せとは?

世界の不安と平和の中で感じる温かさ

ガザ地区やウクライナでの衝突をリアルタイムに映像で目にすると、この国の平穏さが、なにげない毎日が、いかに慈しむべきかと感じる。そして、自分の仕事が、平和の上で成り立つことであり、感謝すべきだと考えずにはいられない。

おふろ屋の平等な世界

ぼくは現在、温浴施設のコンサルタントとして仕事をしている。17年間の現場経験を経て、7年前に独立した。

この仕事に惹かれた理由は、見ず知らずの人々が裸になり、安心して同じ湯舟に浸かり、幸せそうにくつろぐ姿を見ることができるからだ。

日本という国は、こんなふうに誰もが平等にリラックスできる場が普通に街中にある。なんて素晴らしい国なんだろう。

浴場では、誰もが平等だ。学歴や職業、地位や財産などは、ここでは一切関係ない。すべての人が同じ料金を払い、裸で湯船に浸かる。

虚栄心や見栄を張る必要もなく、誇示するものも何もない。ただ、みんながその空間を共有して、リラックスする。それこそが、銭湯の魅力であり、この仕事の奥深さでもある。

メキシコ銭湯の夢と現実

コロナ直前、大手商社から「メキシコに銭湯を作りたい」という話が舞い込んできたことがある。

最初は大きなプロジェクトにワクワクしたが、現地の治安問題やセキュリティコストを考えると、どうしても採算が合わないという結論に至り、その計画は白紙となった。

その時期はちょうどトランプ大統領がメキシコとの国境に壁を作るという話が毎日のようにニュースで取り沙汰されており、その治安状況はなんとなく理解できた。

日本では銭湯が安全に運営されているという事実は、他国の社会実態を甘く見積もらせていたのだ。

百選練磨の商社ですら、日本がいかに平和で幸福度の高い国であるかを混同していた。

戦地に向かう人々とお風呂の温かさ

数年前、アフガニスタンで中村哲医師が狙撃されたという悲報が伝えられる。

彼はアフガニスタンで医療活動だけでなく、後年は水を引き、治水工事にも尽力していた。彼の活動は多くの人の命を救うだけでなく、「水」のある日常の重要性を教え、人々の生き方を変えようとしていたのだった。

そんな中村医師は、日本に帰国するたびに必ず温泉に浸かることを楽しみにしていたという。神の恵みをダラよりも慈しんでいたことだろう。

砂漠の地で命を落とした人物としては、イスラム国に捕らえられたジャーナリストの後藤健二さんのことも思い出す。

オレンジ色の囚人服を着せられ、跪かされた姿は日本中に衝撃を与えた。危険な地に自ら足を運んだ彼に対して世論はネガティブな意見が根強かった。

しかし、ぼくは彼が無事に帰国できたなら、何も言わずにお風呂を提供したいと強く思ったものだ。

中村医師も、後藤さんも、もう一度日本で温かいお湯に身を沈め、手足を思いっきり伸ばしたかっただろうなと思う。どんな人でも、安らぎを与えられる場を作りたい。それがぼくの仕事への想いだ。

幸せを感じる瞬間が命を輝かせる

私たちは豊富な水資源とインフラに恵まれた国に住んでいる。毎日お風呂に浸かることができるというのは、実はとても贅沢で、幸せなことなのだ。

ある調査によると、シャワーだけの入浴習慣を持つ人よりも、毎日湯船に浸かる人の方が幸福度が高いという結果が出ている。大きな湯船で体を温めることで、心も体もリラックスし、日常のストレスから解放される。

この仕事に就いているぼくは、この国でおふろのある幸せを、たっぷりのお湯につかれる喜びを伝えていきたいと考えている。

その思いを込めて執筆した本を間も無く出版する予定だが、参考にしていただければ幸いである。

何気ない幸せを感じる日々が、健康な心を育む。湯船に浸かりながら、そんな小さな幸せを積み重ねていくことが、私たちの元気の秘訣であり、長生きの素であろう!


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