値上げ!値上げ!で風呂でも入るか!
行き付けの近所のコーヒーショップにコーヒー豆を買いに行ったら、マスターが申しわけなさそうに今月から値上げしましたと言ってきました!
しょうがないよね、と答えたものの今まで900円だった豆が1,300円というのはさすがに驚いた!
歯止めない円安傾向、世界情勢の不安による物価の高騰、思えばこの半年僕自身もクライアント先で入浴料金の値上げを指導してきたが、本当にこのままで大乗ぐなのだろうかと不安になります。
燃料高騰でかなりヤバイスーパー銭湯
今年に入って、温浴業界は客数を回復してきています。この夏は年初依頼のオミクロンの再増加にもかかわらず、2019年以前の客数を取り戻した施設が多くありました。
様々な要因が考えられます、旅行を控えた身近なレジャーとして捉えられたとか、サウナブームによってサウナーの数が増えたとか・・・
一方で、集客は戻ったが付帯施設の飲食、リラクゼーションなどの利用は依然ほどではなく、客単価は下がっています。
加えた、原油やガスの高騰により光熱費が爆上りしており客数は戻っても、収益はコロナ以前には到底おぼつかない傾向にあります。
銭湯・スーパー銭湯の決断
そんな訳で、我が業界も値上げは止む負えない状況なのですが、一般公衆浴場いわゆる街中銭湯は物価統制令というものがあって、勝手に値上げはできません。
そこで、各都道府県の組合は相次いで値上げを発表しました。余力のある施設は、サウナの改装を行い、今まで料金をとっていなかったサウナを別料金にしたりしています。
街中銭湯よりも規模の大きいスーパー
銭湯は更に深刻です。
元々、入浴後の飲食やリラクゼーションの利用を前提にしたビジネスモデルで、銭湯よりも多くの集客を前提とした浴室の規模も大きく、損益分岐点は高いのです。
価格戦力も自由競争なので、根強いファン客のいる施設は少々の値上げは持ち堪えても、価格流動性の
高い顧客の多い施設は、さじ加減を間違うと一挙に競争に負けてしまいます。
物価の上昇の中での生き残るには
温浴事業に限ったことではなく、すべての事業に言えることですが、生き残るには時代の変化を受け止めて、変化をしてゆくことです。
国民の衛生を担保する目的であった一般公衆浴場である銭湯は、全盛期の1968年には全国に17,000件存在しましたが、その役割を終え、現在は4,000件を下回りました。
その後業界は健康ランド、都市型サウナ、スーパー銭湯と、時代毎に形を変え、国民のレジャーの場として伸び、2009年には全国に29,000件の温浴施設が存在していました。しかし、施設の老朽化や、規模の大型化による競争の激化により、現在は20,000件を下回っています。
高齢化社会で、本気で入浴による健康法を追求してそれを伝えることのできる施設、働き方改革による多様な生き方に対抗したサービスの提供。
衛生面だけでも、レジャー面でもなく、変化をした地域住民の日常に必要な存在になることができるかが鍵です。そして、それは単なる合理化だけではなしえないでしょう。
僕にとって、コーヒーは日常で不可欠なものですが、近所にあるという利便性だけで買っていたコーヒショップの豆は、暫く購入しないと思います。
僕にとって必要となる動機が現れない限りは・・・消費者はシビアなのです。