「年齢は単なる記号でしかない!60歳の新入生が叶えたい夢」
こんにちは。この文章をご覧いただき、心より感謝申し上げます。今年初めてのnote投稿となりますが、今回は「今年の目標」というより、私がこれから「かなえたい夢」について書いてみたいと思います。
私は現在60歳です。これまで温浴事業のコンサルタントとして活動してきましたが、新たな挑戦として「あんま・マッサージ・鍼灸師」を目指す道を選びました。
この仕事は、今までのキャリアとはほとんど無縁のものです。人生のラストスパートに差し掛かる中、視覚障害という逆境に直面しましたが、それを乗り越えて夢を叶えるために方向転換する決意をしました。
私の新たな挑戦が、少しでも多くの方に勇気や希望を届けられることを願っています。
決意の背景と動機
これまで私は、銭湯や温泉施設を活用し、入浴を単なるレジャーではなく「健康促進」の場として広める活動に取り組んできました。
ご存じのように、入浴にはリラックス効果だけでなく、血行促進や筋肉の回復を助ける力があります。この力を最大限に活かし、未病(病気の一歩手前の状態)の方々の健康寿命を伸ばすことを目指してきたのです。
かつて私はスーパー銭湯の運営を行う会社に勤めていました。お客様と接する中で、高齢化が進む日本社会では、「予防医療」や「健康を維持するためのケア」がますます重要になると感じる日々でした。
そんな中、企業として介護事業への進出について考えさせられる場面がたびたびあったのです。そのため、介護の実態を知るべく、週末だけ老人介護施設に勤務し、その現場を体験させていただきました。
介護の重要性を理解する一方で、私は「介護が必要になる前に、その時期を少しでも遅らせることこそ、温浴事情を営む自分の使命ではないか」と強く感じたのです。
それまで私は、レジャー要素が強いスーパー銭湯の運営に携わっていました。しかし、レジャーとして集客を競うのではなく、地域の健康促進の場として温浴施設を位置づけることに、大きな可能性を見出したのです。
この気づきは、役割を終え、閉鎖が続く古くから地域に根付いてきた街なかの銭湯にも通じるものがありました。そこで、7年前に独立し、集客に課題を抱える温浴施設を支援するコンサルタントの仕事を始めたのです。
おかげさまで、地域の健康促進の場として集客の支援をした施設では一定の成果を出せたと自負しています。コロナ禍では、助成金や補助金のサポートも行い、関係者の方々に少しでもお役に立てたことも誇りです。
そんな中、5年前に転機が訪れました。角膜の病気により視力が徐々に低下し、昨年にはついに身体障害者1級と認定されるまで症状が悪化しました。
この状況でも「人々の健康を支えたい」という思いは変わらず、私の原動力は変わりません。
その中で出会ったのが、視覚障害を持つ多くの方々が活躍している「あんま・マッサージ・鍼灸師」という職業です。この道が、自分の健康促進への情熱を新たな形で実現する方法だと確信しました。
60歳からの挑戦
60歳で新しい道に挑むことは簡単ではありません。しかし、「年齢や障害を理由に夢を諦めたくない」という思いが、私を視覚障害者支援学校への入学へと導きました。ここで3年間学び、あんま・マッサージ・鍼灸師の資格を取得することが目標です。
学校では、解剖学や生理学の基礎から、実践的なマッサージや鍼灸技術まで、幅広い分野を学ぶ予定です。授業料免除制度があるため、経済的な負担は軽減されています。また、家計はこれまでの蓄えと妻の支えで何とか維持できる見込みです。
これまでのコンサルタント経験で培った「健康促進」という理念は、これからの学びや実践にも活かせると信じています。さらに、視覚障害者としての経験を通じて、同じ立場の方々に「自分も挑戦できる」という希望を届けられるのではないかと考えています。
もちろん、挑戦には困難が伴います。新しい知識を学ぶ難しさや、年齢による体力の限界、そして視覚障害というハンディキャップなど、乗り越えるべき課題は多いです。しかし、これまでの仕事で数々の困難を乗り越えてきた経験が、必ずや力になると信じています。
社会的意義と今後の展望
私の目指す活動は、単なる個人的な資格取得の実現にとどまりません。高齢化が進む日本では、あんま・マッサージ・鍼灸の需要がこれからさらに高まるでしょう。この技術を活用して、高齢者の健康寿命を伸ばし、痛みや不調を和らげるケアを提供していきたいと考えています。
例えば、日本の温浴事業の市場規模は約1兆円(アクトパス調査)ですが、温泉好きな国としてはやや物足りない印象です。一方、鍼灸を含む整骨院の市場は9,190億円(矢野研究所調べ)とほぼ同規模ですが、高齢化に伴い双方ともに成長の余地があると考えます。
資格取得後は、視覚障害を持つ方々の就労支援や社会参加の場を作る活動にも取り組む予定です。具体的には、施術所を組織化し、視覚障害者が自立できる仕組みを整えたいと思っています。また、鍼灸やマッサージがもっと身近に感じられる環境を作り、健康促進に貢献したいと願っています。
感謝の気持ちと結び
最後になりますが、この挑戦を支えてくれる家族、とりわけ私を支え続けてくれる妻に深く感謝しています。また、これまで温浴事業の現場で出会ったすべての方々、そして今、私の挑戦を応援してくださる皆さまにも心よりお礼申し上げます。
「年齢や障害は挑戦を止める理由にならない。」その思いを、私自身の行動で証明していきたいと考えています。そして、この取り組みが少しでも多くの方々に影響を与え、健康な社会づくりにつながることを願っています。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。これからの活動についても、またどこかでご報告できるよう努力を重ねてまいります。どうぞよろしくお願いいたします!